春は強風の季節。そして花粉の季節。
先週の土日、俺の住む埼玉県某所は強風が吹き荒れた。朝から晩までごうごうびゅうびゅう、Yahoo天気アプリによると最大風速7メートルとのこと。
土曜日の朝、目覚めたときから鼻詰まりと喉に痛みがあり、頭痛もした。だから当初予定していた映画館行きをキャンセルして土日とも大人しく自宅に引きこもっていた。というか具合が悪くて二日間ともほぼずっと寝ていた。
熱は平熱。しかし喉が腫れていて唾を飲み込むのもしんどい。風邪か、花粉症か、判断に迷った。一応ロキソニンと耳鼻科でもらった花粉症の薬、さらに常備している龍角散ダイレクトを飲んだ。が、効果が感じられない。龍角散ダイレクトを飲んで喉の痛みが全然緩和しないのは珍しく、戸惑った。
土曜の朝から日曜の夕方まで、ろくに食事をしなかった。買い置きしていたポカリを飲み、inゼリーを少々。体調が悪いと食欲が出ない。こういうときは無理して食べない。体の声に耳を澄ませて、従う。食べたら消化にエネルギーを使うことになる。限られた体力リソースは体調回復に全振りしたい。消化に割きたくない。動物は具合が悪くなると何も食わず蹲ったまま動こうとしなくなる。俺は動物の賢さに倣いたい。
日曜の夕方、さすがに少し腹が減って起きた。明日は月曜日、会社へ行くなら何か食っておかねば体がもたんだろう。何か簡単に作れて栄養がとれるいいメニューはないか…と考えたときふと念頭に去来したイメージがあった。
インスタントラーメンである。
『らーめん再遊記』の8巻に、芹沢達也ことラーメンハゲ*1が風邪予防として薬味、練りニンニク、練りショウガを載せたチャルメラを作るシーンがある。このイメージが、ロマサガの閃き電球のごとくピコーンときた。真似してやってみよう。そう思い、スーパーでポカリやバナナなどと一緒に食材を購入。ただしチャルメラではなく俺の好みでサッポロ一番の味噌にした。

これがそれである。芹沢を参照しつつ、冷凍ほうれん草を加え、卵も溶いた。
子供の頃から食べ慣れたインスタントラーメンの、安定した旨さである。平げ、スープまで完飲した。
食っている最中に風呂をセットしておいた。食後すぐに食器を洗い、風呂に浸かった。
今思えば風呂がよくなかったか。夜になって急に体調が悪化した。平熱なのに立っていられないくらいの頭痛、めまい、腹がぐるぐる鳴る(しかし何も出ない)、ひどい鼻詰まり、喉の痛みが一気に襲ってきた。
いかん。久々に死ぬやつだこれ。そう直感した。
俺はラーメンハゲとは違う。
布団に入って、明日の朝何時に会社に電話するのがベストか、と考え始めた。この時点で明日の出勤は無理と諦めた。
そして月火の二日間寝込んだ。トイレに行く以外ほぼずっとベッド。ポカリ2本とinゼリー2パックを食べた以外何も口にせずに丸二日。何度も寝ては目覚めるのを繰り返し、時間感覚を失い、その間たくさん夢を見た。何十年ぶりかに(夢の中で)再会する顔もあって懐かしくなった。今、どうしていますか。元気にやっていますか。あれ以来会わなくなるなんてあのときは思いもしなかった。
火曜日の夕方頃、ようやく動けるようになった。まだ鼻詰まりや喉のいがらっぽさ(やたらと痰が出る)やかすかな頭痛はあったが寝込むほどじゃない。起き上がった。腹が減っていた。何か温かいものが食いたかった。いやラーメンは結構。もう少しあっさりしたもの。こういうときはうどんだろう。というわけで適当に作った。カトキチの冷凍うどんとヒガシマルのうどんスープがあれば手軽に旨いうどんが作れる。

やっぱうどんは最高だな!
というわけで水曜日からまた出社した。
一応復調して4日経つがまだ喉のいがらっぽさは解消されていない。咳がよく出る。鼻も若干詰まり気味。
体調不良*2で寝込むことは年に何度かあったが会社を休むほど長引いたのは久々だった気がする。コロナ禍以降、手を洗うのがすっかり習慣になり、それでだいぶ体調が安定するようになった。もともとあまり丈夫な方じゃない。蒲柳の質ってほどでもないが、ブルーワークや交代勤務なんて本来向いていない人間だと自負している。それでも金のためにはやるしかないからやっている。
今回のはどうも風邪の気がしない。花粉症のひどい症状が出たのでは、と解釈している。あれだけびゅうびゅう風が吹いていたらそりゃあ大量の花粉が飛散しているでしょう。空気清浄機が常時稼働しているとはいえ、築50年の木造住宅ゆえ隙間から入ってきてたりするんじゃないか。家の中でもマスク必須か。あと、先週は結構仕事量が多くてしんどかったのもある。疲労で免疫が落ちていたとも考えられる。加えて、先週はつまらねえ映画を無理してだらだら最後まで見たり、つまらない小説を放棄せずだらだら読んだりしたのもよくなかったのではないか、と今では考える。これは本当、俺は主張したい。映画でも漫画でも小説でも、つまらねえと思ったらその時点で見る/読むのをやめるべきだと。たとえ世間の評価が高かろうと尊敬する人のおすすめだろうと、自分がつまらねえと思うならその声に耳を傾けるべきで、我慢して見続ければやがて精神がダメージを受ける。そのダメージは身体へも影響を及ぼす。「人間は半分は霊的なものですから、精神が汚れると実体も変化してしまいます」(宇野常寛『ラーメンと瞑想』)。精神を健康に保つことが身体の健康につながるし、その逆もまた然りなのではないか。何事にも損切り感覚は必要。
一年のうち12月下旬から2月くらいまでの寒い期間は冬季うつっぽくなって気が滅入るから苦手にしていたんだが、花粉がひどい春先もしんどくなってきた。どんどん生きるのが難儀になっていく。それでもやっていくしかない。どれだけ風が吹いて花粉や黄砂が飛来しようが生きてる以上は生きねばならぬ。死ぬまで生きねばならぬ。
つらいぜ。