完全にネットでの情報収集なのだが、一週間ほど前にTBSの『オールスター感謝祭』でひと悶着あったらしい。
サプライズで登場したエガちゃんが暴れたのはいつも通りとして、途中で目をつけた女優の永野芽郁さんを追いかけ回して号泣させてしまい、炎上からの謝罪をしたとかなんとか。
俳優に疎いので永野さんについては詳しくないが、本人は生放送を一時退席したものの騒動後のラジオでコメントを出し、TBSも番組について謝罪声明を出していた。TVerではエガちゃんの登場シーンは全カットされていたらしい。
全体を通して見ると「誰に向けて番組を作ってるの?」という感想が生まれた。
散々同じスタイルを続けておいて予想以上に炎上したからと謝罪動画を出すエガちゃんもその場しのぎだし、手に負えないスタイルの人間を生放送で出すのに何重にも保険を打たない番組も悪い。永野さんはコメントの内容がちぐはぐで正直『言わされてる感』しかない。
元々エガちゃんのスタイルは長い間それなりに批判を浴び続けていたはずである。何なら当時から電話や手紙で番組宛てに抗議していた人もいるだろう。
ネットの発展でお茶の間の声が可視化されるようになってからは、「江頭は嫌いだけど直談判までするのは面倒」という人も気軽に炎上に参加できるようになった。その投稿で他人の人格を否定するような発言までするかはその人の性格次第だが、コンプラの厳格化で更に増えた批判を見て謝罪動画を上げるのは逆効果だろう。
永野さんのファンからすれば、一連の流れを見て「時代遅れの芸で泣かせた上に再生数稼ぎにも使われた」と思われても仕方ない。
また、TBSもエガちゃんの奇天烈さとコンプラの変化をずっと見ておきながら「生放送で使うのは危険すぎる」と誰も言わなかったのが不思議である。使うなら使うでNGの相手やリアクションが予想できない相手を事前に知らせるぐらいすべきだ。
オールスター感謝祭は司会以外の出演者には台本が無い(永野さん談)らしいが、スタッフまで台本が無いみたいな後手後手の対応をしていちゃ話にならない。今回の炎上は起こるべくして起こったとも言える。
そして永野さんは顛末だけ見ればただの被害者だが、後のラジオで「あの涙はあくびで出るような涙と同じでびっくりしたから出ただけ」とコメントしている。生放送を一時退席するレベルのショックを受けているのに、このコメントはあまりにも辻褄が合わない。
そのまま番組とエガちゃんをフォローするコメントを出して「この話は二度としません」と締めているが、何一つ本人の意思ではないように感じた。「ファンが騒ぎすぎてるから私の評判が落ちる前にこの話を終わりにしたい」というのが本心だろう。
結局、全員が「誤解を招きました」とか「自分が悪いです」と言って誰も責任をとらずに終わりにしてたら何も解決しないし、約束された次の炎上が待ち構えているだけだ。もはやPDCAサイクルのDだけ連打している。
エガちゃんはもう昔の感覚で暴れられないし、舞台をほとんどYouTubeに移している。そうであるならば、『感謝祭で突撃して一通り暴れてから永野さんに向かっていくも、永野さん(あるいは他の誰か)にエガちゃんの得意技であるドロップキックをお見舞いされて「お、オレはYouTubeで食っていくからなー!」と捨て台詞を残して去っていく』みたいな台本を用意すれば丸く収まったのではなかろうか。
時代が変わって簡単に炎上してしまう世の中になり、色々な番組が作りにくくなっているかも知れない。だが、八方美人な番組を作っていては既存のファンも離れていく。
むしろこれからの番組作りこそが各局の腕の見せ所なのかも知れない。ずっとふんぞり返っていた上層部が自分の椅子を守るためだけに動くのか、コンプラを理解した上で誰に向けた番組なのかを制作の現場と意思統一するのか分からないが、クレーマーと戦いながら頑張ってもらいたい。
まあ自分はNHK-BSみたいにワイプも無くほぼナレーション一本で淡々と放送する番組が一番好きなんですけどね、ええ。