冷静に考えれば当然だけど具体的なデータとして見える機会は珍しいであろう現象に遭遇したので、時雨堂のvoluntasに協力してもらって記事にしておくことにしました。
2つのツイート
2025年7月25日(金)の午後、ぼく自身がこんなツイートをしました。ちょうどAIコーディングエージェントによるWebアプリのセキュリティに関する話題をTLで目にしたので、これを機に当社で発行している書籍『Webブラウザセキュリティ』のことを思い出してもらおうという意図がありました。
HttpOnlyの重要性、Cookieのセキュリティ境界、CSP、すべて『Webブラウザセキュリティ』に書いてありますので、コーディングエージェントにアプリを書かせるときも人間があらかじめ読んでおくといいと思います https://t.co/4LKq0dprMF
— 専門性・売上・原稿 (@golden_lucky) 2025年7月25日
その2日後の7月27日(日)の夜、たまたま時雨堂のvoluntasも同じ本についてツイートしてくれました。ぼくが気づいたのは翌朝なので前後の文脈はわからないのですが、時雨堂はラムダノートに出資してくれていることもあって、機会があると当社の本(のうちvoluntasが個人的に興味があるもの)について言及してくれます。
Webブラウザセキュリティ ― Webアプリケーションの安全性を支える仕組みを整理する – 技術書出版と販売のラムダノート https://t.co/V2PBWsIeca この本、本当にオススメなので、持っていない人はとりあえず買うと良いですよ。
— V (@voluntas) 2025年7月27日
どちらのツイートも7月29日までには200favを超えています。これくらい多くの人の眼に触れると、サイトの訪問者数もそれなりに増えて、そのうちの何割かは書籍を購入してくれます(ありがとうございます!)。
インプレッションはどちらも同じ
これらのツイートによる直販サイトへの反響には、かなりはっきりとした差がありました。しかし、面白かったのは、両者のインプレッションがほぼ同一だったことです。まず、ぼくのツイートの7月29日時点でのアナリティクスはこちら。2万弱のインプレッションがあります。

voluntasのツイートについても、お願いして7月29日時点のアナリティクスを見せてもらいました。やはり2万弱のインプレッションです。ぼくのツイートのほうが集計期間が2日ほど長いですが、ツイッター上での反響は偶然とは思えないほど似通っています。

コンバージョン数はぜんぜん違った
インプレッション数はそっくりなのに、両ツイートによる当社直販サイトへの影響にはかなりはっきりとした違いが見られました。1つめのツイートの前日である7月24日から、2つめのvoluntasのツイートの翌々日である7月29日までの売上の変動を見ると、くっきりとした差が読み取れます。

このデータには両ツイートで言及している書籍以外の売上も含まれていますが、それにしてもvoluntasのツイートの直後のほうがかなりたくさんの人に手に取ってもらえていることが察せられると思います。
何が差を生んだのか
インプレッション数がほぼ同じツイートで、コンバージョン数にこれだけ大きな差が生じたのは、どういうわけでしょうか。
今回、2つのツイートが同じようなタイミングで投稿され、しかも同じようなインプレッション数になったのは、完全に偶然です。再現性がある現象でもないので、あくまでも感覚による推察でしかありませんが、おそらくツイートを見てくれた人の属性が大きく違うことが原因だと考えるのが合理的でしょう。
ぼくのアカウントは、現在は主に自社の本の宣伝をするために使っており、フォローしてくれている方々もそれを期待していると考えられます。言い換えると、たぶん、ぼくのアカウントのフォロワーはラムダノートに興味を持ってくれています。ぼくがツイートする本をすでに持っているという方も、きっといるでしょう。その方々がツイートをみて改めて本を買ってくれることはまずないと考えられます。
一方、voluntasのアカウントをフォローしている方々は、ラムダノートの本に興味があるわけではありません。ラムダノートの存在自体を知らない人も少なくないでしょう(しかもvoluntasのアカウントはぼくのアカウントの3.5倍くらいのフォロワー数がある)。そのアカウントにおける2万インプレッションは、ほぼ全員がラムダノートを知っている皆さんの中での2万インプレッションとは、少なくとも既刊書の存在を潜在的な対象読者に届けるという観点ではかなり違うと想像できます。
知らない人に知ってもらうには
今回の現象であらためて感じるのは、「知らない人に知ってもらう」のがほんとに難しいという現実です。ラムダノートでは「刺さる人に確実に刺さる本」を発行している自信がありますが、そもそも「刺さる人」に見つけてもらえないことには刺さりようがありません。幸い、「刺さる人」の大半が主にウェブで情報を取得してくれる層なので一定以上の割合の方々には存在を知ってもらえていると思うのですが、それでも当社をまだ知らない、あるいは当社の本の存在に気づいてもらえていない「刺さる人」もまだまだ多いのだろうなと、今回の現象を見てあらためて痛感しました。
最後に、ラムダノートの本をすでに知っていて「ちょっといいな」と思っていただいている方々へのいつものお願いです。まわりにまだラムダノートの本を知らない人がいたら「いい本あるよ」とぜひ教えてあげてください!