はしご酒(3軒目) その四十六
「バクハツスル ワカサ ニ チラリト シットムシ?」①
気持ちよく酔った勢いで、調子にも乗り、更に、プライベートな質問にズブリと踏み込んでしまう。
「今日は、ナニかあったのですか?」、と私。
「僕は、同窓会。奥さんは、お友だちと会っていた、んだよね」、とZ’さん。
すぐさま、「待たせ過ぎ。待ちくたびれたわ」、とZさん。
なるほど、それぞれのイベント帰りに、ココで、と、いうことらしい。
「同窓会ですか~。どうでした?」
「久々の再会だったからね~、懐かしかったよ」
「みなさん、お元気で?」
「元気、元気、若さバクハツ!、恐れ入るよ」
「若さバクハツ、凄いですね~。失礼ですけど、それなりに、みなさん、もう、そろそろ、完熟前後世代でしょ」
「完熟前後世代?。言ってくれるね~」
「あっ、すみません」
調子に乗って言い過ぎてしまった。ダメだ。間違いなく酔っている。酔っているからこそ自重しないと。
「ちがう、ちがう」
「えっ」
ナニが違うのか。
「教え子、教え子」
「教え子?、あ、あ~、教え子」
「なかなか解散しないものだから、途中で退散させてもらった、というわけ」
なんと、Z’さんもまた、学校の先生であったのだ。
「若さというものは、やはり素晴らしい。可能性が無限大。そんな逞(タクマ)しい空気で満ち溢れていたな~」
先生として、子どもたちの成長を心から喜び、そして、その溢れんばかりの可能性に満足しているのだろう。その思いが、Z’さんのその言葉から、表情から、充分に汲み取れる。
ただ、そのZ’さんの表情の奥の奥の、そのまた奥で、嫉妬(シット)の虫のようなモノが、その顔を、チラリと一瞬、覗かせたような気がして・・・。(つづく)