注:本記事には、2025年9月7日現在興行中である「福山雅治 35th ANNIVERSARY DOME LIVE SOUL」のセットリスト、MC、衣装、演出、サポートメンバー編成等に関するネタバレがあります。
事前準備
時は2025年。最愛の男・ましゃ(福山雅治)がデビュー35周年記念にドームツアーをやってくれるというので、8月30日の京セラドーム大阪公演初日に参加した。思えば、ましゃのライブのために関東圏を出るのは初めてかもしれない。
事前に公式から、参加者向けの諸注意事項についてアナウンスがあり、特設サイトの該当ページを熟読したところ、どうやらプレゼントボックスが設置されるらしい。そこで、ファンレターを書くことにした。ましゃ宛、9月8日にお誕生日を迎えるキャプテン*1井上鑑さん宛、そしてバンドメンバー宛である。キャプテンには、文房具屋さんで見つけた、365日それぞれの日付が印刷されたカードを選んだ。いつもおしゃれなキャプテンにぴったり。
ファンレターというものは愛を素直に叫んでナンボであるので、そのような仕上がりになった。ましゃ宛以外のお手紙には、LOFTでかわいいステッカーを爆買いして同封した。ご本人たちに届くといいな。

ライブ前日、友達からもらったフェイスパックをしながら、届いたばかりのファンクラブ会報誌を読む。映画「ブラックショーマン」のビジュアル撮影のアナザーショットがてんこ盛りで、全て良すぎて救われた思いがした。正直言って映画公式ポスターのましゃは魅力が全く表現されていないのでヤキモキしていた。ライブへの思いや新曲の話などが長文で綴られており、ひととおり読んでテンションを充分に高め、持ちもの確認を行ない、ネイルケアクリームを塗り、就寝。
大阪着〜入場
この日のためにつけ方を練習したチャコットのフェイスパウダーをはたき、この日のために新調したRMKのアイシャドウを塗り、妹からもらったメイクキープミストをかけまくり、マスクを着けた*2。
シンクロマティック アイシャドウパレット EX-14 ラングズオブヘヴン
新幹線に乗った。とてもいい天気だったので、『FUKUYAMA MASAHARU LIVE FILM 言霊の幸わう夏@NIPPON BUDOKAN 2023』の円盤に付属していた、同ライブのライブアルバムからBEAUTIFUL DAYをずっと聴いていた。車窓からは海が見えて、今日はなにもかもちょっといいから、奇蹟かもしれないと思った。
空は青くて 海も碧くて 車もホント調子いいんだ
風の強さも 波の高さも 雲の速さもちょうどいいんだ
(中略)
情けない事 どうしようもない事 受け入れながら今日があるんだ
明日からも生きていかなくちゃ 孤独だけど ひとりじゃないんだ
今日はなにもかもちょっといいんだ
奇蹟かもしれない Beautiful day
今回の旅にはマルヴァド*3が同行した。「京セラドーム公演のチケットを当ててくれたら、連れていってあげる」と言い聞かせて、最速先行抽選申込のボタンを一緒に押したからです。彼はでかいので正直なかなか荷物になるのだけど、こちらにも誠意というものがある。

車窓から町並みを眺める後頭部


湯川先生、新大阪だよ
到着。かなり暑い。が、ソウルメイトおすすめのたこ焼きマーケットまで足を伸ばした。やまちゃんと十八番というお店のそれぞれのたこ焼きを食べた。どちらもとてもおいしかった。ご馳走さまでした!


ドーム周辺と内部では確保が難しかろうと思い、予めペットボトルの水を購入。リップだけ塗り直して、これまた妹からもらったグロスをつけた。事前購入したグッズTシャツを会場で受け取るため、京セラドームに向かった。



湯川先生、マルヴァド、京セラドームだよ
見知らぬ電車の乗り換えに四苦八苦しながら到着。ドームにはにこにこ笑顔の人たちがいっぱいいてかなりよかった。男性の姿ももちろんある。パートナーに連れてこられました顔のお兄さんもいれば、福山!俺が来たぜ!とでも言いたげにグッズTシャツに身を包んだお兄さんや、ゴキゲンに自撮りをしまくるお兄さんもいた。グッズ受取は、指定時間になった直後に列に並び始めたのだが、かなりの混雑だった。列が進むのは早かったし、時間内に受取できたからよいものの、列を見た第一印象としては結構面食らった。あと室外に列形成されていたのでシンプルに暑い。できるだけ日陰に並ばせてくれたし、途中から室内に入れるので配慮は感じるが、限界がある。暑さが続くうちは事前購入事前受取が理想だけど、ましゃはこだわるタイプだから、それができるほどの余裕があるタイミングでグッズのデザインや仕様がfixするのは難しいのかな。グッズについては、デザインも含めてもう少しなんとかなるといい。
ちなみにグッズは当初何も買うつもりはなかったのに、胸のワンポイントが刺繍だと判明し、「刺繍ね……ほ〜〜〜ん……やるやん……」と思ってこれを購入しました。ゆったり着たくてMサイズ。昨年のWE'RE BROS. TOURあたりから、背中に開催地のプリントが入るようになって嬉しい。バンドメンバーのお名前も入れてほしいな。



やることもないし暑かったので早々に入場。場内にグッズ売り場はないし途中入退場も難しそうなので要注意。プレゼントボックスを見つけることができて、バッグから3通取り出してドサリと置いた。私の手紙のほかには何も入っていなかった。BROS.*4のみんな!愛は伝えたほうがいいよ!ボックスのそばにいた年配のお姉さまが、私が手紙を入れたのをご覧になり、目が合い、何度か頷き合った。「いつもお手紙書かれてるの?」「いいえ、普段はあまり書かないんですが、今回は書いてきました」「そうなの。ラジオか何かで読まれるといいわね」「ええ」と素晴らしい会話をした。
今回は全席同一料金で席種選択不可だったが、まさかのアリーナ席、C13ブロック。お察しの通りの遠さです。ブロック配置図は撮影不可だった。列の中ほどに着席。横浜のKアリーナみたいに床がちょっと気になるかなと思って巨大ゴミ袋を持参してきたが、木の板が敷いてあり大丈夫そうだったので、そのまま直置きした。盗難防止のため、リュックのファスナーがステージを向くようには気をつけた。しばらくの間、巨大モニターに映るましゃ出演CMループを眺めて過ごす。どうせここで観られるからと、現時点ではCMの中でしか聞くことのできない新曲たちの予習をしてこなかったので、初めてまともにフレーズを聞くものもある。俄かに緊張しながら、電池交換済みのシンクロライトバングルの座席設定*5を行なった。
ライブ本編
定刻になったところで、一部のJR線が運転見合わせ中のため開演時間を遅らせる、との場内アナウンスが入り、自然と拍手が起こる。30分くらいは様子見するのかなと思いきや、約15分遅れで開演した。それまでにちらほらとスタッフさんの案内を受けながら駆け込んでくるお客さんもいて、できるだけ間に合ったと思いたい。
いつものようなバンドメンバーたちの煽りもインスト*6アドリブ合奏もなく、早々と本人がステージに登場した。襟付きの赤いレザーロングコートに、薄いインディゴの太めのダメージジーンズと厚底白スニーカー、歪ませるのは黒いレスポール*7。

駆けぬける雨の中 君の声もかき消され
2人の愛も流されてく
追憶の雨の音 見つめあったあの時も
流されてく
デビュー曲追憶の雨の中のサビがゆっくりと歌われて息を呑んだ。
そうだ、この曲こそが、ましゃがきっと本当に望んでいたモノやコトに最も近い、これが彼の原初の魂(ソウル)なのだと思って、髪が逆立つかと思うほど一気に心臓が脈打ったあと、続いてステージの魔物の演奏が始まった。モニターにはTHIS STAGE HOLDS THE MONSTERS NO ONE CAN STOP の単語が順に表示されていく。この歌の歌詞はたぶんマジなんだろうなと思うようになった今日この頃、もうステージを降りられないし降りないましゃが、4万人の前でエレキギター1本で"魔物"との生涯続く二人旅を宣言する。
次のvs. 2013 〜知覚と快楽の螺旋〜は、すっかりフロア速攻ブチ上げ担当になったインスト。2007年放送のテレビドラマ『ガリレオ』のテーマソングとしてましゃが作曲したのだが、2013年になってブラッシュアップ版が発表されるという厚遇を受けており、かっこよくなり続けるサウンドがリアルタイムでステージ上のあちこちで炸裂し、客席ではタオルがぶん回される。ましゃはメインステージ左右に伸びた通路を満遍なく歩いて、突き当たりでギターをかき鳴らす。ステージ前面からはスモークが噴き上がってすごくかっこよかったけど、私の位置からはちょうどましゃと重なってしまって残念だった。
この曲は間奏にあたるところで、バンドメンバーたちのソロパートがあり、そこが全員かっこよくて大好き!今回、ストリングスが4人ほどいらっしゃったんだけど、バイオリンのお兄さんがストリングス代表でソロを弾いててかっこよかった。ギターソロの弾き方は今ちゃん*9派。
続くHELLOでは、モニターにHELLO OSAKAの文字と、名物などをデフォルメしたイラストが踊る。ましゃは完璧な音程で歌いながら、瞬間真顔でしょっちゅう手元の機材をさわって音を調整し続けていた。間奏でギタリスト3人が揃ってギターヘッドを振り下ろすシーンがあっていつも楽しく、拓ちゃん*10のサックスソロパートではピンスポが当たってかっこいい!いつもこの曲にかっこいい音をくれてありがとうございます!
ここで漸くMC。「初日ですから、色々あるでしょう。"魔物"も含めて楽しみたいと思います」と挨拶をしながら、ドームライブに向けて様々な準備をしてきたと語り、例の件にもふれた。
注:以下に続くMCの内容は、あくまでも私の記憶に基づくものです。実際の発言内容と著しく異なる記述および印象を与えてしまっている場合はご指摘ください。
フジテレビにおける一連の性加害問題について調査を行なっている第三者委員会が、10年以上前に当時の重役が催した会食に出席したましゃが、その場に女性アナウンサーがいたにもかかわらずセクハラ発言を行ない、彼女が不快な思いをしたことを把握し、ましゃに質問をしたのだ。そしてましゃはその質問に回答し、さらに、第三者委員会から質問を受けて回答したということそのものについて、女性週刊誌から取材依頼があり、それにも応えた。
今回、女性セブンさんからの独占取材を受けさせていただいたことをご報告いたします。内容については以下のとおりです。…
— 福山雅治 (@BROS_1991) 2025年8月17日
このことはたいへん世間からの注目を集め、さまざまな意見が飛び交った。当時の感覚や風潮を今の倫理観で責めていいのかとか、悪政から注意を逸らさせるためのスケープゴートだとか、ましゃ信じてるよ♡みたいな(何を信じてるって?)フワフワした擁護とか。私も当然反応してしまい、「いやいや、時代がどうであれ、セクハラ発言は常にダメだったし、ある立場の人にとってはましゃは存在自体が脅威なんだから、そういう圧倒的マジョリティかつ社会的パワーの保持者である自分の属性からくる加害可能性に向き合わないとだめでしょ。問題の本質はそこだろ」と思ってTwitter(現X)でもそのように発言したのだが、本来の問題は「その当時ですら、自社に勤める女性アナウンサーを接待要員として呼びつけていた、フジテレビにおける女性のモノ化の常習性」であり、私はましゃを愛するあまりそこに気づかず言及できなかった。
ましゃはライブ空間や時間を徹底してエンターテイメントとして消費してほしいと(たぶん)考えているタイプだからか、シリアスな空気にするつもりはありませんよというような、かなりあっさりとした口調で、
「どうします?話します?ちょっと相談しながら決めていきたい。聞きたいな〜って人?(※大勢が拍手)いやいや全く興味ないし、もう掘り尽くしたからいいよって人?(※やや少なめの拍手)聞きたい人のほうが多いんだ。好きね笑。わかりました。(原稿を)長いのと短いの両方用意してきたから(大丈夫)。準備する男だから」
と、やや笑いを取りながら話し出す。内容に新規性はなく、女性週刊誌からの単独独占取材に応じたのは、セクハラ被害者の特定や彼女への誹謗中傷を避けることを第一に考えたうえで、お詫びするところはお詫びして、第三者委員会の報告書の記載内容について異なるところは訂正して、誤解のないようにしたかったためだということだった。
ご心配をおかけしましたと謝罪があり、ただこのライブをいいものにすること、自分の生きる意味であるライブを大切にしようとしている、みたいなことを言い、観客から拍手喝采を浴びていた。
私は非常に戸惑った。怒りさえ感じた気もする。
女性が男性にモノとして扱われる場に居たこと、それを許してしまっている構造の温存に、社会の構成員として悪気なく加担してしまっていること、それについての考えの表明が一切なく、本来の問題と、少々ズレてはいるが私が指摘した課題点をわかっているのか、考えていくつもりがあるのか、私が心配しているのはそこなのだった(ほかのファンたちは今後の仕事への影響などを心配している節もあるようだけど、アジア人の見た目・音声日本語話者・世間から人気がある・妻子持ちの中年男性という、現在の日本における社会的ヒエラルキーのトップに君臨できるカードを軒並み持っている人物がキャンセルされると思うのか?)。
ライブがましゃの生きる意味なのはわかっているし、私を含めてこの場に居合わせている大勢の人にとってもそうに違いないんだけど、コメントがあまりにも自分本位すぎて空いた口が塞がらなかった。
気を取り直したはずの零 -ZERO- では、歌詞を2箇所も間違える(正:僕もいる→誤:光もある、正:君が暗闇に→誤:僕が暗闇に)という異常事態が起こって、そんなに動揺するなら最初から話さなければよかったのにと思わざるを得ない。この曲が、女性に性加害を行なった声優古谷徹が演じたキャラクターを解釈したものであるという事実も、ますますこの曲が負の文脈で語られてしまうことになって不憫である。全人類は性教育(=人権教育)を受けよう。
Popstarはまさに"福山雅治"のことである。
数え切れぬほどの称賛の声 時にそれ以上の
悪意と中傷さえも 楽しめてる私こそPopstar
(中略)
踊れよPopstar 誰かを幸せにするために ギリギリの生き方が好き
狂えよPopstar 時代が求めてる壊れ方で
笑えよPopstar 自分を幸せにするために
眠れよPopstar 今夜も酒と睡眠薬をくれ
明日もPopstar 売るのさ 醜聞も音楽も
人格も人生も全部
ましゃはたまにこういうメタ的な歌をつくるので*11ファンはたいへん心配するのだが、もうましゃの人生はましゃ自身にも手に負えないので、このように歌うしかないのだろう。責められているとは思わないけど、私のような"ファン"がましゃに全部を売らせている事実はあるので、どうしていいかわからなくはなる。あるいは、こうやって勝手に責任や罪悪感を背負おうとすることは傲慢であって、もうずっと黙っているべきなのかもしれない(でもやっぱり責任はあるよね?)。曲はすごくかっこいい。「目配せ忘れず」のところで目元がアップになって、美しいなと思ってしまう。
花道を歩いた先のサブステージにてMC。
「どうぞ皆さん、お座りください。僕も座りますから。気づいたんですけど、ちょっと座るだけで随分違うなと。ボクシングでも座るじゃないですか」
と言いながら、ここ1年程で導入されるようになった椅子*12に腰を下ろし、「オーディエンスの(声の)返し*13をください」とスタッフさんたちに指示を出しながら、久しぶりの出席確認が行なわれた。やっぱり関西圏から来た人が圧倒的に多くて、次いでそれ以外から来た人〜?の確認で元気に手を挙げて、隣の2人連れのお姉さま方と「あら、どちらから?」「横浜から来ました〜」と和やかに会話。初めてライブに来た人も意外といたので、驚いたましゃが、
「でも、(初めて来た人も)全く(僕に)興味がなかったわけではないはず!35年間来られなかっただけで……」
とウダウダ言うのをみんなで微笑ましく眺める時間があってから、昔の話になった。
はじめてのヒットと呼べる歌は「Good night」で、ドラマの挿入歌を書いてみないかと言われてもちろん挑戦しようとしたらラブソングをリクエストされ、恋愛話を公にするのってどうなの?と抵抗があったこと。でもその曲がはじめてオリコンTOP 10入り(9位)して、当時はGood night Promotion略してGNPと称してとにかく周りに宣伝してくれとあちこちで言い続けたこと。それからラブソングを書くようになって、様々なオファーをいただく中で、近年は恋愛の先にあるものについても歌うようになったこと。次のセクションではそんなラブソングをお届けすること。
しゃべりながら左足がひょこひょこと貧乏ゆすりのように落ち着ついておらず、気になった。体調が悪いわけではなさそうなのでとりあえず静観したけど、今日はこんな感じでずっとハラハラさせられるのかとやや不安になった。
ラブソング特集は、Good night、Squall、想望。Good nightすごくいい歌だから好き。Squallの間奏では、少し離れて立ってマイクに手を伸ばして指パッチン全部決めててかっこよかった。イケてる男は指パッチン綺麗に鳴らせる説ある。私も鳴らせるようになりたい。想望に関してはもう極右団体のテーマソングとして祭り上げられないことを祈るしかない。
モニターに長崎の風景が映ったので、「18 -eighteen-」か「Fellow」か「蜜柑色の夏休み」か大穴「Good Luck」か、と思っていたら道標 2022だった。最後のwow wowを2回繰り返してくれるところで鳴る、祝福のようなホーンセクションの音がすごく好き。そして「私はこの手が好きです」を歌うましゃの、シワの増えた手が宙に浮かぶ。クラシックギターを指弾きするために伸ばされている爪が照明の光で白く透けて、美しかった。
家族になろうよは、良くも悪くも無邪気なシスヘテロ*14にしか書けない歌だなと思う。この歌から取りこぼされている人たちがいることを、たぶんましゃもわかっているはずで、対応しろとは言わないけど、自覚はずっと持っていてほしいと思う。同性婚の法制化を強く望みます。
続くWalking with you大好き。WE'RE BROS. TOUR 2024 Flowers and Bees, Tears and Music. の中核を担っていた短いインストで、当時はモニターにツアーのキービジュアルである花とミツバチ、涙とギター(音楽)が、ビジュアルと同じタッチでゆっくり描かれていく演出だった気がするけど、今回は刺繍風ですごくかわいかった。ましゃと今ちゃんがギターを指弾きして、ステージを上から映すショットで2人にスポットライトが当たっているのがよくわかってかっこよかった。今ちゃん、ギターがうますぎる。早くリリースしてほしい。
新曲の未来絵。開演前の出演CMループで初めて一部を聞いて、ちょっといい感じだったから楽しみにしていた。そうしたらましゃはお着替えをしていて、ドレッシーなシャツとジャケット、右胸にシルバーのブローチ、細身のパンツの右側にだけ、ロングスカートに見えるようなプリーツの入った長い裾がついていて、全部黒。おい……最高すぎんだろ……。

最高すぎだろ……
明日君に逢いに行くから 今日をちゃんと生きてなくちゃ
うまくいった日 いかなかった日 そのどっちでもなかった日が一番多いって
でもやれることはやって でも結果それが未来を
君とね 育ててるんだよね*15
「今日をちゃんと生きてなくちゃ」の声が、空元気でも踏ん張っているのでも熱く語りかけるのでもなく、ただ優しくて泣いた。楽しい予定をぎゅうぎゅうにして全部大切にできる日、ただ過ごすことで精一杯な日、そういう全部の日が誰にもあることをわかって、ましゃにもそれは絶対あって、全部無駄じゃないよとこんなにも綺麗事を歌ってくれる。全然ちゃんとなんて生きられなくてこういう歌が耐えられない日すらもあるけど、それも含めて生活をやっていくしかない。この歌はきっと私のそばにいてくれると思う。
歌い終えたましゃは、「その歓声は、お衣装に対してですか?それとも新曲に対してですか?」と笑って、
「『未来絵』、このような感じになっております。歌詞は一週間くらい前にやっと書けまして。育ててもらえたらと思います」
と紹介してくれた。
セルフカバー版のKISSして。サビを冒頭でたっぷり溜めながら歌い上げて、会場のボルテージも上がっていく。
恋のチカラここにある
笑えない 泣けない夜も 味方でいるから
ねぇ もう ぜんぶぜんぶ あげるから
誰にも見えなかった「とっておきのボク」を
「見せなかった」を「見えなかった」と歌詞を変えて歌われて叫びそうになった。そうだよな、見えてないんだよな。ましゃのこと見てるのに見えない気がずっとしていて、でも今この瞬間とっておきのましゃをぜんぶくれる。これって愛じゃん。「Kissして」を我々に叫ばせる直前に「でっかい声で、カモン大阪」と囁いてくれたので、でっかい声で応えた。ここと最後で上手にKissしてが言えなかったらライブ本編ラストでやり直しになるので、BROS.は全員必死。
収録時は大河ドラマ以来初めて喉を枯らしたらしい無礼者たちへも、すっかりお手のものという雰囲気になってきた。We want Mコールの後、ドレスシャツの上からロイヤルなデザインの白いロングコートを着て現れたましゃ。サビの「なんて無礼な〜」に合わせて手を左右に振り上げると、右斜め後ろの今ちゃんも同じようにやっていて、めちゃくちゃ楽しんでいてかわいい。今ちゃんのこの腕振りは、ましゃが花道の先のサブステージに移動してもなおやっていたので、本当にお気に入りの曲なんだと思う。ちなみに、ましゃがどこかのタイミングでコートを襟元を掴んで少し広げてみせた時、インナーのドレスシャツが肩のあたりまで見えて、まさかのノースリーブだということが判明してびっくりした。まあ、暑いもんな……。
次の幻界は、今月公開予定の主演映画「ブラックショーマン」のテーマソングで、ましゃが作曲した新しいインスト。ラジオで先行発表されたが、ライブで初聞きにしたかったので、私は敢えて一音も聞いてこなかった。そしてエレキギターを構えてステージに立つましゃの、二の腕が露わになっていた。

シルエットで察してください
ノースリーブのドレスシャツ姿を確認した瞬間、会場内に激震が走り、ある者は叫び、ある者は逆に声を失い、ある者は立ち尽くし、辺りは阿鼻叫喚に包まれた。ベンチプレス100kgを挙げ続けられる自分でいることにメンタルを全賭けしているましゃのその腕は、ほどほどに鍛えられていて太く、ヘルシーな感じでよかったのだが、おかげさまで全く集中できず、曲の記憶が1ミリもない。私はましゃに肌の露出は全く求めていないし性的に消費したくもないし(本人が積極的なイエスを言わない限りは、身体の扱いには慎重になってほしい)、そもそもスーツは着込むほうがセクシーだし、曲に集中できないし、ていうかライブのお衣装でノースリーブシャツが許されるのはTHE ALFEEの高見沢先輩だけだしでいいことが一個もないから、終演後、感想Webフォームから「あれがファンサのつもりなら解釈違いだし、全く集中できなかったから二度とやるな」と送った。それはそれとして曲はかっこいい!という印象だけは覚えているから、早くもっと聴きたくてiTunes Storeで予約した*16。
虹では、メインステージの左右に男女混合合唱チーム的な若人たちが大勢登場して、コーラスをやってくれた。ノースリーブシャツのおかげで何も覚えていない。
万有引力、やっぱり「優しき無言は無力」のあとから急に虚無になるのが引っかかる。朝のニュース番組に提供した曲だから、オーダー通りなのはよくわかるんだけど、そういうタイミングも含めて惜しいな〜という感覚は当初からずっとある。今後アルバム曲とかでガツンとやってくれないかな。ちなみにノースリーブシャツのおかげで何も覚えていない。
オタクが書き起こしてくれた万有引力の歌詞読んで思ったのはやっぱりまだちょっと弱いっていうか…有事の炎に虚無感感じるところまで辿り着いてるなら一緒に怒ってほしいのに、僕と君の話に落とし込まれて耳障りよくなりすぎ。2024年はもうそんなものじゃどうにもならないところまで来てるよ #BROS1991
— ギズモ散歩 (@sanbou_1028) 2024年9月30日
まあましゃ(の歌)にそこを求めなくても、世の中には今目の前で全世界が目撃しているはずの虐殺を一向に止められないという世紀の異常事態に対して一緒に怒ってくれる曲もミュージシャンもほかにいるからいいんだけど、単に私の好きな男もそうあってくれたらいいなっていう私の個人的な祈りだから……
— ギズモ散歩 (@sanbou_1028) 2024年9月30日
ずっとこれ
クスノキでやっと上着を着てくれて本当に助かった。確かここでサブステージの床が迫り上がって、かなり高い位置で止まり、ましゃの姿を私の位置からでも確認できた。気持ちが入っていて、しかしやりすぎず、一定のフラット感を保つような歌い方で、お客さん一人ひとりが自分の気持ちを少しだけ足す余白を確保してくれていてありがたかった。昨年は広島の原爆資料館に勉強しに行ったから、次は長崎だなという気持ちを強くした。この歌はおそらく今年の紅白歌合戦で披露することになるだろう。純白のお衣装だけは避けてほしい(男女でチーム分けするとかいう前時代的な慣習に迎合してほしくないので)。
広島の原爆資料館に行った話
アンコール
本編が終わり、ましゃとバンドメンバーたちが一旦楽屋へ帰っていった。期待に満ちたざわつきがずっと漂って、ましゃを呼ぶ男性ファンのシャウトに微笑ましさから思わず笑い声が起こる瞬間もあった。最近のアンコールでは、シンクロライトバングルが操作されて、自動的に光のウェーブが起こるのだけど、この日はちょっとしたメッセージみたいなものがモニターに順に映し出されていった。最後に出てきたのは「今日から始まる」「明日の」「SHOW」。
そうして始まった、アンコール1曲目の明日の☆SHOW。本当に大切な歌になったんだなと笑顔になるほどの頻出具合。夕日色の腕がゆらめくのをましゃがステージの上から眺める顔に思いを馳せてしまう。ましゃは、ツアータイトルの"SOUL"の文字が前面にあしらわれた白のグッズTシャツに、カラフルなお花がたくさんプリントされたシャツを羽織っていた。
SH-SV-NGS-1009 / Floral Embroidery Chambray Shirt Ver,TOLQ
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2曲目はDear。このDearでのましゃの気持ちの入りようは凄まじく、圧倒されて動揺してしまった。
君の瞳 君のやさしさを
君の笑顔 君の空
君の涙 君の憧れを
ずっと ずっと ずっと感じてる
最後の「ずっと感じてる」の、ほとんど叫ぶような歌い方。届けるように顔を上げるのではなくて、むしろやや下を向いて、ただそこでひとりきりだった。"福山雅治"へ寄せられる膨大な祈りと呪いの両方を35年間受け続けてきて、それでもなお他者の涙と憧れを感じ続けることを選びとる覚悟の魂(ソウル)の歌だった。
バンドセットでのアンコール2曲が終わり、メンバーたちがわらわらと前に出てきて、メンバー同士で、そしてましゃとも和やかにハイタッチを交わし合う。"我が最強の"メンバー紹介では、今ちゃんは綺麗で長い白髪(はくはつ)を両手でファサ……とやってくれてお客さんはみんな大喜び。チビちゃん*17はTシャツの両裾をつまんでいつものカーテシーをしてくれてかわいかった。山ちゃん*18の「お〜〜〜〜〜〜〜〜〜い!!」は今日も冴え渡っていて、客席も大声で応えた。これからもずっとこれを言い合えるように、お互い元気でいたいですよね。コーラスの田中雪子さんは本当に久しぶりにステージで拝見できて、ましゃも「おかえりなさいませ!」と声をかけていて嬉しかった!一般にコロナ禍と呼ばれる、各業界が最も厳しい活動制限を受けていた頃以降、福山バンドからはコーラスが消えてしまっていたので、さみしく思っていた。コーラスに居てほしい曲もあるので、人件費とか事情はあるにせよ、いつかレギュラー復活してほしい。
全員の紹介が終わったあと、メンバーたちがましゃを真ん中にしてステージ前面に横一列に並んで手を繋ぎ合い、万歳三唱をする直前。ましゃが少し身をかがめて小声で「『35周年』『ありがと〜』で……」とコソコソ周りに段取りを伝達していて、みんなもちょっと中腰で身を乗り出してそれを聞いていて、いやそれくらい事前に擦り合わせしときなよ😂と思いつつ、全員かわいかったから全部許した。
無事に万歳三唱をやって、バンドメンバーはここで全員退場。帰り道を微妙に間違えかけて慌てて正規ルートに戻る山ちゃんを微笑ましい拍手で送り出して、ステージ上にはましゃ一人になった。
「福のラジオ*19聞いた人います?(※やや少なめの拍手)SNSで見た人は?(※大勢が拍手)こっちのほうが多いんだ。ラジオやめようかな?」
「やめませんけど笑。各SNS等々で発表になってますけど、あなたのもっとそばに行くために、わたくし車を買いました。ポケットマネーどころか、結構(値段が)したんで、メインバンクからガッツリ引き落としました」
ファンと交流するために
・ファンクラブ会員限定イベント開催
・会報誌面上でQ&A
・映画等の舞台挨拶
・車を買う←new!
そんなことあるんだ……。


HONDA CITY カブリオレ(赤)
アリーナの片隅で被せられていた布をましゃが取ると、赤いかわいいオープンカーが現れた。ナンバープレートにはBROS.1991*20の文字。
「この車、昔乗ってたんですよ。話すと長くなるから、情報がモニターにバーッと出ますから、それ読んでください」
と言いながらましゃが車に乗り込んだ。ところが、シートベルトを締めたところで考え込むように目を閉じて、右手をこめかみに当てる。
「ドームに持ってきて気づいたんだけど……(お客さんからは車が)見えないよね」
「オープンカーだから大丈夫って思ってたんだけど、車っていうのは低いから……。見えない場合はモニターを見てください。それで、思ったんだけど、プレゼント、贈り物っていうのは、考えてるその時間が一番の贈り物だなって。だから僕の気持ちだけ受け取ってください」
最後のほうはましゃも笑っちゃってて、実際アリーナは通路側の席以外からはマジで1ミリも車見えなくて爆笑爆笑爆笑。
「エンジンをかけます。かかるかな?……よっしゃあ!」と嬉しそうな声がして、果たして還暦先取りの赤いカブリオレは、本当にましゃを乗せて走り出した。ましゃはゆっくりと進みながら、観客に手を振り続けている。そのあいだモニターには車載カメラなどが捉えているましゃと車の映像が映し出されて、下部に車購入時のエピソード*21や、昔は白のカブリオレに乗っていた話などがテロップとして流れていたが、私を含めたアリーナ席のファンたちはモニターを見るか実物を探すかで板挟みになり、「どこ!?今どこにいる!?」「見えない〜〜!!」と叫びながら高速首振りをするはめになった。
ましゃは「当時10万円で買ったんですけど、中古車販売サイト見てたら200万円くらいして〜」とおしゃべりしつつ、ある程度走ったところで、
「降りようかな」
と言い、マジで車から降りて、車椅子ユーザー席に行って「いつも席が遠くてごめんなさいね」と声をかけながら全員と握手をして、身体の自由がきかなさそうな人には、膝掛けの上からそっと膝のあたりをさわり、横に座っておられた付き添いらしき方とは握手。これを全車椅子ユーザー席分、計2箇所でやった。フロア爆沸き。
そのあと、あまりにも車が見えないからと用意してもらったらしいお立ち台に駆け上がって、そこが客席とめちゃくちゃ近いものだから、すぐそばのお客さんたちはもはやパニック状態だった。そのうえ、2026年の予定を発表してもいいですか!?などととんでもないことを言い出して、カメラの位置を確認し始めた。
「どっち(のカメラのほうを)見ればいいんですか?こっち?どう考えても(背景の見栄え的に)こっちだよね。明日のニュースで使いたいって言ってたから。ここ(お立ち台)のぼっちゃえば?」
と言って客席の様子がよく映るように調整したあと、2026年全国アリーナツアー、WE'RE BROS. TOUR 2026の開催が発表された。フロアは爆沸きし、雲は割れ、鳥は歌い、花は咲き、空には虹がかかった。

本当にありがとうございます
「(会場は)どこでやるんだって思ってるでしょ。僕の口から発表しようと思ってたんだけど、忙しいから、モニターで確認してください。やることが多いから!」
ましゃはそう言い残してすぐさまお立ち台を降り、再び車に乗り込んでゆっくりと走り出した。モニターにはツアーの開催日程と開催地が順に表示され始め、我々はまたしても高速首振りをしながら一喜一憂した。1月に神戸からツアーが始まることを知った隣のお姉さま方は歓喜。関東圏では日本武道館公演が、日を空けて2回(各2日間)あるだけのようだった。お姉さま方は「横浜、なかったなあ」と親切に話しかけてくれて、「なかったですう泣 武道館狙います泣」と返した。
いつの間にかドーム内を一周したカブリオレを、ましゃがバック駐車する。その動作にすぐさまフゥ〜〜〜〜〜〜!!!↑↑↑↑と反応するファンに、ましゃは「バックしただけで盛り上がるとは」と笑ってくれた。ステージに戻ってきたましゃは、
「もっとそばに行くために車に乗ったんですけど、見えないから。でも『もっとそばにきて』って曲があるじゃないですか!」
と言って、もっとそばにきてをアコギ1本で歌ってくれて、「でっかい歌声届けてもらっていいですか」と私たちにも歌わせてくれた。
もっとそばにきて
もっともっとそばにおいでよ
もっとそばにきて
もっともっとそばにきて
の部分を、最初は女性キーにキーを変えて演奏合唱して、「じょうず!」と褒めてくれたあと、男性キーでもやって、最後にみんなで歌ってすごく楽しかったし嬉しかった。私はこの曲がすごく好きで、
月曜の夜明けから 土曜の午後までいい子でいたから
今夜はとびきりの 笑顔とキスを僕にください
のところでいつも、土曜深夜にやっていたましゃの『魂のラジオ*22』のことを思い出す。歌詞の通りに、「月曜の夜明けから土曜の午後までいい子でいたから、今夜はましゃのとびきりかわいくてかっこよくて楽しいお話を聞かせて」って思いながら、毎週土曜日の23:30、窓際に置いたラジオ機能付きCDプレイヤーの選局ボタンを押していた。魂ラジ(たまらじ)懐古厨の老害扱いされてもいいから言うけど、本当に素敵な夜たちだった。
Radioは歌う 荒れた声で
おわりは来ない 大阪のこの夜を
もたれていいよ 僕の肩にすべてあずけてくれ
「愛の刹那さを」を「大阪のこの夜を」に歌詞を変えてくれたところと、「僕の肩に」のところでみんなでフゥ〜〜〜〜〜!!と大盛り上がりした。「すべてあずけてくれ」と2回も歌ってくれた。ましゃは笑顔だった。一緒に歌えて、「もっとそばにきて」ってましゃに直接言えて嬉しかった。
ましゃはダブルアンコールを終えて、デビュー35周年のお礼と、今回のドームツアーのコンセプトのことを少し話してくれた。先にSOULというタイトルを付けたそうで、「あなたのSOUL、私のSOUL、いかがでしたか」みたいなことを言っていた。私は大きな拍手で応えた。
「初日が大阪でよかったですよ」と言ってましゃはあっさり帰っていき、「また逢おう、またやろうな、バイバイ!」「Kissして〜〜!!」→投げキス連発→フゥ〜〜〜〜〜!!、のいつものくだりをやる隙がなかった。今日は色々あったので、こういうこともあるだろう。規制退場の指示に従って黙々と京セラドームをあとにした。
これまた慣れない電車を乗り換えて、ソウルメイトおすすめのカプセルホテルに到着。カブリオレイベントと規制退場で思いのほか遅い時間になったので、念のため一泊の予定にしておいてよかった。お酒を楽しく飲める体質だったらどこかで余韻に浸りながら一杯飲むところなんだと思うけど、下戸中の下戸だし、なんかもういいかなと思って何も食べず即風呂。ベッドに上がるときに湯川先生のアクスタケースを踏んでしまい、湯川先生が真っ二つになってしまったが、嘆いても先生は生き返らないので、アクスタ販売常設化の要望を感想フォームに書いて送り、就寝。

家路
何度か途中覚醒してしまったものの、概ね眠れた。ベッドスペースには当然窓がないので、朝になった実感がないのが新鮮だった。荷物をまとめて、「お世話になりました〜」とお礼を言ってチェックアウト。駅までの道のりでは犬ちゃんを散歩させている人や、お店の開店準備をしている人を見かけて、ああ私にとっては非日常の街を、誰かは日常として生きているんだな〜と当たり前のことを感じたりした。
新大阪駅に着き、551の肉まんと焼売のチルドセットを家族へのお土産に購入。職場用のお菓子と、自分用の駅弁と飲みものも買った。肝心の切符を自販機で買ったら乗車券を買い忘れ、単独購入の操作がわからず、有人窓口に駆け込んで助けてもらってホームにダッシュするというポンコツぶりを朝から発揮してしまい疲れた。窓口の職員さん方いつもありがとうございます。

真っ二つになった湯川先生のうち、上半身のほう
新幹線にふたたび揺られながら、ライブレポのため記憶の断片をスマホのメモ帳に書き出し続けたが、相変わらずほとんど覚えていなくて嫌になる。ライブレポートを書くプロのライターさんはすごい。
そうしているうちに目的地に着き、無事に帰宅できた。おうちに帰るまでがライブ。そして年末の大感謝祭と、それから来年のツアー武道館公演のチケット当選のために、善行を積む日々がまた始まる。各位お疲れさまでした。ましゃ、また逢おう、またやろうな!
記憶の断片
高水さん*23のベースがめちゃくちゃかっこよかった曲があった気がする。幻界だったかも。苦手だそうだけど、チョッパー*24をやっているのがモニターに映って、とってもかっこよかった。ベーシストってかっこいい。
ましゃがたくさんウインクしてくれた気がする。
楽曲ひとみのキービジュアル撮影時に着用していた、お花を繋げた刺繍のジャケットが、ロング丈にアレンジされてライブのお衣装として登場した。ましゃは身長181センチと背が高いから、コートやジャケットは丈の長いものを選びがちだし実際似合うんだけれど、私は普通丈や短めのものによって背の高さや足の長さが強調される着方も好きだよ……。

これが
こう
35年間を振り返る、ましゃの幼少期から現在に至るまでの秘蔵写真や映像が公開された。お兄さんと一緒に映っていたり、亡きお父さまが小さなましゃを笑顔で持ち上げていたりして感動したけど、こんなにも個人的で大事なものをシェアしてくれなくても大丈夫だよとも思った。でも愛している人が他者に愛されているのを見るのはとてもいいものだ。映像の中の若いましゃは、短い髪の先からぼたぼたと汗を垂らしながらステージで挨拶をしたり、格安バラエティーショップで売っているようなチープなサンタ衣装を上だけ着てぺこりとお辞儀をしたりしていた。そのあと、ましゃは照れくさそうに出てきて、「顔でっかいな〜と思いながら見てました。僕(出生時の体重が)4000グラム以上ありましたから。なんかあの、吸引*25っつーんですか?あれやって、頭が大きくなっちゃって笑」と笑っていた。
よかったところ
開演時間を遅らせてくれたところ。開演までの15分間だけではなく、本編始まってからもスタッフさんに案内されて来場したお客さんを何人かお見かけして、少しでも間に合えてよかったねと思っていた。すべてのお客さんがライブをできるだけ長く楽しめるようにしようという、エンターテイメントを届ける側の心意気を感じて嬉しかった。
車椅子ユーザーさんへの配慮というか、心苦しいと思っていたんだなということがわかったところ。イベント空間のアクセシビリティ問題は私も関心があるんだけど、ましゃも考えていたんだなと思うと嬉しかった。
よくなかったところ
客側の問題でもあるけど、場内で写真・動画撮影をする来場者を根絶できていないところ。撮影禁止と大きく書かれた看板を持って客席通路を練り歩き続けてくれるスタッフさんや、開演前の諸注意をブロックごとに言いに来てくれるスタッフさんまで配置していたのに、やはりやる奴はやる。規制退場の指示に従わない人もいる。どちらも何人も見た。もう客全員に通報ツール持たせてほしい。通報された客は席の下の床がパカッて開いて奈落の底まで堕ちて二度と帰ってこないでほしい。終演後にいつもモニターに出してくれていた「また逢おう またやろうな! 福山雅治 何年何月何日」のメッセージの表示が今回からなくなったのはこいつらのせい。最悪。どうして真面目にルールを守って撮影しなかった私たちが、ルールを破って記念撮影して思い出を持ち帰って楽しんでいる奴らのせいで、こんなにバカらしい気持ちにならなければいけないのか。こんなことなら私も撮影して、自分がよければ構わないと開き直ればよかったのかと思いそうになる。でも私はあくまでもルールを最初から最後まで守り続けた誇り高きBROS.として、今後一生生きていくことができる。ざまあみろ、ボケカスどもが……。
車椅子ユーザーさんへの握手について、性善説で動きすぎているところ。翌日の京セラドーム公演2日目では、ましゃの手を強く握ってなかなか離さない人がいたらしく、まあそうなりますよねという感じ。やるならグータッチかハイタッチ、いずれにしても所謂「剥がし*26」要員は配置すべきだった。こうなることを予測しなかった(できなかった)はずはないのだから、ましゃの心身へのリスクをチーム福山は軽視したのだとしか思えない。性善説で物事を考えないでほしい。自分が現在車椅子ユーザーではないからこんなことが言えるのはわかっているけれど、もうあんなことは二度としなくていいと思う。
各種発表を、本人がモニター前から離れているのにもかかわらずモニターに表示して、我々に高速首振りをさせたところ。どちらにも集中できなくて残念だった。発表の仕方は考えてほしい。
あと、これはむしろ私の問題なんだけど、ライブにあまり集中できなかったところ。中途半端に実物を拝見できるアリーナ席だと、モニターと実物とで高速首振りマシンになってしまうし、ましゃと私を結んだ直線上に、身長と座高の高いお客さんがいると詰む(そのお客さんは当然悪くない)。今回はそうだった。やはりライブはスタンド席に限る。でもいつかは最前列付近のアリーナ席で、ピックをキャッチしたいという夢を捨てられない。あと観たのがツアー初日・当該会場での公演初日だったからというのもある。ましゃもライブの間中ず〜〜〜っと手元の機材をさわって何かを調整し続けていたし、初日というのは改善の余地を洗い出す役割を兼ねた実験日だから、「これからもっとよくなる感(=今日はダメなところもあったけど許してね感)」を強く感じるのは致し方ない。だからといって、低クオリティーでいいですよということはないし、実験参加者として消費されるために安くないチケット代と交通費と宿泊費を払っているわけでもないのだけど。
思うこと
前述の女性週刊誌報道の件があり、ましゃのことを改めて考えに行ったライブになった。
ましゃはたぶん結構"ふつうの感覚"の持ち主だと思う。この日本社会におけるマジョリティ中のマジョリティである属性を持っていて、それ故に自分には降りかからない様々な困難や不利益を意識しなくてすむ生活をしてきて(男性の生きづらさが存在しないとは言っていないし、それは改善されるべきだと思う)、しかもたぶん、男性社会において一廉の人物になりたいとか、男性社会で暮らす男性たちに認められたい・評価されたいと思っているんだと思う。そうでなければ、完売させられない男性限定ライブを強行したりしないし、そのライブで「初めて自分のことをイケてると思えたのは、今日この夜ですよ!」と叫んだりしない。それはずっと前からわかっていたから、この男性限定ライブの円盤を買ったはいいもののずっと封印していて、やっと鑑賞したときにましゃが見たことのない顔をしていて、ああ私は女性として生まれてきた、ただそれだけの理由で、ましゃにあの顔をさせてあげられないのだと悟って本気で悔し泣きした。このエピソードにわるものは存在しないけれど、とにかくましゃにはそういう部分が未だにあるのだと思う。ずっと追っていると、ほかからもなんとなくそのような傾向を感じる瞬間がある。
そしてそういう存在になることの夢や憧れから遠く離れた現在地に立っていて、連れてこられてしまっても、パブリックイメージというか、集団認知によって輪郭を縁取られた"福山雅治"を、それでも引き受け続けるというのは、並大抵の覚悟ではない。彼は2万人とか4万人とかの前に立ち、後ろには自分の一挙手一投足で動く億単位のカネを生活の糧としている一流職業ミュージシャンやスタッフさんたちが大勢いて、それをも引き受けながら、観衆に向かって両手を広げることができる。ましゃはましゃ自身と"福山雅治"を切り離して俯瞰するようにしているとのことだったので、私たちが思っているよりも色々大丈夫なのかもしれないが、当然、そんなことはないだろう。
ましゃはましゃが原初に望んだ憧れの人生を歩むことは、今生ではもう無理で、それは彼自身が一番よくわかっていて、考えたこともなかったような様々なオファーをもらってそれに応え続けることが「今回の人生なのかな」と発言したりしている。彼の現在地のことを、彼だけが選んできたわけでもないはずで、でもファンにその責任は取りたくても取れなくて、けれど遠く離れたその場所から、いい景色を見ようとしたり、いい景色を見つけることができる人だと、もう信じるしかない。ここまでくるともう信じるとか信じないとかの次元の話になる。甘えているのはわかっているけど、私はそのいい景色でいたいし、信じるほうを選びたい。これは祈りであり呪いでもある。
引き受け続ける覚悟。愛される覚悟。愛され続ける覚悟。それを選び続けて、それ以外を選ばない覚悟。こんなふうに愛されることを選び続ける人はもう二度といないだろう。私はましゃのことを愛しているけれど、それは好き嫌いの延長線上にあるのではなくて、こんな人生を歩む人の、目撃者でいたいというか、存在を確認し続けたいというか、ただそばにいたい、そういう類の愛である。これが私の愛だと私が決めたので、ダブルアンコールのDearを聴きながら、「よし、わかった、あなたが愛されることを選び続けてくれるなら、私もあなたの愛し方を間違えないと約束する。間違えたら勉強する。ちゃんと見てるからね」と思った。社会問題や課題、特に、この国で居ないことにされていたり、男性と同等の人権を持っていないように扱われる存在に対するまなざしに関しては、きちんと見張り続ける必要がある。もちろん私自身も学び続ける必要がある。
私はたぶんこれからもましゃを愛しながら呪い続けることになる。何もわからないけどぶん投げたりはしない。ちゃんと考え続けよう。せめて愛し方と呪い方を間違えないように。

セットリスト
M-01 追憶の雨の中(ワンフレーズのみ)
M-02 ステージの魔物
M-03 vs. 2013 〜知覚と快楽の螺旋〜
M-04 HELLO
M-05 零 -ZERO-
M-06 Popstar
M-07 Good night
M-08 Squall
M-09 想望
M-10 道標 2022
M-11 家族になろうよ
M-12 Walking with you(ここだっけ?自信ない)
M-13 未来絵
M-14 KISSして
M-15 無礼者たちへ
M-16 幻界
M-17 虹
M-18 万有引力
M-19 クスノキ
En-01 明日の☆SHOW
En-02 Dear
En-03 もっとそばにきて
最強のメンバーたち
ギター:今剛
ギター:小倉博和
ベース:高水"大仏"健司
ドラム:山木秀夫
パーカッション:三沢またろう
サックス、フルート:山本拓夫
トランペット:西村"チビちゃん"浩二
コーラス:田中雪子
コーラス:大阪クワイアの皆さん(?)
バイオリン:???
バイオリン:入江茜?
チェロ:笠原あやの
???:???(ストリングスもう1名?)

後列左から、今剛、高水"大仏"健司、山木秀夫、井上鑑、山本拓夫、小倉博和

後列左から、笠原あやの、入江茜。前列右が田中雪子
おまけ
#福山雅治 さん ドームツアーが始まりました。先だってステージ用のシューズとして #SKECHERS #スリップインズ を購入したところ他のホーン2人も同じものを。3人は全く申し合わせている訳でもメーカーのエンドースでもないのでびっくり‼️今日初めて楽屋でその事実を知る。
— 村田陽一 (@YoichiMurata) 2025年8月30日
めちゃ履き心地良いです。 pic.twitter.com/1oxhDS7UwY
ホーンセクションおじさんたちかわいすぎる。撮り方がギャル。
*1:キーボード、福山バンドのバンドマスター、そして長年ましゃの楽曲のアレンジを担当してくれている井上鑑(いのうえ・あきら)。ましゃは彼のことをキャプテンと呼んでメンバー紹介をする
*2:2025年9月現在、新型コロナウイルス感染症は全然終息していないという立場です
*3:ましゃが吹替を担当した、ディズニー映画「ウィッシュ」のメインヴィラン、マグニフィコ王をモチーフにした、くまのぬいぐるみ
*4:ぶろす。福山雅治公式ファンクラブ名、およびその会員の呼び名。ましゃ本人は「福山雅治 友の会」と呼んでくれる
*5:公式グッズ。ブレスレットのように腕に嵌めて使用する。手動で任意の色に変えられるセルフモードと、スマホ向け公式アプリから自分の座席を入力し、Bluetoothで連動させることによって、ライブ中に自動で色や明滅が切り替わり、演出に参加できるシンクロモードとがある
*6:インストゥメンタル。歌詞のない器楽
*7:大手ギターメーカーのギブソン社製の、代表的なエレキギター
*8:エレキギターのボディにちょっと空洞を取り入れて、アコースティックギターのような響きの音を鳴らすことができる、いいとこどりのギター。ボディに2箇所あるアルファベットのfの形をしたサウンドホールから、内部の空洞が覗いている
*9:ギターの今剛(こん・つよし)。いつもどこで買ったの?と聞きたくなるようなゆるいデザインのTシャツを着ている
*10:サックスとフルート担当の山本拓夫。いつもかっこよすぎる
*11:初期だと「Mercy's Song」が該当する
*12:私が初めて確認したのは、WE'RE BROS. TOUR 2024 Flowers and Bees, Tears and Music. 千穐楽の日本武道館ライブ
*13:イヤーモニターやスピーカーに任意の音を出力してもらうこと。例えば、自分のギターの音を聞きたかったり、音量を上げてもらいたい場合、「自分のギターの返しが欲しい」という言い方になる
*14:シスジェンダーかつヘテロセクシャル、の略。シスジェンダーは、出生時に割り当てられた性別と自認する性別が一致していること、ヘテロセクシャルは異性愛指向のこと
*15:歌詞表記はうろ覚え
*18:山木秀夫。レジェンドドラマー。薄い色つきのサングラスがおしゃれ
*19:ましゃがメインパーソナリティーを務めるレギュラーラジオ番組のひとつ。毎週土曜日14時から、TOKYO FMほかで放送中
*20:ファンクラブは1991年発足
*21:リハーサル中に購入を決め、夜な夜な中古車販売サイトを巡回していたらしい
*22:オールナイトニッポンサタデースペシャル 魂のラジオ。ニッポン放送で2000年から2015年まで放送
*23:高水"大仏"健司。たかみず・けんじ。いつも帽子がおしゃれな、福山バンド最年長。メンバー紹介でお名前呼ばれたときにちょっと踊ってくれるのがかわいい
*24:スラップともいう。親指で弦を叩いたり、人差し指や中指で弦を少し持ち上げてから離して、弦をフィンガーボードに叩きつけて音を出す、ベースの演奏方法
*25:吸引分娩のこと。吸引カップを赤ちゃんの頭に吸着させて引っ張り、分娩を助ける方法
*26:アイドルなどがファンとのリアル接触イベントを行なう際、握手や会話などの接触を制限時間で強制的に終了させる役割のスタッフのこと