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『シークレット・オブ・シークレッツ』

 

 

前作『オリジン』(Origin)が出たのが2017年!?
そんなに間が空いたかしら?と驚きながら手にしたのは、宗教象徴学者ラングドン教授が活躍するダン・ブラウンの最新作。

『天使と悪魔』から始まったこのシリーズは、新作が出たらとりあえず読むと決めている。

私がこのシリーズに期待するのは、スリリングな展開でも、長さのわりにスイスイと読み進められる軽さでもなく、この観光案内風視覚的要素。

これでもかという街の案内、美術品の案内に、親切丁寧にバックミュージックまで取りそろえたまさにエンターテインメント。
いつもながら映画になっても映えるだろうなと思わせるあたり、我ながら巧くのせられていると思いつつ、のせられてもいいではないかと思ってしまうのもお約束。

とりわけ今回の舞台はプラハと聞いていたので、ページをめくる前から大いに期待していた。

なにしろプラハだ。
プラハは魔法の宿る街だと言われるが、たしかにそのとおりだ……古(いにしえ)の力を具(そな)えた触媒。ここでは何かが起こる…(上P33)
ラングドン教授のおっしゃるとおり!
古いものと新しいものが奇妙に同居するあの街では、何が起こってもおかしくない。

ロバート・ラングドン教授がプラハを訪れていのは、最近ついに恋人になったあの『ロスト・シンボル』のヒロイン、知性科学者キャサリン・ソロモンの講演を聴くためだった。
その講演の中でキャサリンは、人間の意識にまつわる驚くべき発見について解説した著書を刊行予定だと話した。
ところが、その原稿がなにものかに狙われていて、ニューヨークでは出版社のセキュリティーが破られ、プラハではキャサリンは原稿とともに行方不明に。

滑り出しこそ、カレル橋、旧市街広場、プラハ城に、街を徘徊するゴーレム(!)と視覚に訴える描写があるが、「意識とは何か」を問う純粋知性科学をテーマに据えていることに加え、プラハとニューヨークで同時並行的に事件が起こること、とにかく登場人物が多くしかも脇役のはずの人たちが端役とはいいきれない存在感で動き回るので、話について行くのが結構大変!
軽い気持ちで読み始めたのに、ちっとも軽くないんですが!?

慌てて気合いを入れ直して挑んでいくと、上巻の終盤から加速して、怒濤の展開をみせる下巻は一気読み。

小難しい蘊蓄と血なまぐさい事件の合間に
少し前に、ラングドンのハーヴァードの同僚であるマイケル・ポーランが、幻覚剤の効能を書いたベストセラー本『幻覚剤は役に立つのか』で話題になり(下p29)
とか、
ヴァチカン市国はしじゅうその誤りを犯している。大衆向けの本を“反カトリック”だと主張し、カトリック信者に読むことを禁じようとして、かえって売りあげ増加に貢献してしまう始末だ。(下p67)
とか、

スターバックスのマーメードには」ラングドンは文句を言っていた。「尾がふたつあるんだ!つまり、あれはマーメードではなく、セイレーン--船乗りを惑わして船を難破させ、最後には死へと導く悪女だよ!図像学的な意味を無視して、フラペチーノを恐ろしい海の怪物で飾り立てる会社は信用できない……」

(下p358)
などという小ネタを織り交ぜてくるから油断がならない。

最も思わず息をのんだのは、あの人が殺された場面でも、あの場所が破壊された場面でも、絶体絶命と思われた追い詰められた場面でもなく、“世界が安全でないと恐れはじめたとき、人は……”という、キャサリンの“研究成果”だったかもしれない。




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