今年は日本全国どこでも暑いと思われるのですが、ここ十年くらい用があって行くようになった山梨も夏はあんがい暑いところで、特に甲府のあたりは盆地ですからより厳しいです。
その山梨県下では盛夏の前の6月くらいになると大量の青梅と塩昆布がオギノなどのスーパーに並びます。その青梅を乾燥させたのち塩昆布と一緒に容器に入れ、ひたひたになるまで醤油などを入れ何日か寝かして、つまるところ青梅と塩昆布の醤油漬けを作る人が多いです。さきほど醤油などと書いたのは人によって無数のバリエーションがあるからで、山梨でいちばんデカい醤油メーカーであるテンヨ武田のビミサンというカツオだしベースのだし醤油をそのまま入れちまえばラクチンですが、しかしそのテンヨ武田はビミサンのほかに酢や蜂蜜を入れるレシピを公開していて、つまるところ正解があるようでないのです。この一連の梅干しと塩昆布の醤油漬けの作業を山梨県内では俗に梅仕事とも云うのですが、山梨以外ではあまり聞きません。で、漬かった青梅は不思議とイケて、そしてタイミング的には繰り返しますが盆地特有の厳しい暑さになるであろう七月の梅雨明け十日の一番暑いころの塩分補給になっていて、とても理に適うので唸らされています。
山梨の夏の話をもうちょっと続けると山梨土産としては求肥の餅にきな粉と黒蜜をかけて食べる信玄餅が有名ですが、甲府盆地のあたりでは主に夏に餅にきな粉と黒蜜をかけるあべかわ餅というのがあります。県境を跨いでの静岡のあべかわ餅は黄な粉の餅に白砂糖をかけたものとあんこを絡めたもちを指し黒蜜は関係ありません。どうしてそうなったのかは謎です。が、静岡は海辺で海風が期待できますがみたび繰り返しますが甲府のあたりは盆地で暑さが厳しく、ので、濃厚なガツンとくる甘さを好んで黒蜜なのかなあ、と。
ここではてなの今週のお題「ローカルめし」を引っ張ると、その地域の特有の食べものというのは、その地域の気候に密接に関係しているのではないか?その地域に住む人が知恵をひねった結果なのではないか?と人力詮索さてはをしてしまうのですが、地方史や料理史にくわしくないのでヘタなことは云えません…ってねえそれじゃダメじゃん。
ヘタなことは云えないので確実なことを書くと、両国からそれほど離れていない深川の味噌屋さんが力士味噌といういわゆる「なめみそ」を出しています。たくさん食べて体を鍛える力士の知恵なのか基本は甘めなのですが辛子とニンニクが効いており、炊き立てのごはんの上に載せれば食が進み、また、スティック状の根菜とかにも合います。こういうことを滅多に書かないのですが、都民としてはいましばらく続くであろう猛暑の中でガチでおすすめの一品です。もしどこかで見かけましたら是非購入をご検討ください。

