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【2673冊目】『牧野富太郎 なぜ花は匂うか』


草花にはとんと疎い私ですが、牧野富太郎のことはずっと気になっていました。日本植物学の父であり、94年の生涯を植物学に捧げてきた人物です。本書はその牧野植物学の入門書。最近刊行された、平凡社の「STANDARD BOOKS」の一冊であります。


本書は驚きに満ちた一冊です。まず植物をめぐるウンチクが面白い。スミレには「菫」という漢字が当てられるがこれは誤りであり、菫は本来セロリを指すこと、バナナの果肉だと思ってみんながら食べているのは、本当は皮の一部であること、レンコンは根ではなく、ハスの茎が肥大したものであること、アケビはアケツビが縮まったものという説があるが、このツビとは女性の陰部を意味し、アケビの実の形がアレに似ているためであることなど、少なくとも私にとっては初めて聞く話が目白押しでした。


そして、本書のもう一つの面白さは、なんと言っても牧野富太郎という人物の植物への狂いっぷりでしょう。なにせ小学校を中退してから94歳で亡くなるまで、いかなる学位や名誉にも関心をもたず、植物一筋に研究の日々を送ったというのですから、これはもはや植物仙人です(別の本を読むと、実際にはいろいろあったらしいですけどね)。だいたい、94歳にもなって「植物は愛人」なんて、なかなか言えるもんじゃありません。


あと、このカバー絵もそうですが、時々挿入されている牧野の植物の絵が素晴らしい。スケッチ程度のものでも、きわめて的確に特徴を捉えていて、これだけでも見ていて飽きません。「牧野富太郎植物画集」という本もあるらしいので、いずれ入手したいものです。


最後まで読んでいただき、ありがとうございました!




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