マインクラフト/ザ・ムービー (監督:ジャレッド・ヘス 2025年アメリカ映画)

全世界売上本数3億本という”世界で最も売れたインディーズゲーム”『マインクラフト』。一言でいうと「すべてが四角いブロックでできた世界で、自由に遊び、創造する」サンドボックス型のゲームなのだが、オレ自身は遊んだことがない(メチャクチャはまりそうで逆に手が出せない)。
その『マインクラフト』をハリウッド実写映画化した本作だが、見るからに他愛なさそうなこの映画、実際観ても他愛のないものだったが、にもかかわらず実に楽しく観ることができた。内容はゲーム的な異世界に迷い込んだ主人公たちが冒険とバトルを繰り広げて現実世界に帰ってくるという、これまたありがちなものだが、だからこそ無邪気で無心に楽しむことができる。
同工のゲーム映画化作品『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』が、観終わった後に何も残らないが最高に優れた娯楽作だったように、この作品も徹底して娯楽作である事だけにこだわっている。一見低年齢層向けの映画だが、登場人物たち全員がいわゆる「負け犬」であり、彼らが冒険を通して生きる意味を見つけてゆく過程は成人が見ても十分心に響くだろう。他愛がないにしろ、子供向けな誤魔化しが無いのだ。
これはファンタジー的な世界観でありつつゲーム準拠である「すべてが四角いブロックでできた世界」の光景があまりに珍奇で楽しく、『LEGOムービー』のような抽象化された世界の面白さがあるからだろう。もちろん、キューブを合成して新たなアイテムを創造するという、ゲームならではの描写もわくわくさせられる。
併せて、ジャック・ブラックとジェイソン・モモアという、むさくるしいオッサン二人のとてつもない怪演とドタバタの極みを尽くした掛け合いの可笑しさが功を奏している。彼ら二人の「合体飛行」や突然巻き起こるミュージカル展開には、馬鹿馬鹿しさと同時に清々しさすら感じて、逆にこの二人の底力にとことん恐れ入る。ジャック・ブラックはあまりに“キマリ”過ぎているし、ジェイソン・モモアはあまりにおマヌケだし、そんな吹っ切れまくった演技に惚れ惚れさせられただけでなく、一人のオッサンとして「仲間に入りたい……」とすら思ってしまった。
また、Netflixドラマ『ウェンズデー』のエマ・マイヤーズ、DCコミックスドラマ『ピースメーカー』のダニエル・ブルックスの出演もファンとして嬉しい。『ナポレオン・ダイナマイト』『ナチョ・リブレ 覆面の神様』の監督ジャレッド・ヘスの、乗りに乗った演出も見どころだ。いやあ、ちょっとオレこの映画気に入っちゃったよ。

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