8月の読書メーター
読んだ本の数:7
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ナイス数:209
8月の本 (12か月の本)の感想
“ひと月”をテーマに古今東西の文学作品を集めた国書刊行会のアンソロジー“12か月の本”。『5月の本』 『6月の本』ときて、7月を飛ばして、『8月の本』を読んでみた。短編小説、詩、エッセイ、とバラエティに富んだ作品が21篇。 うちタイトルに8月とあるのは、中谷宇吉郎の「八月三日の夢」と吉田絃二郎の「八月の星座」のみ。「あの人、どう思いますか、影が無いようですね。」北原白秋の「影」はホラーなの!?石井桃子の思い出語りお盆にしみじみ。アルプスのシャモニーを舞台にした久生十蘭の「白雪姫」の西洋かぶれぶりに笑う…。
読了日:08月25日 著者:堀辰雄,北原白秋,山川方夫,須賀敦子,茨木のり子,井上靖,唐十郎,ブルーノ・シュルツ
文豪ストレイドッグス 太宰治と黒の時代 (角川ビーンズ文庫)の感想
そういえば、この冒頭に織田作之助の「可能性の文学」からの抜粋が掲げられていたおぼえが…と確認するつもりで開いたら、つかまって思わず再読。実在する一枚の写真からひろがるオタク的妄想的な作品なのに、ちゃんと面白くて読み応えがあって、若者の間のオダサク人気にも納得でき、そのおかげで織田作作品があらたに文庫化されるのだからすごいよねえ。
読了日:08月22日 著者:朝霧 カフカ
雨の感想
『青春の逆説』の主人公豹一の母お君を主役とした初期の先品。この『雨』と『青春の逆説』とを読み比べてみると、『可能性の文学』でも展開されている織田作がめざしていた方向がぼんたりと理解できる気がしてくる。
読了日:08月22日 著者:織田 作之助
青春の逆説・可能性の文学 (角川文庫)の感想
#角川文庫夏フェア2025 『青春の逆説』は戦時中、その破廉恥な内容が問題となって発禁処分になったという曰く付きの作品で、織田作之助の自伝的小説だとされている。三高時代のバンカラぶりなど、確かに自伝的要素を取り入れているのだろうが、なんというかこれは、盛りに盛ったね!という感じ。いいのかこれで!?と思っていたら、同時収録の『可能性の文学』にその答えがあった。『可能性の文学』は以前青空文庫で読んだことがあったのだが、改めて紙本で読んでみるとこれ、すごくよかった。
読了日:08月22日 著者:織田 作之助
大正銀座ウソつき推理録 文豪探偵・兎田谷朔と架空の事件簿 (アルファポリス文庫)の感想
書評サイト本が好き!を通じてのいただきもの。関東大震災から1年半、帝都の中心地である銀座には、まだまだ被災の爪痕が残っているが、繁華街の賑わいは少しずつ戻りつつある。物語の舞台はそんな銀座界隈で、主人公の看板を背負うのは、この地で生まれ育ったという小説家兼探偵の兎田谷朔(うさいだやはじめ)という男。「小説家が架空をでっちあげてなにが悪い!?地獄の沙汰も口八丁。解決さえすりゃ。真実なんかいらないのさ」とうそぶく“文豪探偵”の事件簿。もっとも探偵がでっちあげるのは「犯人」ではなかった!?
読了日:08月20日 著者:芥生夢子
キッチン常夜灯 (角川文庫)の感想
#角川文庫夏フェア2025 ハートフルなグルメ小説だと思って読み始めたのだが、それだけではなく、接客や同僚やバイトたちとのあれこれ、仕事のやりがい等々、なかなか身につまされるお仕事小説でもあったことも○。 この手の話では、美味しそうな料理に思わず涎がでそうになるのもお約束だが、意外なことに私が一番心惹かれたのは、早朝に提供されるおにぎりとお味噌汁だったりも。 徹夜どころか夜更かしもままならない今ではなくて、始発まで飲んだり食べたりしゃべったりできた20代の頃に、訪れたかった気も。
読了日:08月07日 著者:長月 天音
本と歩く人の感想
歩いて本を配達する老書店員と少女+αの珍道中と、曲者揃いのお客たちとの交流、なにもかもがうまく行くかと思われたところに降りかかる災難。癖のある老人と遠慮無く距離をつめていく子どもを掛け合わせた物語はめずらしくないし、そこに本が加わればこれはもう、思わず読みたくなる本を積み上げながらのハートフルな展開で、最後はほろっとさせられる結末が約束されているとみて間違いないだろうと思ってはいたのだが…。カールの言うとおり、すべての人に気に入られる本なんてないのだろう。それでも…
読了日:08月04日 著者:カルステン・ヘン
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