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残暑の巻

久しぶりの青空の下は時に残酷で、

見上げる度に、

英気を吸い取られてしまうような気がする。

 

秋になったと思っていたのに、

いつの間にか夏に逆戻り。

本当は秋なんてまだ来てなくて、

ずっと夏だったんだろうけど。

私の秋は今頃うろこ雲の上で、

映りもしないブラウン管テレビでも見ているのだろう。

 

蝉がいなくなると、

いよいよ夏はただ暑いだけだ。

無音が夏を暑くする。

命をかけた恋のメロディーに、

人知れず涼を感じていたことを知る。

 

明日はどうやら秋がやって来るらしい。

せっかくなんだし、

1日じゃなくて、

ずっと居座ってくれればいいのに。

 

僕は秋を楽しみにしているんだ。

赤や黄色の死体達が、

最期に大空と戯れるのを。

大きな群れを成していた雲が、

小さくバラバラに散ってしまうのを。

黄色かった夕焼けが、

オレンジの衣を纏うのを。

こんなに素敵な季節なのに、

すぐ去ってしまうのはもったいないだろう?

 

別に夏や冬が嫌いだと言っているわけじゃない。

ただもう少し、

秋に席を譲ってあげてもいいんじゃないかな。




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