- 作者: 浅野いにお
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2007/08/03
- メディア: コミック
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『スピリッツ』連載時にちらちら眺めてはいたのだが、まとめて読んだのは今回が初めて。チラ読みの時は主人公の描画がやたらに気になっていただけで、筋書はイマイチ分かっていなかったんだが……う~ん、こんなとんでもない話だったのか。
終盤近くまでは、自意識過剰で煮詰まりきった内面の描写が読んでいて辛いほどだったのだが、ラストでそれがありえない方向に暴発してからの突っ走りぶりがすさまじく、ここまで書くか、という感想しか出てこない。漫画とか小説とか映画という区分を突き抜けて、表現そのものの臨界点にまで突き進んでいる。
プンプンの落書きふうの描写と超リアルな背景や周囲の人物とのギャップも面白いんだが、思ったのは、プンプンって要するに「内面のバケモノ」なんじゃないか、ということ。それはまた、顔かたちのような外観や表情から、安易に内面を了解されることを拒否している、ということでもある。このあたりは人によって解釈も違うところだろうが、とにかくこういう「表現」を発見し、選び切った作者はスゴイ。今後マネする人も出てこないだろうから(してもすぐマネだとバレるだろうし)、まさに空前絶後の試みだったといえる。
表現のみならず内容も、ベタなようでいてどこか徹底的に突き抜けていて、というか「ベタ」な設定自体、後からぶち壊すために意図的につくっているとしか思えず、まあとにかくある種の表現の極北に手が届いているという意味で、怪物的な漫画としかいいようがない。いずれにせよ、間違いなく歴史に残る作品であろう。