ASIAN KUNG-FU GENERATION さよならロストジェネレイション 歌詞 - 歌ネット
ずっと前にアジカンから「言え」と言われたので言いました。
というわけで、寄稿いたしました。
ドロップアウト「できた」人生。本来ならドロップアウトというのはよくない。よくないのに、そっちのほうがマシだったのではないかという世代。それが氷河期世代だろう。ロストジェネレーションだろう。
おれがどうだったかというと、世代のせいにはできない自己責任でドロップした。なので、どうもおれは世代論が交わされているのを見ると、腰が引けるというか、おれにはなにも言う資格ねえな、みたいな気持ちになる。そんな気持ち、そして希少がんをやった今の気持ちを上の記事に書いた。
しかしなんだ、ドロップアウトしたあとひどく貧乏になったりもしたし、ずっと貧乏ではあったし、今も余裕はない。老後の資金なんてまったくない。せいぜい、希少がんの手術その他はどうにかなる、というくらいだ(もちろん高額医療費制度を使って)。とはいえ、おまえ、自分が知らん間に正社員になれたんだろう、役員になれたんだろうと言われたら、そうなのだが。でも、47歳になって手取り19万円なのだが。
ところで、話は変わるがこないだの日曜日の「ザ・ノンフィクション」は見ただろうか? ちょっと見たほうがいい。
「ゾス」の大きな掛け声と共に、きょうも一日が始まる。上司からの厳しい叱責、同僚との激しい競争、残業、会社での飲み会・・・かつて昭和の日本企業さながらの光景が今も残る会社に、若者たちが自らの夢を抱え飛び込んでいる・・・
東京・池袋にあるベンチャー企業「グローバルパートナーズ」。全員で絶叫しながら社訓を叫ぶ朝礼から始まり、結果を出せない者には上司が厳しい言葉で指導する。その様子をSNSに投稿すれば「これってブラック企業?」「自分ならすぐ辞める」と大炎上・・・その一方で、その社風に憧れて「自分もこの会社で働きたい」と入社してくる若者も後を絶たない。
おれはこの会社の様子を見て、自己紹介になると思った。「おれはこういうものから逃げ続けてきた人間です」と。非・自分の説明に使える、そう思えるくらいの確固とした世界があった。おれが逃げてきたものが煮詰まっている……。
でも、この「ドキュメンタリー」(「ザ・ノンフィクション」なので括弧つけます)で、この会社に入ってくるのは、進んでこの世界に飛び込んでいく。20代とか30代で年収が1,700万円あって、「沖縄とフィリピンに会社作るんですよ」とか言ってる社員もいる。ああ、そういうサクセスもおれが目を背けて、逃げてきたものだ。おそろしい、おそろしい。まあ、でも、そういうところに「なんで君が?」という人が入ってしまうところが見どころではある。
あ、一応念の為にいっておくと、おれは「反こういうもの」ではない。自分が「非こういうもの」であると言っているだけである。職業選択は自由だ。ここに夢とサクセス、圧倒的な成長を求めるやつもいるだろう。
まあいい、おれはあまりにも衝撃を受けたので、ネットで感想を探したりした。で、5chだったかな、「氷河期世代にはこういう会社に入らざるを得なかったやつもいたんだろうな」というような書き込みを見つけた。
ああ、そうか、そうなのだ。就職自体が厳しく、就職できたとしても、自分の望まない業種、自分に合わない社風、そういうところに入らなくてはならなかったやつもたくさんいる。さっき「職業選択の自由」とか言ったが、自由になるものでもない。もしもおれが大卒で就職していたら、朝から「アポ! アポ! アポ!」といってトレインを作って社内を走り回る世界に入っていた可能性もあるのだ。
そんなの、3日ももたない。我慢していたら、繊細なおれはすぐに潰れる。潰れて、社会復帰できないかもしれない。あくまで仮定だ。でも、それが現実だったやつもたくさんいる……。
そうなると、だらだらとやる気なく、そして嫌なことから逃げてなんか生きてきた自分というものが、もう恵まれているんじゃねえのとすら思える。恵まれているかな、もう。そのくらいのことは考えてしまう。
だからちょっと、後ろめたさがある。
おれはアルバイトをしたことがない。そもそも、履歴書を書いたことがない。社会の底辺で、こっそり生きてきた。苛烈な戦いに負けたのではなく、戦場から逃げて。逃亡兵なんだよ。逃亡兵になにか言う資格があるか? ないよな。
ないけど、まあしかし、それでも生きてきてはしまったし、言葉もある。だからこんなことを書いている。けどまあ、こんなものを読んでいる暇があったら、「ザ・ノンフィクション」を見てくれ。あなたはどんな世代で、なにを感じるだろうか? それは世代に関係あるのだろうか? まあ、そんなところだ。
(ちなみに、同じ日の夜にNHKスペシャルが放送された。戦時下ロシアに中国から物資を運ぶ中国人トラックドライバーの話だ。トラックドライバーの条件は悲惨に尽きる。この世の本当のブラックとは、戦争で儲けようとする運輸会社の社長みたいなやつのことだろう。)
