
よく行く鮮魚屋で「これ今年初めて入ったよ。長田のあたりでとれたメクリアジ」と言われて、メクリアジという単語を覚えた。普通のアジと値段が全然違うらしい(高級)。神戸〜明石あたりで使われる名前なので、住んでいなかったら、ぶらぶらと鮮魚屋に顔を出さなかったらまず知らないままだっただろう。このあたりで釣りをしてる人にはおなじみの魚なのかな。わからないけど。東京に住んでいて、高級な店に出入りする身分になっていたら知る事が出来た可能性がある。けれどたぶん東京にいたとしてもそういう身分にはなっていなかっただろう。
鮮魚屋自体はしょっちゅう通っているので、今までにも「メクリアジ」という名前は目にしていたかもしれない。でも店主としゃべって「これ長田のあたりでとれたんやけど、今年初めてやで。普通のやつやったら箱で●●円くらいやけどこれ●●円するから」みたいな会話をして初めて、単純な固有名詞(メクリアジ)だけの情報に肉付けがされるというか。義務感で本読んでても文字情報は何も頭に残らないけれど、おもしれえなあ!と思いながら読んでる本は残る、みたいな。へえ、そうなんや、そんな名前のアジがあるのか、神戸のこのあたりだけの呼び方で、鮭で言うたら鮭児みたいな感じかなあ、みたいな心の流れがあって、それで「メクリアジ」というのが忘れられない名前になる。場所の記憶とともに。600円。公園で食す。