5月の読書メーター
読んだ本の数:8
読んだページ数:1792
ナイス数:207
血統書の感想
2005年に刊行された自伝 Un Pedigree の全訳。訳者あとがきや資料を除いた本篇だけなら120頁ほどと比較的薄いが読み応えはある。子どもに背を向けて遠ざかっていく親の後ろ姿や、いまではすっかり変わってしまったというパリ6区界隈の様子など、モディアノ作品の中にたびたび登場するモチーフがそこここに顔を出す。少年時代の思い出語りは時に苦しくなるほどの寂しさを感じさせるが、コレットの 『青い麦』を読んだために何日間かの停学処分を受けた…といった読書遍歴やレーモン・クノーとの交流など文学ネタも興味深い。
読了日:05月26日 著者:パトリック・モディアノ
北のおくりもの 北海道アンソロジー (集英社文庫)の感想
北海道を舞台にした5つの短編小説と4つのエッセイを収録したアンソロジー。集英社文庫編集部が編纂したというだけあって、収録されているのは初出は雑誌や単行本で、その後集英社文庫に収録されている作品。編集部の推しがつまった読み応えのある1冊だ。アンソロジーだからどこから読んでもいいわけだけれど、収録順に小説とエッセイを交互に読んでいくと、小説が重苦しい分、エッセイで気分を切り替える意図があるのかも…と思うぐらい落差がはげしく、1冊通して読むと何とも不思議な読み心地でもあった。
読了日:05月22日 著者:浅田 次郎,太田 和彦,河﨑 秋子,北大路 公子,桜木 紫乃,堂場 瞬一,馳 星周,原田 マハ,渡辺 淳一,集英社文庫編集部
貧乏お嬢さま、花の都へ (コージーブックス)の感想
舞台はパリ。ジョージーと来たら妊婦だというのに、ダーシーの「出張」に同行するも現地では別行動で、親友ベリンダの部屋に滞在することに。そのベリンダはシャネルの元で修行中。そんなこんなでまたまたシャネルのファッションショーにかり出されしまうジョージーだったが、同時に「秘密の任務」を引き受けることに。となればもうまたまた死体に出くわしてしまうのもお約束。妊婦なのに無茶が過ぎると、本筋とは違った意味でもハラハラするが、今回、何よりも意外だったのは、シンプソン夫人がいい人にみえたことだったかも!?
読了日:05月20日 著者:リース・ボウエン
恋した人は、妹の代わりに死んでくれと言った。7―妹と結婚した片思い相手がなぜ今さら私のもとに?と思ったら―【電子書籍限定書き下ろしSS付き】 (Celicaノベルス)の感想
生意気なばかりで今ひとつ好きになれなかったロイドが、どんどんいい男になってきた一方で、イレーネがますます頼りなげな感じに!?いやいや師匠、いろいろあってしんどいことはわかるけど、もうちょっとキリッとした部分が無いとギャップ萌えが活きない気が。なんだかんだいいつつ、続きを首長で待つ!
読了日:05月19日 著者:永野水貴
翻訳する私 (新潮クレスト・ブックス)の感想
『低地』から9年を経て、久々にラヒリが英語で書いた。 しかも小説ではなく、翻訳に関するエッセイ集のようなものだという。エッセイというならイタリア語で執筆された『べつの言葉で』のような感じの物かな…と思いながら手に取ってみて色々な意味で驚いた。自分と同世代の作家が、次々と新しい扉を開けて、挑戦を続けている姿に感銘を受け、次はどんな作品を生み出してくるのかと、期待に胸を膨らませながら本を閉じた。
読了日:05月19日 著者:ジュンパ・ラヒリ
ブックキャット ネコのないしょの仕事!の感想
頁をめくるとそこここに、猫、ネコ、ねこ!と ふんだんな挿絵も楽しい1冊ですが、 そんな中でもしっかりと 戦争のもたらす悲惨な現実を訴えることも忘れない物語。 とりわけ、パソコンに向かっているときや 新聞を読んでいるときに限って割り込んでくる子に 心当たりのあるあなたにお薦めです。
読了日:05月16日 著者:ポリー・フェイバー
5月の本 (12か月の本)の感想
翻訳もの3作を含め、詩あり、小説あり、随筆ありのバラエティーに富んだ収録で、読み心地もいろいろなので、一気に読んでも、少しずつ読んでも、どこから読んでも問題ない、いろいろな5月が詰まったアンソロジー。ただし、編纂者の嗜好によるものかもしれないが、「5月」という月に期待しがちなさわやかなイメージの作品よりも、どちらかというと5月病を連想してしまいそうな暗めの作品が多い気がしないでも。こういうのを読み始めてしまうと、(他にはどんな5月があったかしら?)とついつい探し始めてしまうのもお約束だ。
読了日:05月12日 著者:尾形亀之助,須賀敦子,岩本素白,堀辰雄,三島由紀夫,寺田寅彦,鏑木清方,マッシモ・ボンテンペㇽリ,小山いと子,谷川俊太郎,三橋一夫,吉田健一,久坂葉子,吉江喬松,萩原朔太郎,鈴木三重吉,吉屋信子,江戸川乱歩,岡本綺堂,村山槐多,芥川龍之介,野上弥生子,スワヴォーミル・ムロージェック,川端康成,石垣りん,宇野浩二,レオノーラ・カリントン,尾崎翠
宮中は噂のたえない職場にて 三 (角川文庫)の感想
主役の二人もようやく!と思いきや、そうは問屋が卸さない。またまた気になる終わり方で、やっぱり続きもよまなくては。怪異は怖いがそれ以上に人が怖くなるのもお約束。そのままではないけれど、元ネタ(モデル)の匂わせ具合も絶妙で、怪異は別にするとしても、あったかもしれない物語のようによめるところも面白い。
読了日:05月02日 著者:天城 智尋
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