こういう冊子は、特別に興味があるテーマが特集されているときだけ購入することにしている。
元々隅から隅まで読んで「読了」することを目的としないので、あれやこれやと拾い読みしてまた本棚に戻し、ふとした折りに「そういえば…」と思い出してまた手に取る。
そんな風にして読むものだから、結局本棚に溜まっていくことになる。
いいかげん古いものは処分しないといけないなあと思いつつ、今回初めてKindle版を購入してみることにした。
実のところ、電子書籍は、いつでもどこでも気軽に読むことが出来る反面、小難しい文章を読み解くには向かないと思っているので、今回は「お試し」のつもりでポチってみた。
まずは巻頭の対談、市川沙央+頭木弘樹「合理的調整としての読書バリアフリー」を、続けて西川勝「ケアとともにある読書」、古怒田望人/いりや 「ナナメに読書する——識字障害のボクが作ってきた読書との関係性について」までを一気に読む。
読むことをテーマにした特集で、これほどまでに生きづらさを突きつけられるとは思っていなくて愕然とする。
そこから先は、時々思い出したように開いては、興味と理解力との兼ね合いで、じっくり読んだり、さらっと読み流したりしながら読み進めた。
沼野充義の「君が何をどう読むかだ——地図のない〈世界文学〉の沃野に向けて」や三宅香帆の「誰かの寂しさを言葉ですくいあげる」の“正統派”的な安心安定な読み心地の後に続く、永田希の「「#本好きと繋がりたい」問題」にガツンとやられてひと休み。
少々間を置いて、久々に開いて読んだ大久保ゆうのル=グウィンの『老子道徳経』を基にした「テクストと自己と世界と——翻訳者の一挙手一投足、その選択を」では、学生時代に戻ってもう一度あれこれ勉強したくもなった。
ちょっと意外なとことでは、谷村省吾の「物理学者、哲学書を読む」の専門書の読み方も面白く、いつでも気軽に読み進められるという点でも、こういう本の電子版もありだな、と改めて思いもした。