今日、昼ごろお母さんが、ぼくのお金を見て、
「貯金通帳作ってみたら。わからんかってもええようにおしえてくれるから。」
と、いったのがきっかけに、ぼくは貯金通帳を作ることにしました。
お母さんは、お父さんとお母さんとぼくの貯金ばこから、お金を全部だし、それから、一円、五円、十円、たまに五十円も入っているかごからもお金をだし、ぼくのお金、貯金ばこのお金、かごのお金をあわせて、一円は一円、十円は十円というふうに、ふくろに分けました。
げんかんの前で、弟の◯◯が一円玉をばらまいたので、しっかりお母さんにしかられました。郵便局へつくと、お母さんは、
「けいけんしてきねえ。」
というので、弟たちといっしょに入って行きました。
「本当に教えてくれるんかなあ。」
という独り言を言いながら。
入ると、中は冷ぞう庫くらいすずしかったです。
そして、
「通帳作りにきました。」
というと、そこにいたおばさんが、
「この紙に名前と住所を書いといて。」
と、いそがしそうに、てっとりばやく、ぼくに紙をわたしました。
ぼくは、住所、名前を書いた紙をおばさんにわたしました。
むこうの方では、ぼくたちが持ってきた一円や、十円がジャラジャラしている音がしました。
せっかく分けていたのに、まぜてしまったので、分けてそんだったと思いました。
いすは、すわるところがないので、立っていろいろな物を見ていました。
郵便局へ来るのは初めてだったので、すみからすみまで見ていたのでこっちの方が、む中になってしまいました。
すると、もう貯金通帳はできていたのか、
「◯◯(※僕の苗字)さあん。」
とよばれたので行ってみると、通帳はできていました。
中を見ると、よくあの一円や十円でこんなにもあったなあと思うほどでした。
帰りに、たばこ屋の前でお母さんに、百円ずつもらいおかしを買うことにしました。
ぼくは、選ぶふりをして、弟たちが買ったのをかくにんすると、ぼくは、
「この金、とっとこ」
というと弟たちは、
「とっときゃえかったなあ。」
とおしそうにいっていました。
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これは僕が小学生の頃に書いた作文ですが、県の作文コンクールで賞をとり、優秀作品を集めた本にも掲載されました。文章の内容や構成がとても稚拙で、漢字もきちんと使うことができていません。小学3年生の頃、母に言われたことを今でも鮮明に覚えています。
「3年生になったら、もうお母さんは勉強教えることができないから」
僕の両親の最終学歴は二人とも中卒で、小学校の勉強ですら自分の子供に教えることができませんでした。もちろん学習塾なんて金銭的に無理でした。父にいたっては日本中の建築現場を転々をしていたので、家にいることなんてほとんどありませんでした。
僕の母は、数年前に病気で亡くなりました。しかしこの作文を読み返していて、僕の母はいつも大切なことを僕に教えてくれていたということに気がつきました。それは、母がよく言っていたこの言葉に込められていたのです。
「けいけんしてきねえ。」
僕は母の言葉のおかげでいろんな経験を重ね、人間としてここまで成長することができました。もう直接お礼を言うことができませんが、毎日夜遅くまで内職をして僕を育ててくれた母に感謝しなくちゃダメですよね。「本当にありがとうございました」って。
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<本日の言葉>
けいけんしてきねえ。
『貯金通帳を作りにいった』ぐるぐるねこ男の作文 より

それではまた^ ^