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【2131冊目】ミシェル・ウエルベック『素粒子』

 

 

 
孤独で、孤高で、怜悧な天才的科学者ミシェル。人恋しく、セックスに生活の多くを捧げる、どこかゆがんだ内面をもった兄、ブリュノ。対照的な兄弟を描きつつ、ヒッピーやフリーセックス運動の日々を総括し、人類の未来に投げ渡すような小説。

冒頭ではミシェルが主人公であるかのように書かれているが、インパクトがあるのはむしろブリュノをめぐる描写だ。常に女性に囲まれ、官能的で刺激的に見えるが、だからといって充実した人生を送っているかといえばとてもそうは感じられない。むしろ心の中は空虚で、つねにどこかしら飢えていて、何かを求めている。人付き合いに乏しいミシェルのほうが、ある意味自己完結して幸福であるようにさえ思える。

驚くべきはラストのSF的どんでん返し。なるほど、「主人公」がミシェルである理由も、ここにきてはじめて見えてくる。それまで延々と描かれてきたミシェルとブリュノの姿が、まったく別の意味をもって立ち上がる。渦中にいるときはくどく、いささかうざったいとまで思えたブリュノをめぐるセクシュアルな描写も、本を閉じてからはなんだかいとおしくさえ思えてくるのである。う~ん、なるほど。こういうやり方があったのか。




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