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ソフトウェアQAの基本指針となる「顧客・会社・現場三方よし」

 ソフトウェアプロセス改善手法SaPIDでは、プロセス改善で目指すべきものとして「顧客・会社・現場三方よし」を提唱しています。これは次の改善を一緒に成立させるように志向するというものです。

  • 顧客価値につながるプロダクトを提供して顧客満足を引き出す、顧客のための改善
  • チームがより効率的に・生産性高く活動でき、チームの労苦を減らす、現場のための改善
  • プロジェクトのコストが下がり、ビジネスとして利益が上がる、会社のための改善

 この三方よしは、三者トレードオフ(例えば顧客満足を得るためにチームが過労状態に陥るなど)を超越させて、プロセス改善の有効性、実現性を支えます。

ソフトウェアQAの基本方針としての三方よし

 この「顧客・会社・現場三方よし」は、ソフトウェアQAでも基本指針とすべき志向です。

 というのも現代的なソフトウェアQAは、TQC的、継続的テストのような組織全体のアプローチで、高品質と高スピードの両立を目指すスタイルが求められるためです。これは具体的には、次の活動すべてを組織として体系的に・総合的に推進するアプローチになります。

  • 要件分析で、より顧客満足につながるようにチームを方向づける
  • 設計・実装で、リリース容易性、変更性、テスト自動化容易性といった、高品質・高スピードの両立を支える品質を作りこむ
  • ユニットテストを中心とした自動テストとデプロイメントパイプラインで、迅速で安全な変更を実現する
  • チーム内では、ユーザテストやシステムテストといった顧客観点のフィードバックを確保して、顧客価値を作りこむ
  • ビジネスレベルでは、プロダクトを扱うユーザからのフィードバックを得て、プロダクトが提供する顧客価値を継続的に作りこむ

 この体系的・総合的なQAアプローチには、次のすべての実現が不可欠です。

  • 顧客満足の確保・向上に向けて組織やプロダクトを方向付けする
  • 開発者などの現場のエンジニアの協力を引き出して、各活動の総体としてQA活動を支える
  • 会社組織レベルのトップダウンで、DevOpsループなどビジネスと開発を巻きこんだ開発サイクルを実現する。

 これら3つの両立をソフトウェアQAとして行うためには、「顧客・会社・現場三方よし」の指針が的確にフィットします。
 具体的には、顧客満足を重視したQAアプローチで、開発組織を顧客満足につながるように方向づけできます。現場の労苦を減らすQAアプローチにより、開発者などの開発エンジニアの協力を無理なく引き出せます。明確な経営・組織レベルの改善効果を示すQAアプローチで、上位層からの理解を獲得しトップダウンアプローチを活用可能にします。

 「顧客・会社・現場三方よし」はプロセス改善の指針として提唱されていますが、こうした背景からソフトウェア開発のソフトウェアQA活動の基本指針としても、有効な考え方といえます。




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