ダイエットがうまくいかない時、「なぜ痩せないのか」と自分を責めたくなることがあります。
けれども、焦りや怒りは、体にも心にもあまり良い影響を与えません。
体重だけを見るのではなく、体の内側、とくに「肝臓」や「血糖の動き」に目を向けてみると、見えてくるものがあります。
ここでは、広く言われている知識や対策を整理しながら、冷静に見直すための視点をまとめます。
- 1. まずは冷静になる
- 2. 「痩せる」より「肝臓を良くする」と考える
- 3. 脂肪肝や減量停滞の背景にある習慣
- 4. 食物繊維を増やして加工食品を減らす
- 5. 脂肪が落ちる順番を知る
- 6. メンタルが不調な時は無理をしない
- まとめ
1. まずは冷静になる
①怒らない
ダイエット中こそ、怒らない習慣を意識するとよいです。
怒りはストレス解消になるどころか、ストレスホルモンを増加させます。
過剰な内因性ステロイドの影響で、同じものを食べても痩せにくくなることがあります。
焦っても体は軽くなりません。まずは落ち着くことです。
②記録を見返す
これまで自分がつけてきた記録やデータを見返してみてください。
始めた当初よりも、今の方が前に進んでいることに気づけるかもしれません。
グラフなどがあれば、減量期なのか停滞期なのかも確認できます。
「変化がない」のではなく、「今は変化が見えにくい時期」なだけ、ということもあるのです。
2. 「痩せる」より「肝臓を良くする」と考える
〇「 どうすれば肝臓が良くなるか」と考えます。
× 「どうすれば痩せるか」ではありません。
肝臓をいたわれば、血の巡りが良くなり、体調が整い、血液検査が改善します。
その結果として体重が減る、という流れの方が自然です。
また、学ぶ相手も、ダイエットの専門家やインストラクターだけと限定しません。
医師、論文、栄養士、ボディビルダーなど、多くの視点があります。
正しいと思う人、憧れている人、多くの人が実践している方法、あるいは困難から回復した人の例など、自分に合う視点から学べばよいのです。
また、例えば医師が、あるいは医師同士で、不摂生の人に共通する悪習慣を見出して、原因と対策を立て、少しでも多くの人が健康であるように情報発信していることもあるのです。
3. 脂肪肝や減量停滞の背景にある習慣
①アルコール
アルコールは、1gあたり約7kcalあり、脂肪並みのカロリーがあると言われます。
さらに、
・糖新生(脂肪・蛋白から糖をつくる機能)の低下
・脂肪酸β酸化(脂肪からエネルギーを作る機能)の低下
・中性脂肪合成の増加
といった作用により、脂肪を使いにくくし、肝臓に脂肪をためやすくします。
脂肪肝傾向のある人にとっては、断酒が改善の近道になることがあります。
寝る直前の飲酒や飲食も、逆流性食道炎の原因になるため注意が必要です。
② 精製糖質と甘い飲み物
肝臓にたまる脂肪のうち、約9割が食べた脂・油以外からくるとも言われます。
(1) 皮下・内臓脂肪が溶けだした脂 60%
(2) 糖質から肝内で合成される 26%
(3) 食べ物の脂・油 14%
脂肪肝である場合、改善の最短コースは脂肪に変換されやすい精製糖質を減らすとよいです。
砂糖、白米、小麦などで、例えばケーキ、あんこ餅、おせち、雑煮などがこれにあたります。
多量摂取は避けましょう。
食事の時には精製糖質を減らし、食物繊維を一緒にとることを心掛けましょう。
血糖がゆっくり上がりゆっくり下がることに加えて、満腹感も持続します。
また、清涼飲料水など液体の糖は、吸収が速く、肝臓への負担が大きいです。
砂糖、果糖、ブドウ糖、果糖ブドウ糖液糖などが該当しますが、加工食品や清涼飲料水の多くに含まれているので、ゼロにするのは難しいです。
・果糖の過剰摂取は肝細胞に負担をかける
・ブドウ糖は中性脂肪に変化し、肝細胞内に溜まる
飲み物からだと血中に吸収される速度も速く、食事でも食事時間外でも摂取しやすいため、肝臓を労るなら甘い飲み物を止める方が望ましいでしょう。
簡単な対策として取り組みやすいのは、
・主食を減らしておかずを増やす
・甘い飲み物をやめる
・水、緑茶、無糖の紅茶、ブラックコーヒーにする
といったことです。
普段から糖質過多な人ほど、飲食による血糖の急上昇・急降下を防ぐことが大切です。
これは、低血糖や、血糖の乱高下による手の震えや冷や汗などの予防にもつながります。
③ 食べ方の見直し
脂肪肝の人に多い習慣として、次のようなものがあります。
・空腹でなくても、一日三食必ず食べる
・無理してでも、残さず食べる
・時間がない、面倒だからと、主食だけで済ませる
この対策の例として、
(1) 腹7分目を意識する
(2) 満腹まで食べた時は、次の食事を軽くする
(3) ダイエット中は主食を減らし、タンパク質と野菜を優先する
食事を「残す」「抜く」ことは必ずしも悪ではありません。
今に限って言えば、人間にある「空腹を感じる」という本来ある機能が、正しく動かず放置されていることの方が問題なのです。
であれば当然、食べ方を見直して、空腹を感じられるように戻すことの方が先だと言えます。
また、空腹時には、肝臓では糖新生が働き、蓄えた糖(グリコーゲン)、脂肪、蛋白質から、エネルギーであるブドウ糖が作られます。
ですから、脂肪を落とせる機会を邪魔するかのように、
・飴をなめる
・加糖飲料を飲む
・甘いお菓子を食べる
といったことは控えた方がよいでしょう。
どうしても間食するなら、ゆで卵やナッツなど低糖質のものを少量にするとよいでしょう。
4. 食物繊維を増やして加工食品を減らす
食物繊維の目標量は1日20~24gと言われますが、日本人の平均は14g/日と言われています。
まずは「あと10g」を目安に増やしてみるのも一つの方法です。
例:
・納豆(50g) 約3.5g
・オートミール(40g) 約3.7g
・キウイ1個 約3g
野菜、きのこ、海藻、発酵食品を増やすことも肝機能の改善につながります。
また、未加工植物性食品(サラダ、果物、ナッツなど)を毎食少しずつとれるよう増やすとよいです。
摂取回数や分量を変えた方が良いのは、
・回数を減らすもの → 加工植物性食品、未加工動物性食品
・なるべく控えたいもの → 加工動物性食品、超加工植物性食品
できれば、自然に近い食品や発酵食品を摂ったり、積極的に自炊してみるのがよいです。
そして、スナック菓子、カップ麺、フライドポテトなどの揚げ物、ドレッシング、ソース、麺つゆ等の様々な物質が合成された調味料などを少なくしていくことです。
5. 脂肪が落ちる順番を知る
脂肪は次の順番で落ちると言われます。
①肝臓脂肪
②内臓脂肪
③皮下脂肪
最初の2つが落ちても見た目はほとんど変わりません。
男女差、年齢差、個人差はあるかもしれませんが、すぐに見た目が変わらないからといって諦めないことです。
また、健康的な減量であれば、体調や血液検査の数値には比較的早く変化が出ることがあります。
6. メンタルが不調な時は無理をしない
メンタルが不調なときは、その回復に合わせて、食欲だけが先に回復することがあります。
その結果、体重が増えることもあります。
メンタル疾患などの回復期では、体の活動量の回復よりも先に、食欲が回復することも多いためです。
そんなときは、無理に減量しなくても、まずは体重維持で十分です。
全体を見た視点での回復の方が大切です。
また、今のところ元気で健康な人でも、身の回りから、
・加糖飲料、清涼飲料水
・アルコール
・甘いお菓子
を少し遠ざけるだけでも違います。
回復を焦らないことが大切です。
まとめ
ダイエットがうまくいかない時は、
・怒らず、記録を見返す
・「痩せる」より「肝臓を良くする」と考える
・甘い飲み物とアルコールを減らす
・腹7分目を意識する
・食物繊維を増やして加工食品を減らす
・見た目の変化が遅くても諦めない
・メンタル不調時は無理をしない
という視点で見直してみるとよいでしょう。
あまり神経質になる必要はありません。
けれど、頭の片隅に置いておくだけでも、健康でいられる時間は少し長くなるかもしれません。
なお、ここで述べた内容は一般的な学習メモの整理です。
本当にお悩みの方は、医師や専門家に相談してください。
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●参考
・農林水産省
「食事バランスガイド」の適量と料理区分
https://www.maff.go.jp/j/syokuiku/kenzensyokuseikatsu/about_b_guide.html
・厚生労働省 健康日本21アクション支援システム ~健康づくりサポートネット~
栄養・食生活
https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/food
飲酒
https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/alcohol
・その他