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『植物園の世紀: イギリス帝国の植物政策』

 

黄緑色をした半透明の帯をはずすとイギリスの海洋画家ロバート・ドッド (1748~1815)が描いた<バウンティ号の反乱>が現れる。
英国戦艦バウンティ号の反乱事件(1789年)を描いたこの作品で、戦艦の甲板に見える植物はパンノキだ。

タヒチで積み込まれた食用植物パンノキの苗をはるばるカリブ海西インド諸島まで輸送するその目的は、英領のプランテーションで働く黒人奴隷の食料にしようと考えたからだったが……その顛末は、本書第七章「戦艦バウンティ号の積み荷」に登場する。


本書は、京都大学で長年にわたって教鞭を執った著者が、1989年から96年にかけて論文集や雑誌に発表したイギリス本国と植民地の「植物園」をテーマにした論考から八篇を選んで一冊にまとめた本だ。
残念ながら著者は、編集作業終盤で亡くなられたそうだが、その遺稿を引き継いで弟子たちが完成させたという本でもある。
ちなみにひとり出版社「共和国」名物でもある栞のように挟まれた一葉の「共和国急使」(2020年7月10日付)によれば、共和国代表の下平尾氏もまた、著者の教え子だったのだそうだ。


私が「植物」を「歴史」と絡めて考えるときまず思い浮かべるのは、大航海時代、胡椒などのスパイスを求めて海に乗り出した人たちがいたことだが、本書が取り上げるのは香辛料となる植物だけでなく、食用植物、綿花などの資源となる植物に、観賞用植物など様々だ。

そうした植物資源の独占や争奪、貿易、輸送方法、移植技術や栽培方法にまつわるあれこれだけでなく、プラント・ハンターや植物画家、医師や実業家など、植物を手に世界を股にかけて活躍した人たちの足跡もまた興味深い。


同時にひと昔前のこととして語られている種々のエピソードが、今この現代社会における植物……とりわけ食料や飼料としての植物をめぐるあれこれと、決して無関係ではないようにも思われて、いろいろ考え込まずにはいられない。
    • 共和国の本にはカバーや通信など図書館本では味わえない魅力も。



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