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大間々ながめ余興場見学

浅草から出てる東武特急の終点が赤城で駅名は赤城ですが地名は大間々で

その大間々にはながめ余興場という戦前に建てられた芝居小屋が現存していて週末に見学していました。白く見えるのは漆喰で玄関は唐破風でけっこう立派な面構えで、しかしもともとはそばに「ながめ」という料亭がありその付属施設として建てられたゆえに余興場です。昭和の終わりに前の経営者が手放したあと文化会館の代わりとして行政が買い取りいまに至ります。客席数は650ほど。数字を見るかぎりけっこう大きな劇場に見えますが

いざ実際舞台に立つとそれほどでもありません。客席から役者の息遣いが聞こえてもおかしくなさそうな、贅沢な空間のような気が。経験上大劇場が多いのでいっぺんこういうところで観劇してみたいのですが果たせずに居ます…って私のことはどうでもよくて。

時代がそうさせたのか劇場内に検閲のための警官席があるほか

ゆるゆると動く自動の廻り舞台もあって体験可で、今回廻り舞台童貞(?)を失ってきました。

花道は舞台に向かってゆるやかな勾配がついていて、やはり客席からよく見えるようにということもあるはずですが、上り調子になるというゲンもあるようで。そのテのほのかな含意があるのが工業製品じゃない建築の素敵なところです。

奈落は資料室になっていて、後方に見えるむき出しのコンクリの塊が廻り舞台の下部で

廻り舞台は電動でも手動でも動かせますが、残念ながらあまり使う機会はないそうで。

足音が響くように花道の下の奈落は空間を確保してそこを通路とすることが多いのですが、ここも同じです。

話がズレて恐縮なのですが奈落の資料室も興味深く、歌舞伎の演目の資料もあり「熊谷陣屋」「傾城阿波鳴門どんどろ大師」「朝顔日記」「布引三段目(おそらく実盛物語)」「野崎村」「三十三間堂棟木由来」が載っていて知っているのもあれば初見のもあるのですが、なによりも特別出演大名題市川壽美十郎と書いてあってしかし市川壽美十郎という役者を不勉強で知らず検索しても手掛かりはなく、でも大名題というのは看板に役者名が載りなおかつ優れた人のことを指すので、いくらか謎です。いまの松竹が采配する江戸や上方の歌舞伎の役者ではない可能性もあるのですが、どんな役者でどんな芝居だったのか、若干の興味はあったり。

話を建物に戻すと資料の中に戦後の一時期の番組表があり、5日または10日もしくは20日単位で大歌舞伎、女剣劇、時代劇、ストリップと歌と踊り等と交互にかけていたようで。

「ストリップってさっきの廻り舞台や花道で、ちょっとだけよ、とかやってたのかな」

「行ったことあるの?」

「あるわけない」

という不毛な会話をしたのですがストリップに引き摺られて想像だけが無駄に膨らんでいました。

外は渡良瀬川が流れる高津江峡という景勝地で、おそらく紅葉シーズンには見事な眺めになるはずで、観劇のあとは散策などと一日遊べる行楽地として仕立てようと施主は考えていたのかなあと。施主の思考の痕跡がうっすら読み取れるのも建築の面白さなのですが。

さて最後にくだらないことを。

いまは貸館が多いのですが現役の芝居小屋で、ちゃんと楽屋もあります。

出演者が楽屋に落書きをすることがあったようなのですが芝居小屋としての歴史を後世に残すため、建物の補修時にその落書きを消さずに残す決断をしたそうで。いまとなってはどこの誰だかわからないのですが書いた方はそんなこと想像もできなかったはずです。あんまり字がきれいなほうではないので、何が残るかわからないからには常日頃からなるべく字をきれいに書かなくちゃな、とキレイではない落書きの文字を見て人のふり見て我がふりなおせだったのですが…って建物の感想じゃなくなりつつあるのでこのへんで。




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