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アンソニー・ホロヴィッツの『マーブル館殺人事件』を読んだ

マーブル館殺人事件(上・下)/  アンソニー・ホロヴィッツ (著), 山田 蘭 (翻訳)

マーブル館殺人事件 上 〈カササギ殺人事件〉シリーズ (創元推理文庫) マーブル館殺人事件 下 〈カササギ殺人事件〉シリーズ (創元推理文庫) 

ギリシャでの生活に区切りをつけ、ロンドンに帰ってきたわたし、スーザン・ライランド。フリーランス編集者として働いていると、予想だにしない仕事が舞いこんできた。若手作家が名探偵〈アティカス・ピュント〉シリーズを書き継ぐことになり、その編集を依頼されたのだ。途中までの原稿を読んだわたしは、書き手が新作に自分の家族関係を反映しているのを感じる。ということはこの作品のように、現実世界でも不審な死が存在したのか? 『カササギ殺人事件』『ヨルガオ殺人事件』に続くシリーズ第3弾!

『カササギ殺人事件』『ヨルガオ殺人事件』に続く「スーザン・ライランド」シリーズ第3弾。本シリーズの最大の特徴は、作中作である「アティカス・ピュント」シリーズの内容が、現実の殺人事件と奇妙に連動している点にある。

故人となった作者が遺したフィクションの中に、現実の「過去の事件」の真相が隠されており、編集者であるスーザンがその謎を解き明かしてゆくのだ。1冊で「作中作」と「現実」の2つのミステリを堪能しつつ、両者のクロスオーバーを推理できる、1粒で3度おいしい重層的な構成が魅力となったシリーズだ。

今作の注目点は、作中作「アティカス・ピュント」シリーズの執筆を別の作家が引き継いだという設定だ。新たな書き手によって紡がれる物語が、またもや現実の惨劇を呼び寄せる。主人公スーザンは「またこの展開か」と辟易しながらも(笑)、逃れられない因縁に引きずり込まれ、再び危険な領域へと足を踏み入れていく。

今回の舞台は、既に物故した世界的ベストセラー児童文学作家が築き上げた巨大帝国。自然死とされた作家の「毒殺疑惑」を巡り、腐臭漂う一族のスキャンダルが幕を開ける。鉄の団結で疑惑を拒む一族だが、その一人が書き始めた「アティカス・ピュント」の新作には、封印されたはずの秘密が暗に仄めかされていた。

前2作との大きな違いは、作中作が**「執筆途中の原稿」として小出しに挿入される**点だ。真実が少しずつ明かされる焦燥感が、物語の推進力をより強固にしている。さらに、曲者揃いの一族による陰湿な妨害と隠蔽、のらりくらりと核心をはぐらかす新作家の存在が、スーザンをかつてない危機へと追い込んでいく。

一方、フランスを舞台にした新シリーズの風光明媚なロケーションは、重苦しい現実パートに新鮮な風を吹き込む。「作中作と現実で共通の要素を描きながら、結末を違える」という精緻な趣向も見事だ。 同一のフォーマットを維持しながら、あらゆる面で新機軸を打ち出した本作には、巨匠アンソニー・ホロヴィッツの飽くなき挑戦精神が宿っている。またしてもミステリの限界を突破した、文句なしの傑作だ。

 




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