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糞尿アンソロジー


詩誌「騒」にて井之川巨と同人であった原満三寿氏の書いた「評伝 金子光晴」ISBN:4894482460近くある執念の書だ。でかい本なので枕がわりにもなるから好きな人とか眠たい人は手にいれて読んで下さい。ぼくはもうかれこれ一ヶ月くらいこの本よんでてこの前やっと読み終わりました。んで、この本に、金子光晴が糞尿について書いた文章(詩)のアンソロジーがのっているんです。こおゆうのを真面目に調べあげてしまう原満三寿とゆう人はもうものすごいエライのです。んでそれが非常に便利なので、資料に役立てたいです。(まあこの本を読んでる人はたぶんあまりいないだろうから、何も書かずに引用してさも自分が集めたみたいにしてやろうとか、いっしゅん悪魔が囁いたけど、そんな事はしない。「評伝金子光晴」からの孫引きです)


以下

彼女の赤い臀の穴のにほいを私は嗅ぎ、前檣トップで、油汗にひたってゐた。
「航海」

女たち。/チリッと舌をさす、辛い、火傷しさうな/野糞。(中略)/
あの女たちの黒い皺。黒い肛門。 
「女たちへのエレジー」

健全な白い歯並。こいつが第一だ。ぬれて光る唇。漆戸棚のやうな黒光りする頑丈
な胃。鉄のやうなはらわた。よく締まった肛門。/さあ。持ってらっしゃい。なん
でもたべるわ。花でも、葉でも、虫でも、サラダでも、牛でも、らくだでも、男た
ちでも、あしたにならないうちに、みんな消化して、ふというんこにしておしだし
てしまふから。/そんな女に僕は、ときどき路傍ですれちがふんだが。 
「短章E」

ごむ風船みたいにふわついたお嬢さん。/青空で、ぱんぱん割れるお嬢さん。/
うんこをちっぴりお尻につけて/とびまはってゐるお嬢さん。 
「えなの唄」

―なにもひけ目はねえ。皇后さまだって/女はからだをうっていきるほかないのだ
から。/うれしがらせてささやきにくるこんにゃくどもも、女とねて、女をしゃぶ
りまはしたあとでは/こんな女とねてしみついたきたならしさを、どう洗ひおとし
たものかといらだちながら、おのれにあいそをつかしていった/―女じゃねえ。い
や人間でもねえ。/あれは糞壷なんだ。 
「どぶ」(伏字挿入)

恋人よ。/とうとう/僕はあなたのうんこになりました。//そして狭い糞壷のな
かで/ほかのうんこといっしょに/蝿がうみつけた幼虫どもに/
くすぐられてゐる。 
「もう一篇の詩」

糞尿は、泥よりもやはらかい。//泥よりも平等な糞尿をはこぶ/苦力たち 
「愛情10」

紙捩りで一本づつ抜いた毛の/初ものの愛らしさが残るふくらみも/
しらずにもらす小便でじくじくして/みるかげもない。いまは、狐穴。 
「愛情11」


ひまがあったら(まあ、じゅうぶんひまなんだけど)他の人のぶんも入れたりしてちゃんとした糞尿アンソロジーを作りたいですね。でもいま手元に全然本がないのですよ。そおいえば昔安岡章太郎が「滑稽糞尿譚」てゆう小説とエッセイのアンソロジーを編んでましたけど。・・・・・・それでまあ今なんとなく頭の中だけで思い出すのは、例えば阿部和重の「シンセミア」で、主人公の警察官中山が中学生の彼女とホテルに入って、なんか別の人と携帯電話でしゃべりながらジュースの瓶を彼女の肛門にさしこんで、それをペロペロ舐めたりにおいをかいだりってゆう、素敵な描写があった気がする。あと藤枝静男の「空気頭」だったっけ。うんこをカリカリに乾燥さしてそれを砕いてふりかけにして御飯を食べるシーンがありませんでしたっけ。勘違いだったらごめんなさい。谷崎潤一郎なんてどうですかね。ぜんぜん思いつかないけど。有名なところでは「細雪」の雪子が結婚前に下痢になるシーンとか。どんなんか忘れましたけど。ウンゲロの御大松沢呉一とか、根本敬とか、そのへんの人は入れだすときりがないので却下で。とりあえずなんか意外性みたいなんがほしいなあ。って、まあこのへんで。ごきげんよう。


「深夜、寝しずまった人たちのあいだで一人眼をさました僕は、しびれたような頭を持ちあげ、掛椅子をつたって下におりると、ふらふらしながら船室に立った。からだが伸びちぢみするひどい動揺であった。僕の寝ている下の藁布団のベッドで譚嬢は、しずかに眠っていた。船に馴れて、船酔いに苦しんでいるものはなかった。僕は、からだをかがみこむようにして、彼女の寝顔をしばらく眺めていたが、腹の割れ目から手を入れて、彼女のからだにさわった。じっとりとからだが汗ばんでいた。腹のほうから、背のほうをさぐってゆくと、小高くふくれあがった肛門らしいものをさぐりあてた。その手を引きぬいて、指を鼻にかざすと、日本人とすこしも変わらない、強い糞臭がした。同糞同臭だとおもうと、<お手てつなげば、世界は一つ>というフランスの詩王ポール・フォールの小唄の一節がおもいだされて、可笑しかった。
(『ねむれ巴里』)


*p1
評伝金子光晴


本のちゃんとした画像がなかったんで自分で撮った。大きさを比べるために右下にサトウの切りモチ置いてみたんだけどわかりにくいよね。




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