- 作者: 池上彰
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2010/06/17
- メディア: 新書
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池上彰の「解説力」はハンパじゃない。「わかりやすい」のは当たり前で、歴史的ないきさつや言葉のおおもとの意味をしっかりおさえているので、聞いていて納得感がある。とおりいっぺんの解説ではなく、池上さん自身の問題意識もしっかり伝えてくれるのも素晴らしい。多面的で、深く、そして明確でわかりやすい。そんな解説はどこから生まれるのか。
本書はその、いわば秘術を暴露した一冊だ。『相手に「伝わる」話し方』『わかりやすく〈伝える〉技術』の続編とのことで、その場の説明の仕方というより、そのバックグラウンドとなる知識や技術の蓄積の仕方を伝えている。
ポイントは、新聞やネット情報などの「フロー情報」と、本などから得られる「ストック情報」をうまく行ったり来たりしながら、情報を肉付けし、深めていくことだ。さらに、こういう「行ったり来たり」をやっていると、新聞記事の書き方の巧拙にも目が行き届くようになってくる。背景となる歴史をきちんと伝えているか。専門用語を安易に使っていないか。自分だけが「わかったつもり」になってはいないか。逆に言えば、自分が文章を書く際には、こうした情報をいかに的確に織り込むかが大事になってくる。
ちなみに池上さんは酒が飲めないという。そのため現役の記者時代は苦労したそうだが、そのぶん帰宅しても本を読むことができた。私もどちらかというと下戸のほうなので、少しだが心強いものを感じた。