点滴棒を持ちながらカーテンを少し開け、外を行き交う車の群れを見下ろす。それだけで社会からの隔離感を覚える。
ドラマとかの老い先短い富豪っぽいなと思いつつも、咳で現実に引き戻される。
肺炎に関する部分以外は殆ど回復したと言っても過言ではないが、看護師や先生から見るとむしろ食欲が少なすぎることのほうが問題らしい。
「食べる量はもう入院前と変わりませんよ」と説明しても、その入院前がいくらなんでも少なすぎると言われた。
そりゃ逆流性食道炎になってから成人平均の半分も食べられなくなったという自覚はあるが、一定量を超えると急に胃が受けつけなくなって苦しくなるから自然とセーブするようになっただけである。
と、諸事情を伝えても渋い顔をされ、最終的に胃薬やらも出された上で経過観察となった。先生から「次は木曜日に来ますからね」と言われたので、最低でもまだ4日は入院しなきゃいけないらしい。
あと最悪胃カメラをまたやるかも知れない。もうあんな辛い目に遭いたくないので大人しく治療は受けるが、もしやるならさっさと麻酔で眠らせてほしい。