コレットの作品を立て続けに幾つか読んだ。
そもそものきっかけは、水声社から出た『コレットの地中海レシピ』という本に
『失われた時を求めて』の作者としてお馴染みのプルーストが
コレットに宛てて書いた熱烈なファンレターが収録されていると知ったからだ。
この『地中海レシピ』、面白そうだし美味しそうだしと
思わず衝動買いをしてしまったのだけれど、
読み始める前に、ハタッと気づいたのだ。
そもそも私はこれまで、
コレットの作品を読んだことがなかったではないか!と。
というわけで、付け焼き刃のにわか予習
薄くて読みやすそうだという理由で『青い麦』を読み、
もう一つこちらも有名な作品だからと『シェリ』を読んでから、
『地中海レシピ』を開いてみると、
プルーストが絶賛していたのは全く別の作品だった!
そんなこんなで、お目当ての作品を探しに図書館にいって
昭和40年代半ばに刊行されたコレット著者集を何冊か手に取ってみたら、
お目当ての作品を見つける前に、
あの「シェリ」の続編「シェリの最後」が収録されている
この巻に行き当たってしまった。
で、ちょっとだけ…のつもりで読み始めたら止まらなくなって、
結局借り出して、寸暇を惜しんで読みふけってしまったのだった。
この本に収録されているのは「シェリ」と「シェリの最後」、それに「牝猫」の3編。
「シェリ」については、既に光文社古典新訳版で読んでいたので
「シェリの最後」から読み始めたのだが、
これはもう「シェリ」の上を行く面白さ。
舞台は第一次大戦後のパリ。
無事に復員したものの自分自身を含め、
すっかり変わってしまったあれこれにうまく適応できずにとまどうシェリ。
かつては世間知らずで幼く思えた妻は、
いまやシェリの母の片腕として栄誉と収益のために奔走する毎日だ。
その傍らで自分の居場所を見出すことのできずに
無為な日々を送っていたシェリは、
ある日かつての恋人レアの消息を知る。
だが再会したレアは……!!!
1926年に発表されたこの作品は、
先に発表された「シェリ」とともに
第一次世界大戦のいわゆる不安な時代に生きていた青年層に
広く受け入れられて話題を呼んだのだというが、
親子ほども年の違う恋人レアと別れてから数年後のシェリの物語は、
前作よりもさらにナイーブで、
一見そうは見えないのに見方によってはかなり社会派的な要素も含んでいた。
続いて読んだ「牝猫」
「シェリ」とは全く違った意味でなかなかの問題作!
新婚家庭に波紋を呼ぶ原因は、
女は、女でも新郎が愛して止まない猫だった!!
というお話。
うむむむむ。
これは結構悩ましい問題だよ!本当に!!
(2020年03月09日 本が好き!投稿)