『その昔、N市では』に続く、戦後ドイツを代表する女性作家マリー・ルイーゼ・カシュニッツ(1901-1974)の作品を集めた日本オリジナル短篇集第2弾。
・死んだはずのあの子がやってくるに違いないと、おびえながら戸締まりをする養母(「雪解け」)
・よりによって万霊節の前日に、どうしてあんなことになったのか…(「ポップとミンゲル」)
・太っちょと呼ばれているというその子のことは、見覚えがある気はするが、はっきり誰とはわからなかった。(「太った子」)
・まるで行方不明の少年を探すことにとりつかれたかのような女性が…(「幸せでいっぱい」)
・今の仕事を辞めて、別の生き方をすることにした…(「作家」)
・放火の罪で起訴された被告人の主張は……(「トロワ・サパンへの執着」)
・世界が滅亡するXデイがきがかりで、あれこれ考えを巡らす女性は……(「ある晴れたXデイに」)
怪奇あり、幻想あり、狂気あり、不条理あり……と、短いながらもなかなか濃い味めの“奇妙な味”が次々と。
どれもこれもありえないはずなのに、なぜだかゾクゾク、ゾワソワ、胸さわぎがおさまらない。
今回もまた読み応えのある短篇が15篇も収録されていた。
<収録作品>
「雪解け」「ポップとミンゲル」「太った子」「火中の足」「財産目録」「幸せでいっぱい」「作家」「脱走兵」「いつかあるとき」「地滑り」「トロワ・サパンへの執着」「チューリップ男」「ある晴れたXデイに」「結婚式の客」「旅立ち」