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松谷満『「右派市民」と日本政治』を読むー10000人データから右派市民を炙り出す

松谷満の『「右派市民」と日本政治』朝日新書は、2024年参院選の前頃に一都三県10000人のアンケートデータから、いわゆる右派という市民がどういうパーソナリティであるかを、定量的に把握しようとしたものである。
一言でいって労作である。
過去にも部分的には右派ないし右翼運動の解説本は多く出ているが、いずれも部分的で、この本の様な数値から右派の定義を詰めていく方法は斬新である。
政治を長年ウォッチしてきた人には、大体の肌感覚が数値的に裏図けられたな、そんなもんだろうと言った感想を持つかもしれない。
しかし一般の人々が、自分も含めて何で高市自民党にそれほど今まで投票したこともなかったのに、今回は気がついたら入れてたわという人、即ちまぎれもない「右派市民」になっている人には一読を薦める。
高市は、選挙で「未来」を連呼したが、「右派」は過去を見ているという決定的なパーソナリティを自覚させられるだろう。
「右派」ではないと思っている人は、ごく普通の人々60%の「保守派」かもしれないが、わずか0.2%のコアな「右派」を政治的に強力な影響力を持たせて、側面から支援してしまっている構図が解るはずである。ちなみに、松谷満の定義では、ざっくり分けると、
右派市民 20%
左派市民 20%
中間派市民(穏健保守&穏健左派)60%
では「右派市民」の定義はどうなっているだろうか。
4タイプに分類。
愛国主義者=国(大日本帝国から連続する日本)を愛しすぎている人。
過去のある時点の「日本」に対する強い愛着を意味する。その愛着が「強い国」を求めることにつながる。
また、国や伝統をことさら重視する考え方、そうした主張をする人物や団体。
伝統主義者=伝統(家族・性愛規範)を愛しすぎている人。
「伝統」を重視するとは、特定の伝統的(とされる)社会規範に対する強い愛着を意味する。
特定の家族関係・セクシャリティなどを自然状態とみなし、個人の権利の不平等は容認する。
排外主義者=敵国(中韓)を嫌いすぎている人。
国や伝統を軽視しているように見える人たちへの強い反発。
反左主義=政敵(左派・リベラル)を嫌いすぎている人。
国や伝統を軽視しているように見える人たちへの強い反発。
この4タイプが、それぞれどのように分布しているかを
社会的属性別に数量的に採取している。
A.職業、収入⋯経営者はなぜナショナリズムに傾倒するのか。
      女性に何故非愛国者が多いのか。
結論ー「ヨーロッパの極右研究と比べると、職業階層に関しては
    特徴らしい特徴がない」。
B.メンタルヘルス⋯排外主義者は、生活不満と平均収入がなり低いと感じている人が多い。
愛国主義者と精神的健康の間の関連性は全くないが、右派左派全体でみると、ともに双方にうつ・不安障害の可能性がある人が多い。
C.孤立・孤独⋯排外主義者は孤立感を持つ人が多い(在特会は独身者が極めて多かった。)
孤立感が、国家へのアイデンティファイをもたらす。
(註)左派市民は、若年層と中年層に独身者が多い、解釈が難しい。
D.所属集団⋯全体的には所属集団の傾向ははっきりしない。
・伝統・愛国主義者の、中年男性は、町内会所、愛国主義サークル高い。
同女性は、愛国主義の同業組合所属高い。
高年層は、宗教団体が高い。(創価学会、田舎の神社、
天理、地域各種神社や講などか)
排外主義者の高年層に、所属がないひとが比較的多い。
 逆にいうと、排外主義は集団所属を通じて強められていない、
むしろ孤立傾向の人たちで集団所属では弱められていると解釈できる。
 特に、「所属のない高年層」が多い。ジジイババアはきいつけろよwww
・左派の特徴ー労組、消費者団体、環境団体、福祉、ボランティア、等への
所属が高い。(一都三県ゆえに多くでたか?)
E.メディア活用
    ネット⋯愛国主義者、反左主義者に特に多い。
        左派との比較⋯ほぼ似たようなもの。
    右派、左派共通ー本雑誌から情報をえている。大卒多い。
    右派=情弱は偏見である。(私に言わせれば情報には強いが 整理する
       論理能力が低い)
    右派特徴⋯SNS利用、反左主義者のTV嫌いが顕著、
         ネットメディアを左派以上に重視し、活字メディアを活用
         しつつTVの情報は重視しない。
    左派〃 ⋯活字メディアを活用。活字メディアの「知識階級」。
         TVを忌避。ネット利用は低調だが左派高齢者はほかの
         高齢者より活発。
   結論⋯左右ともメディア環境は似たり寄ったり。差がない。
      むしろ、穏健派との差の方が際立っている。
以上まとめはこの辺にしておく。
松谷の結論は、日本の場合、ヨーロッパの右翼と違って、今のところ移民問題
で決定的な社会分断になっていないとしている。
これは、参院選で参政党や国民民主が伸長する以前の調査なので、若干ズレて
いるかもしれないと思う。日本も急速にヨーロッパ型に近ずく可能性はある。
現在自民党自身が分断を避けるための対策を打ち出していくので、移民問題は
穏健な問題に着地していく可能性はある。
 (対策についてここはいい悪いそれぞれ意見はあるだろう)
ただ、問題は、ルーズな受け入れ推進、オーバーツーリズムの弊害は、政府自
民党の失敗にもかかわらず、多くの中間派と右派市民が、左派が勝手に入れて
いると断定(理念的には共生のゆえ個別問題で国民の不安感にうとい)し、失
敗と責任転嫁し反左主義が蔓延していることである。
このデタラメイなデオローギを不問にして、結果的に右派言論を支持している
のがものぐさの中間派である点に、日本の特色がある。
それだけ、若年層の反左主義が蔓延し、自民党8割支持という点にある。
老年層が、これに危機感をほとんど持たず、今や焼き付いた「戦後民主主義」
に自足し、テープレコーダーの如く論理説明のステロタイプに堕ちいってし
まったことであろう。
 松谷は、総括として、「高年層の左派、若年層の右派」の大きな傾向はあるが、
「右派市民」は全世代に存在する。
そして、こうした右派市民とどう付き合っていくか?
ご興味ある方は、先に紹介した橋本健二著『新しい階級社会』と合わせてお読みになることをお薦めします。
私の問題意識は、更に下降して、なぜ日本人は、特に右派も穏健派も主体形成に躓き、資本主義の高度化に精神が追い付かず、天皇制国家主義的家父長制を強く内面化してしまったのか、という一点にある。
みてみなさい、日本会議のやってきたことはほとんど家族、教育、家族内身分差別、女性人権無視、親学みたいなことばっかりだ。
土着的な世俗道徳強化に狙いを定めてきた。
左派は戦争がやってくる、基地にミサイルが飛んでくると法螺吹きばっかりだ。
ある種の不安神経症的な、すぐやってこないのに若年層はウンザリしている。
若者のさし迫った痛苦の訴えは、生活の困難さなのであるが、真剣に向き合ってくれる大人がいない。
彼らは、新しいポピュリズム政党に回収されていく。
 
 
 



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