昨年2025年に於ける音楽リスナーとしての私にとってマックスな出来事だったと言えるのが「オアシスの再結成ライブを観た」こと、とにかくこれに尽きる。
いや、ロッキングオンソニックのパルプもめちゃくちゃ良かったけどな。なにしろ30年間ファンやってきてようやく念願叶ってはじめてライブを観ることが出来たのだ。ありゃ感涙ものだった。
まあでもやっぱりオアシスか。とりあえず今の気分的に鼻差でオアシスということにしておく。
2009年の3月20日と3月29日。結果的に日本でのラストツアーとなってしまった幕張メッセでのライブ2公演を私は観に行った。フジロックで演奏するためオアシスは夏にまたやって来たが私は観に行ってない。その後まもなくしてオアシスは解散した。
あれから16年も経ってしまった。
実のところ、
「リアムのパフォーマンスにはもう期待できないっぽいし、ノエルに関してはノエル・ギャラガーズ・ハイ・フライング・バーズ(NGHFB)で充分すぎるほど満足しているしなあ…」
という理由で、オアシスの再結成に私は当初否定的だった。チケットの抽選には申し込んだがことごとく落選した。まあ取れないなら仕方がないな、くらいのテンションだった。
だが、公演日が近づくにつれ居ても立っても居られなくなってしまった。チケットはなんとか手に入れることが出来た。
で、当日。東京ドームでの最終公演だ。

YouTubeでツアーの様子を見ていたのでわかっていたが、それでもびっくりしてしまった。
なにしろリアムのパフォーマンスがすこぶる良い。
しっかりよく通る声をしているし、伸びや息継ぎもバッチリキマってる。めちゃくちゃトレーニングして、コンディションにも気を遣っているのがはっきりとわかった。エネルギーに満ち溢れたじつにパワフルな歌声だ。
ノエルも大満足だったのだろう、もはや再結成ツアーの恒例行事となっていた兄弟笑顔でハグしたりなんかして、もうなんちゅうか、「観に来て良かった!」と万感の思いに浸った。
「オアシスが、リアムが帰って来た!」
大声で叫びたくなってしまった。
ただし、だ。ノエルのヴォーカルもめちゃくちゃ素晴らしいということは声を大にして言っておきたい私がいる。
もちろんリアムのスペシャルなヴォーカルには敵わない。しかしながら、そんじょそこいらのシンガーなんぞ軽く凌駕する魅力がノエルのヴォーカルにはある。渋くていい声してるし、ときに声を張り上げたり、ときにファルセットも器用に織り交ぜたり、技巧的に言えばリアムよりもあきらかに上である。
とはいえ、ノエルではなくリアムが歌っているからこそ、と間違いなく断言出来るオアシスの楽曲は言わずもがなだがある。
というわけで、ノエルも歌うけどやっぱりリアムなオアシスの曲、ベスト5を発表したい。
5位「Go Let It Out」
4th『Standing On The Shoulder Of Giants』からの先行シングルカット曲。NGHFB来日時にノエルヴォーカルで聴いて悪くはないもののちょっと地味かなあという印象が否めなかったが、リアムヴォーカルとなると話が違ってくる。荒々しく、かつ、清涼感もあるリアム特有の歌声が地味めな楽曲に「ロックンロール」と言うしかない華を添えている。なんならリアムヴォーカルじゃなければシングルカットされなかったのでは、と思ってしまうほどリアムの貢献度が高い楽曲ではないかと思う。
4位「Supersonic」
オアシスの記念すべきファーストシングルでありデビュー曲。こちらもNGHFBの来日公演の際ノエルヴォーカルで生聴きしたが、悪い印象はなく、むしろノエルらしい渋い味わいがあってこれはこれでいいなあ、とも思った。しかし、リアムヴォーカルになるとこれがまた一気に色合いが変わる。気怠げでかつ、やけっぱちな荒くれムードがやにわに立ち込め、「俺は俺でなければならない」という冒頭のパンチラインがじつに強烈に響いてくる。とにかく存在感がすごいと言うしかない歌いっぷりである。
3位「Live Forever」
3位はNGHFBではオリジナルよりもテンポを落としてしっとりめにノエルが歌うこの曲。ノエルヴォーカルのほうもふつうに良い。ただし、あくまでも「ふつう」レベルに落ち着いてしまっている。とくにこの伝説のネブワース公演でのリアムのヴォーカルは、はっきり言って比べるのは酷に思ってしまうほど別格だ。すごい。凄まじい。なんだこりゃ。まるで怪獣の咆哮じゃないか。圧巻。
2位「Step Out」
2位は元はノエルヴォーカルのこの曲。数年前にオアシスの伝記映画『オアシス:スーパーソニック』を劇場に観に行ったら「じつは録音してたんだよね」みたくリアムが歌っているこの曲のレコーディング風景が突然映し出されて文字通りぶっ飛ばされた。めちゃくちゃカッコいい。リアムの強烈極まりないパワフルな歌声がこの曲のラウドな疾走感をより一層際立てている。ノエルヴォーカルだって決して悪いわけではない。リアムヴォーカルがただただ良すぎる。それにしても、なぜこっちを正規版としてリリースしなかったのか…。
1位「Wonderwall」
というわけで1位は数多あるオアシスのシングルの中で売り上げトップを誇る「Wonderwall」だ。正直この曲に関しては、ノエルが歌うとなんだかパッとしない凡庸なポップソングに聴こえてしまう。ではリアムヴォーカルの場合はどうか。違う。まったく印象が異なる。「トゥーデーイ〜」というお馴染みの歌い出しが聴こえてきた瞬間なんていまだにゾクゾクしてしまう。力感がみなぎっていて、瑞々しくもあり、かつ、空気を震わすような緊張感をも孕んでおり、もうなんというか唯一無二感がハンパない。まさにスペシャルと言うしかない歌声である。
以上。疲れた。おしまい。