はしご酒(Aくんのアトリエ) その八百と十二
「カッテニ ハンダンシテ イインダ」
「勝手に判断していいんだ」
ん?
「『勝手に判断していいんだ』を、発信することになる」
んん?
「ソレが、たまたま結果オーライであったりすると尚のこと。ほら、やっぱり大丈夫だったでしょ。大袈裟なんだよ、みんな心配し過ぎ。ってな」
んん、ん~。
「ソコに大きなカネ(金)が絡んでいたりすると、更に拍車が掛かる。こうなっちまうと、もう、トンでもない大災害が起こって、多くの犠牲者が出て、みたいなコトにならない限り、この、『勝手に判断していいんだ』からは抜け出せない」
んあ、あっ、あ~。
アレか、あのコトか。
「なんてったって、あの人たちが大好きな新自由主義の一丁目一番地は『自己責任』だからな。だから、もちろん通常営業。情報提供もしない。行く行かないは本人の自由。そのブレなさ具合、ホント、恐れ入るよ、まったく」
「ソレって、あの、国家的、国際的ビッグイベントのコトですよね」
小さく頷くと、Aくん、余ほど話さずにはおれないのか、そのまま熱っぽく語り続ける。
「津波の警報が出ようが出まいが。熱中症警戒アラートが発表されようがされまいが。ひょっとしたら、台風だって、来ようが来まいが。そんなの、そんなの関係ねえ」
うわっ、「そんなの関係ねえ、オッパッピ~」だ。
「そもそもだ。そんなコト、気にして、こんなトコを会場にしますか、ってんだ。べらぼうめ~」
うっわ~っ、大河、大河ドラマだ~。
そう語るや否や、Aくん、五島のジンを、グビリと。
べらぼうめ~。べらぼうめ~、か~。
ん~・・・。
べらぼう、とは、非常識。そういう意味でも、充分に、べらぼうめ~、なのかもしれないな。
「だけど、だけどだ。人の命が大きく関わるようなコトは、場合は、べらぼうめ~、じゃ、ダメだろ。勝手に判断していいんだ、じゃ、ダメだろ。違うかい」
違わない。
誰も責任なんて取らないし、というか、失われた命の責任なんて、誰にも取れないのだから。
(つづく)