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【509冊目】柳宗悦「民藝四十年」

何が美しくて何が醜いか、自前の目と頭だけで判断するのは、案外難しい。

もちろん自分が感じたままに判定すればそれで良いのだろうが、そこに定評とか、センスとかいう要素が入ってくるとどうしても惑わされる。世間一般で美しいといわれているものを美しいと感じられないとすれば、それは自分の審美眼に問題があるということになりはしないか。実際、「審美眼」というものは厄介な存在で、自分が美しいと思うんだから美しいでしょ、と言い切れないのは、やはり美の判断というものにある種の普遍性の問題が絡んでくるためなのである。

だからこそ、自身の審美眼を鍛え上げ、それを信じて貫ける著者のような人は凄いと思う。本書は著者の文章のうち代表的なもの、重要なものをセレクションした一冊であるが、随所に踊っているのはやはり「柳宗悦の眼」とでもいうべきものだ。何より、「民藝」すなわち無名の職人が実用のために作った器に美を感じる視点は並大抵ではない。著者は、個性とか意識が器の製作の上に作用することを嫌う。著者が尊ぶのは、無私の、無意識的な、熟練のあまり機械的にすら動く手の先にある作品である。時代順に並べられた著者の思考の軌跡をたどると、最初はある種直観的な「審美眼」からこうした「民藝の美」を見出したのが、仏教、なかでも浄土真宗的な「他力」の思想との共通性を見出し、最後は日本の美の本質として「奇数の美」「不完全の美」を挙げるに至る。本書はそうした大きな流れの中に、沖縄の美、茶の世界の美などを織り交ぜながら構成された、いわば柳宗悦の思想のすぐれたダイジェストとなっている。




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