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【2794冊目】桐野夏生『日没』


「社会に不適合」とされる作家を収容し、矯正させる施設が舞台のディストピア小説です。


監禁され、支配される恐怖が、とにかくこれでもかとばかりに描かれます。特に食事やトイレなどの生活のディテールがおそろしくリアルで、読むだけでも精神的に追い詰められ、「助けてください」と叫びたくなります。


そんな中でも作家としての矜持を曲げず戦う主人公のマッツ夢井は、著者自身の投影でしょうか。まあ、考えてみれば、反社会的とされる小説や、著名人への発言へのバッシングが繰り返され、「炎上」によって簡単に社会的に抹殺されてしまう現代社会こそ、本書で描かれた収容施設そのものなのかもしれません。そもそもマッツ夢井が収容されたきっかけも「読者からの告発」なのですから。


物語自体は、とにかくまったく先が読めないので、これ以上は書かないでおきましょう。ただひたすら、桐野夏生ストーリーテリングに酔ってください。


最後までお読みいただき,ありがとうございました!




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