はしご酒(Aくんのアトリエ) その六百と八十四
「ブラ~ックボックス!」
我々一般ピーポーごときには知らせてはならない、知らせる必要もない、みたいな、そんなコトを使命と感じ、その使命を果たすことに命を懸ける黒塗り野郎やら白塗り野郎やらがウジャウジャと屯(タムロ)する「ブラックボックス」ワールド、が、あの人たちが考える、望む、理想とする、政治のカタチ、有りよう、なんだろうな。と、ほとんど独り言(ゴ)つように語り続ける、Aくん。声のトーンもボリュームも大人しめだけれど、その内側は、けっして穏やかではなさそうだ。
「エラそうに『ブラ~ックボックスをブッ潰す』などと宣って、多くの共感を呼び、信任を得て、首長にまでなってはみたものの、ズルズルと、ズルズルと、いつのまにかその首長自体がブラックボックスに、なんてコト、僕たちは、結構、何度も目にしてきたような気がするんだよな」
首長自体が、ブラックボックスに、か~。
「詐欺まがいの公約違反。残念ながら『ない』とは言えませんね。おそらくナニかによって魂を抜かれてしまったのでしょうけど」
「圧倒的な権力を手にすると、よほどの人格者でない限り、あるいは、ナニがナンでもブレない信念をもち合わせていない限り、人は、意外と簡単に魂を抜かれて、ブラックボックスの深い闇に身を投じてしまう、ということだ」
「ブラックボックスの深い闇、ですか」
「そう、深すぎるぐらい深い闇。でも、吸引力の凄まじさ、という意味では、ブラックホールと言った方がいいかもしれないな」
ブラックホール、か~。
ん~、ブラックホール。ハンパないパワーの蟻地獄。たしかに、よほどの人格者でない限り、アッサリと吸い込まれてしまいそうだ。
「で、隠蔽三昧。黒塗り野郎やら白塗り野郎の出番というわけだ。澄ました顔をして『相手さんがあることなので』とか、『国家の安全保障に影響を与えかねない』とか、などと宣いつつ、そんな歪みまくった守秘義務を盾に、塗って塗って塗りまくる」
うわ~。
「当然の如く、相手さんやら国家の安全保障やらなんてコトは、この際ドウでもよくて。とにかく、道理に背いているナニかを万難を拝してでも直(ヒタ)隠しにせねば、と。で、ないと、マジでマズいことになる、と。と、いう程度のコトしか、あの人たちは、ま、考えちゃ~いねえだろうな~」
最悪だ。
(つづく)
追記
「著しく正義・公平の理念に反し、容認できない場合、『除斥期間』は適用されない」
「強制不妊、国に賠償命令」
掛かり過ぎるほど長い時間が掛かってしまった「戦後最大の人権侵害」訴訟ではあるけれど、ブラックホールに吸い取られてしまっていた「魂」が、良識が、良心が、最高裁の判事たちのその内側にある、本来、魂たちがいるべきトコロに、やっと、戻ってきてくれたように思えて、素直に嬉しい。ホントに、嬉しい。
もちろん、同時に、私も、私たちも、己自身に問うてみる必要がある。
ソコに、魂は、良識は、良心は、いるか。
人権侵害に、目を、瞑ってはいないか。