巧遅拙速どころか拙くて遅い中途社員である。
おじいちゃん先生の手から離れて少し経ち、幸い今のところ対人ストレスは無いが、自分の能力の低さに辟易としている。
目の前の作業でいっぱいいっぱいになるせいで、おじいちゃん先輩に「昨日と同じことをすりゃええ」と言われてもフリーズしたり必要な手順を飛ばしたりしてしまう。何回目で怒鳴られるか怖い。
とりあえず言われた内容をこれでもかというぐらいメモするようになったが、昨日も書いた測定技術の問題はまだ尾を引いており、楽な姿勢で時間をかけて測定しても先輩の出した数値にならずうんうん唸っていた。
「まっすぐ測るだけやで。君のは斜めになっとるんや」と言われて「俺の性格が斜に構えてるみてェーだとォ?」とクレイジーダイヤモンドを出すこともなく「うっす…」と従う日々である。
牛歩レベルでもなんとか成長したい。