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『私の小さな日本文学』

私の小さな日本文学

夏葉社の新刊が近代日本文学のアンソロジーで、編者のチェ・スミン氏は作家であり翻訳家であるだけでなく、ソウルでひとり出版社を立ち上げて自ら翻訳した日本文学のリトルプレスを出版し、さらには独立系書店をも営んでいる方だと知って興味を持った。

もしかすると、出版社としてだけでなく、執筆者としても活躍されている夏葉社の島田氏との共鳴する共通点があるのかもしれないなどと考えながら、もう少し詳しい内容紹介を見てみると…。

芥川龍之介萩原朔太郎など有名どころは順当なところとして、小川未明室生犀星あたりもまあわかる、だがしかし、 伊藤野枝片山廣子豊島与志雄牧野信一田中貢太郎……?
しかもこれ、収録されている16作品のうち3作をのぞいたほとんどの作品が、編者自らの翻訳で韓国で出版されているのだという。
ちなみにそのリトルプレスシリーズの名前は「プロジェクト明治」というのだそうで、てっきり明治時代の文学作品を中心に…ということなのかと思ったら、なんと留学していた「明治大学」の「明治」なのだとか。

そんな話を聞けば、どんなラインナップなのかものすごく気になるし、どんな思いで作品を選んでいるのかも気になるところ。

というわけで読んでみた。

萩原朔太郎ってこんな作品も書いているんだ。
豊島与志雄のことは、太宰と親交があった人物として知っていたけれど、作品、読んだことがあったかなあ?
菊池寛の「マスク」!これは本当にいろんな意味でびっくりだ。
恥ずかしながら名前すら知らなかった平林初之輔の「悪魔の聖壇」はこれ、フランスの作家が書いたと言われても信じてしまいそうな雰囲気の作品で、田中貢太郎山川方夫は思いっきりホラーだ。
そうかと思えば渡辺温が思わず赤面してしまいそうなピュアぶりを発揮して!?

収録作品のうち、読んだことがあったのは芥川龍之介の「蜜柑」、小川未明の「月とあざらし」、 伊藤野枝の「遺書の一部より」に片山廣子の「北極星」だけ。
近代日本文学にもまだまだ私が知らない宝物が沢山あるに違いないと思わせるに十分な1冊だった。

さらには、収録されているどの作品よりも長い編者による「あとがき」はこれまたこれだけでも十分販売できそうな読み応えで、いつかソウルを再訪する機会があったならぜひ書店「セゴ書林」を訪ねてみたい、(韓国語は読めないけれど)ぜひ日本文学を紹介するリトルプレスを購入してみたいと夢まで見始めてしまう。

文庫サイズの上製本で、品があって手触りのいい夏葉社らしい美しい本であることも嬉しい。




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