
僕は今、田舎の病院に勤務しています。朝8時くらいに出勤して夕方5時には家に帰ることができるのんびりした病院です。そんな病院にも救急車は(当たり前ですが)毎日のようにやってきます。あまり設備が整っていない病院なので、重症の患者さんを受けることはできませんが、それでも歩いて病院にやって来る患者さんよりは病状が重い場合が多いです。しかし中には救急車をタクシー代わりに使うようなDQN(ドキュン)な人たちもいます。
先日、久しぶりに仕事が忙しくてブログを書く暇がありませんでした。救急車も何台か受けたのですが、その中にとんでもない人がいたのです。バタバタと仕事をしている中で、「救急隊からの電話が入っています」と救急担当の看護師さんから呼ばれました。いつもしているように救急隊からの電話を素早くとり「どのような患者さんですか?」と尋ねたところ、救急隊の方からは申し訳なさそうに次のような言葉が返ってきました。
「ぐるぐるねこ男先生、いつも(救急車の受け入れ)ありがとうございます。本当に申し訳ないですが、よろしいでしょうか?」
と言われても、まだ何も患者さんの情報を聞いていないので「よろしいです」と自信を持って言うことができませんでした。でもここまで申し訳なさそうってことは、かなり状態の悪い患者さんで、僕の勤めている病院では受け入れることが難しいレベルの重症患者さんなのかな?と思いました。でも僕は大学病院の救命救急センターで勤務した経験もあるので、とりあえず重症患者さんを救命しておいて、それから大きい病院へ転送するということもできます。救急隊の人たちもそのことを知っているので、直接僕に依頼してきたのかなって思いました。僕は「どうぞ続けてください」と答えました。すると救急隊から驚きの言葉が返ってきました。
「ありがとうございます!救急要請者は5歳の男の子の母親です。主訴は男の子の”指の逆剥けから出血”です。男の子が逆剥けをむしっていたら出血したとのことで……お忙しいのに、も、申し訳ありません!!」
要するに5歳の男の子が指の逆剥けをむしっていたら、そこから血が出たと。それに対してお母さんはパニックになったと。そして病院に来る足がないから、救急車を呼んでみたと言うことになります。これ以上もこれ以下も、この患者さんを表現する言葉は見つかりません。一般的な感覚からすれば、逆剥けからの出血なんて、ティッシュペーパーで押さえていたら止血できるやんって感じですが、このDQN(ドキュン)なお母さんはパニックになって、タクシーを呼ぶかの如く救急要請したのです。

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仕方なく僕はその救急車を受け入れましたが、案の定、病院に到着する頃には逆剥けからの出血は止まっていました。一応、消毒して絆創膏を貼って帰してあげました。お母さんは救急車をタクシー代わりに使ったことを何とも思っていませんでした。「救急車は税金で走ってるんやから(タクシーみたいに)使ってもええやん!それが公務っちゅうもんや!」みたいな暴言を平気で吐く人を見たことがあります。その人はガラスで手を(ほんのちょっとだけ)切ったということで、救急要請しました。救急車をよくタクシー代わりに使う常習犯です。「税金で走っている」って言ってましたが、ちなみにその人は生活保護を受けていて、税金なんて一円も払っていませんでした…。
※本来、救急車という乗り物は「重症患者さん」のために使うべき公共交通機関です。お乗り間違えのないよう、お願い申し上げます。

それではまた^ ^