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不安や焦りと上手に付き合うために

 

こんにちは!心理カウンセラーの松田ちかこです。

 

不安や焦りを感じて身動きが取れなくなったことはありますか。

一度その感覚に陥ると、なかなかそこから抜け出すことができない。そんな経験をされた方も少なくないはず。

 

今回は、そんな不安と焦りとの付き合い方についてお話したいと思います。

 

 

 

 

不安や焦りとは

不安や焦りは、何か特定のものに対しての恐怖ではなく、漠然としたものに対しての感じることが多いものです。

まだ起きていない未来のことを「こうなったらどうしよう・・・」と考え、その思考に囚われてしまう状態です。

「今のうちにこうしておいた方が良いのではないか」と焦り、興奮した状態が続いてしまうと、心身共につらいですよね。

 

しかし、こうした不安は誰にでも起こるものです。

 

若松英輔さんの詩集『詩集 見えないものを探すために ぼくらは生まれた』にある「独裁者」という詩があります。

 

光を見失ったとき

わたしは

しばしば

内界の

独裁者になる

もうだめだ

何をやっても

意味がない

そう思い込んで疑わない

 

滂沱(ぼうだ)の涙とともに

もう一度

立ち上がろうとする

たましいの自由を

蹂躙(じゅうりん)する

哀れな

暴君になる

【「独裁者」より一部引用】

 

この詩にも表現されているように、自分の中の独裁者が時として現れ、見失った光をもう一度見つけようとするのを阻んでしまうことがあるのです。

 

後々振り返ってみれば、そんなに心配することはなかったなと思うことばかりではありませんか?

人間の思考は、未来に対しての不安は大きく考える傾向があるのでしょう。

 

こうした過度な思考にできるだけ気付いていくことが、不安や焦りから抜け出す第一歩。

「これはきっと考えすぎだぞ」

と気付いていくことが、頭の中の独裁者の支配から抜け出すためのカギなのです。

自律神経

人間には、体温を37度前後に保つことなどのように、「ホメオスタシス」と呼ばれる体内の環境を一定に保つ機能があります。

脳の間脳視床下部がその機能を司っており、自律神経やホルモンによって指令が伝達され身体が調整されるようになります。

自律神経は身体への作用が速やかで短時間で終わりますが、ホルモンは緩やかで長時間にわたって作用するという役割の違いがあります。

 

しかし、現代社会では生活習慣や食習慣の乱れ、過度な刺激や情報によるストレスなどにより、自律神経やホルモンバランスが乱れ、様々な心身の不調を感じる人が増えています。

 

自律神経には「交感神経系」と「副交感神経系」というシステムがあり、両者は大部分の臓器を一緒に支配し、逆方向の効果を及ぼすようになっています。

働きの違いを簡単に説明すると、「交感神経系」は全身を活動状態にする働きがあり、「副交感神経系」は休息状態にするという対照的な働きがあります。

 

不安や焦りは「交感神経系」が活発に働いている状態で、心拍数を増やし、気管支を拡張し、瞳孔を広げ、消化を抑制します。

血管も収縮し血圧は上昇、汗の分泌も増加します。

この「闘争か逃走か」の反応は、危機から身を守るためには非常に大切なものになりますが、これが必要のない時にも働いてしまうと心身の不調を感じることになってしまいます。

 

一方、「副交感神経系」はリラックスしているときに働きますが、これが過剰になってしまうと倦怠感や気力の低下などの症状が現れるようになります。

心拍はゆっくりになり血管は拡張、気管支は収縮し、瞳孔は縮小、消化は促進されます。危険のない状態で休息と栄養補給が十分に行えるように働いてくれるのが「副交感神経系」です。

 

どちらも活発に働き適切に切り替えができていれば問題ないのですが、どちらかが働きが悪くなってしまったり過剰になってしまったり、切り替えがうまくいかなくなってしまうと、さまざまな不調が感じられるようになります。

 

肩こり、腰の痛み、倦怠感・・・

イライラしたり、不安になったり、やる気が出なかったり・・・

 

自然現象の刺激(気温・湿度・気圧など)、仕事や生活の中でのストレス、さまざまな刺激を受けても恒常性を保とうと頑張っている自律神経。

ブラック企業にならないように、身体を大切に扱ってあげることを意識することが大切ですね。

こちらの記事もチェック!『子どもを落ち着かせたいとお悩みの方へ〜自律神経を整えて心穏やかに〜』 - ぐろーいんぐあっぷ!

不安や焦りと上手く付き合うために

前述したように、自律神経の乱れといった身体的なものが心の状態に影響しています。

また、認知の歪みといった思考習慣も心の状態に影響を与えます。

 

まずは生活習慣や食習慣、睡眠などを整えることが必要になってくるでしょう。

無理をしないこと、身体を大切にしてあげること。

現代社会では無理をすることが美徳のようになっていますが、その価値観から距離を置くことも私たちは考えていかなければならないのだと思います。

 

思考習慣は、まず自分が考えていることを知ることから始めてみると良いかもしれません。

思いつくままに紙に書き出してみるというジャーナリングという方法がありますが、頭の中に湧き上がる思考を書き出してみると、自分の考えていることが可視化できるようになります。

見えてくるとだんだん思考が整理されてくるので、ずっと何かを考えている状態(マインドワンダリング)が軽減されます。

 

自律神経を整えることと思考を整えることの両方にアプローチできる方法としては、マインドフルネスがあります。

マインドフルネスの定義は「あるがままの状況に対して、意図的に、今この瞬間に、評価せずに、注意を向けることで生じる気づき」とされています。

 

マインドフルネスを養うための方法として挙げられるのが「瞑想」です。

「集中瞑想」「洞察瞑想」「思いやりの瞑想」の3種類があります。

① 集中瞑想

特定の対象(呼吸など)に意識を集中させる瞑想

② 洞察瞑想

体験をありのままに気づく瞑想

③ 思いやりの瞑想

自己および他者に対する思いやりを育む瞑想

 

マインドフルネスを行ってみると、色々な思考が浮かび上がって来ると思います。しかし、その思考に対して「考えちゃいけない」と押し込めるようなことはしなくて大丈夫です。

「こんな考えがあるんだな」と、ただありのままに受け入れてあげるところから始めてみましょう。

 

〈マインドフルネスの態度〉

・評価しない(体験していることに対して解釈や批判をしない)

・初心(新鮮で生き生きとした関心をもつ)

・受容(体験していることを変えようとはせず、受け容れていく)

・信頼(自分の感覚、思考、感情、直感を信じる)

・力まない(一生懸命やりすぎない)

・忍耐(時間の経過と共に変化するままにする)

・解き放つ(役に立たない習慣や執着を手放す)

【臨床心理学概論 p.145 表9-2 マインドフルネスの態度より引用】

 

最初は1分から始めて、少しずつ慣れていくところからで良いと思います。

誘導してくれる音声なども活用しながら、深い呼吸とともにリラックスを体験してみてください。

 

やってみると、頭も身体もとてもスッキリしますよ。

 

また、ヨガなども良いですね。

深い呼吸と凝り固まった筋肉をほぐしたり身体の歪みを整える動きが、自律神経や血流を整え心身を安定させてくれます。

 

丁寧に心身を整えていくことを生活に取り入れてみてくださいね。

こちらの記事もチェック!

『子どもの「あるがままを認める」とは』 - ぐろーいんぐあっぷ!

『マインドフルネスで生きてみませんか』 - ぐろーいんぐあっぷ!

最後に

不安や焦りは誰もが体験したことがあるものですが、それが常に感じてしまうととてもつらいですよね。

なぜそんなことを考えてしまうのか、どうしてその考えから抜け出せないのか、自分でもわからないから苦しくてたまらないものです。

 

そんな時には、「思考に囚われている自分がいる」と一度客観的に自分をとらえ、気持ちが落ち着くように呼吸を整え、ストレッチをしたり、瞑想をしたりして交感神経の反応を落ち着かせる行動を取る。

その選択肢をもっておくと、不安感に囚われることがだんだん怖くなくなってきます。

 

すべてがスッキリと解消されるわけではありませんが、囚われた状態から抜け出すことはできると思います。

普段からできるだけ自分を整えながら、不安や焦りと上手く付き合っていく。

そんな方法を身に付けておけるといいですよね。

 

セルフケアとして一度試してみてもらえると嬉しいです。

 

また、心や身体のつらさは病院で診てもらうことも大切です。

我慢せず、医療の力にも頼ってくださいね。

 

 

<参考>

臨床心理学概論 (放送大学教材 1633)

人体の構造と機能〔改訂版〕: 人体の構造と機能及び疾病A (放送大学教材 4494)

今日のメンタルヘルス〔新版〕: 健康 医療心理学の実践的展開 (放送大学教材 4499)

<引用>

詩集 見えないものを探すために ぼくらは生まれた p.32「独裁者」

臨床心理学概論 (放送大学教材 1633) p.145 表9-2 マインドフルネスの態度

 

 

 

最後までお読みいただきありがとうございます

 

 

 

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