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安政のコレラについての謎(大学共通テストの日本史探求の問題に関連して)

大学共通テストの日本史探求に幕末のコレラの流行についての出題がありました。安政5年の5月に長崎、6月に伊豆の下田に来航した米国の軍艦ミシシッピ号を感染源とし拡大したもので、一説には江戸だけで三年に渡って10万とも26万ともいわれる死者を出しています。問題では各地の感染の流行時期とミシシッピ号の寄港の時期を示した図が掲げてあって、それについて問うています。設問の詳細は新聞等で確認していただくとして、このときの拡大が興味深いのは長崎から東進して江戸に達したわけではなく7月中旬の駿河や7月上旬から8月にかけての江戸での流行のあとに大阪へ8月中旬に伝播し、京都は9月である点です。

このことについて以前「安政コレラの感染経路を探る」(渡辺浩一・REKIHAKU「特集・歴史の中の疫病」所収・国立歴史民俗博物館・2021年10月発行)という記事が検討を加えていました。共通テストの地図は駿河のどこかは書いていませんが7月に駿河の𠮷原宿(現在の富士市𠮷原)でも患者が増加していて、6月に下田にも軍艦ミシシッピ号が寄港していることをなどを踏まえ、その記事では下田から駿河の𠮷原へ伝播した可能性を指摘し、𠮷原宿は東海道沿いで結果として大名行列を介して江戸へ持ち込まれたというのを当該記事では仮説のひとつとして立ててています。

この仮説が妙に説得力があるのは江戸市中でコレラが最初に発生したのは町名主の記録では赤坂で、その赤坂の近辺には東海道を江戸へ上ってくる大名の屋敷があり、赤坂の隣は四谷で江戸の南半分の需要を支える上水道のひとつである玉川上水の終点で、そして四谷から芝口(いまの東新橋)のあたりの大名藩邸にコレラが拡がったことが仙台藩関係者の書状から読み取れることから、江戸に入ってからは上水道を介して感染が拡大したのではないか、とその記事では指摘しています。もしこの仮説にケチをつけるとすれば下田から𠮷原までの経路がわからない点です。もちろん無症状の感染者が𠮷原までもたらした可能性は否定できませんが。

もうひとつの仮説は、町名主の記録として船乗りや八丁堀や佃のほか築地などの海辺や川辺に感染者がまず発生し山の手は少なかったこと、仙台藩関係者の書状からそのあとに本所深川に拡大したこと、などを踏まえ、(風待ち港でもあった)下田から来た船が江戸に来て小型船に荷物を積み替えるなど荷物を通じて人の接触があるところから感染がはじまり、運河の船運を通じて拡大を招いたのではないか、というものです。

ここで終われば共通テストの補足解説で終わるのですけれども。

引っかかるのは9月の京都での感染拡大についてです。江戸は井戸を掘っても海水を含んだ水がでやすく、なのでかわりに井の頭池から流れる神田川の水を神田上水として利用し江戸市中に配水したほか、多摩川から水路を開いて導水し玉川上水として利用し市中に配水していました。安政5年の江戸のコレラ上水道の上流部に江戸での感染源の起点となった大名屋敷があってそれが仇となった可能性があるのですが

京都の場合はあちこちに井戸があってそれを飲用していた可能性が高いので上水道というのは考えにくく、どうして感染が拡大したのか、ちょっと謎なのです。もちろん淀川を遡上する船運がないわけではありませんからそこから荷物(たとえば鱧などの鮮魚とか)を通して感染が拡大したとか?とかシロウトの人力詮索さては?だけが進みます。もちろん正解はわかりません。ので、封印していたのですが、今朝の新聞に載っていた設問を読んだせいで疑問が再燃しています。

ここではてな今週のお題「勉強していること、勉強したいこと」を引っ張ると、いま仕事の都合で2027年に強制適用となるリースの会計基準の変更について資料を読んでいるのですが、ここまでつらつら書いてきたのでなんとなく察していただけると思いますが勉強したいというか興味があるのは日本史です。コレラの件は飲用水や物流や都市部のインフラの問題につながってて「どうなっていたのか?」というのは疑問が尽きないのですが私は法学部卒で日本史に疎く、残念ながら時間の都合でそれほど時間がとれていません。

じゃあ、お前こんなブログ書いていないでちょっとでも本読めよ、と云われるとぐうの音も出ないのでこのへんで。




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