はしご酒(Aくんのアトリエ) その六百と六十五
「リコンゴ キョウドウシンケン?」
圧倒的な権力を握る上級権力者たちの周りには、そのコトで、心底悩んでいる者はいないのだろうか、と、吐き捨てるように語り始めたAくん。
ん?
「と、いうか、悩んでいる者がいたとしても、気付かない。いや、気付けない。いや、なんで気付かなきゃならねえんだよ、気付いてたまるか、バカやろ~。か」
なんのコトやら、サッパリ。
おそらく、その「サッパリ」が、そのまま顔中に滲(ニジ)み溢れ出していたのだろう。そんな私の顔を見て、Aくん、すかさず「アレだよ、アレ。離婚後、共同親権を導入」、と。
あ、あ~。「意識が高い」系の、一部の巷を賑わしている、アレか。
「辛く、悲しい、トンでもないコトが、イヤになってくるほどイロイロとあったけれど、やっとの思いで離婚が成立して、もう会わなくていい、もう顔を見なくていい、子どもと共に新たな一歩を踏み出せる、と、安堵していたら、またまた厄介なコトになりにけり、という、ナンともカンともな法律だ」
ん~。
「毎度のコトですが、『こどもどまんなか』なんて、まず、ならないですよね」
「ならないな。一応、表向きは『子の利益を最優先』、などと宣ってはいるが、怪しい怪しい」
たしかに怪しい、怪し過ぎる。
「エラそうに、『子どもの利益』を害する場合は家裁が、ってコトになっている、と、豪語しているようだが、そんなコトが、家裁で、的確に、真っ当に、スピーディーに、やれるなんて、到底思えない」
思えない。全くもって思えない。
「コイツもまた、例のあのカルト団体絡みなんじゃねえのか、って、どうしても思ってしまうんだよな」
思ってしまう。メチャクチャ思ってしまう。
「そうでなきゃ、この今、そんな法律をワザワザつくろうとなんてしないだろ、普通」
おっしゃる通り、ワザワザそんな法律、つくろうとなんてしない。
ん~。
Aくんが指摘するように、ナゼ、あの人たちは、圧倒的に弱い立場のピーポーたちの、その思いをリアルに感じ取ることができないのだろう。不思議でならない。
それ以前に、ナゼ、あの人たちは、政治家になろうとしたのだろう。謎めき過ぎている。
ナンのために、ダレのために。
申し訳ないが、悲しいかな、ダークで怪しげな「ナン」とか「ダレ」とかしか、私には、一向に見えてこないのである。(つづく)