
Discordの共同創業者兼最高技術責任者(CTO)のスタニスラフ・ヴィシュネフスキー氏が、Discordで導入予定としていた全アカウントの年齢確認導入を2026年後半まで延期すると発表しました。
Getting Global Age Assurance Right: What We Got Wrong and What's Changing
https://discord.com/blog/getting-global-age-assurance-right-what-we-got-wrong-and-whats-changing
Discord is delaying its global age verification rollout | The Verge
https://www.theverge.com/policy/883852/discord-age-verification-global-walkback-delay
Discordは2026年2月10日に、全アカウントにデフォルトで未成年者向け設定を適用し、成人コンテンツや成人向けサーバーにアクセスするためにはカメラによる顔の撮影や身分証明書スキャンが必須になることを発表しました。
Discordがアカウントのデフォルト設定を未成年者向けにすると発表、成年認定には顔のカメラ撮影や身分証明書スキャンによる年齢確認が必要に - GIGAZINE

しかし、Discordは2025年10月に約7万人のユーザーの個人情報が流出したと報じられており、セキュリティ上のリスクが指摘されていました。多くのユーザーから「全ユーザーに顔スキャンや身分証の提出が強制されるのではないか」というプライバシー上の懸念が寄せられたそうで、ヴィシュネフスキー氏は「説明不足だった」と認めています。
ヴィシュネフスキー氏はビッグテックによる個人データの収集に対する世間の不信感は当然のものであるとした上で、Discordの目的はあくまでプライバシーを守りながら安全な環境を構築することにあると強調しました。
ヴィシュネフスキー氏は、今回の施策の目的は「大多数のユーザーの体験を変えることなく、未成年者への適切な保護と大人向けのコンテンツ体験を両立させること」だとしています。具体的には、90%以上のユーザーは追加のアクションなしでDiscordをそのまま利用し続けることが可能で、アカウントの作成期間や支払い情報の有無といった情報に基づき、個人を特定せずに年齢層を推定する内部システムを活用するとのこと。このシステムはOspreyというオープンソースのルールエンジンを活用したもので、メッセージの内容を読み取ったり会話を分析したりすることはないと説明されています。

特に過去テスト運用された「Persona」については一部ユーザーからセキュリティリスクの高さが指摘されていましたが、ヴィシュネフスキー氏は「顔年齢推定をデバイス内のみで完結させるというDiscordの新しい基準に達しなかったため、Personaの今後の採用は見送る」と発表しました。なお、テスト時のデータはすべて削除されたそうです。
また、年齢制限コンテンツへのアクセスなどで個別の確認が必要な一部のユーザーに対しても、クレジットカードによる確認やデータがデバイス外に出ない「オンデバイス型」の顔年齢推定など、プライバシーに配慮した複数の選択肢が提供されます。
ヴィシュネフスキー氏は、イギリス・オーストラリア・ブラジルなどの法規制への対応を継続しつつ、グローバルな本格展開は2026年後半まで延期すると発表しました。また、サーバー全体に年齢制限をかけるのではなく、ネタバレや政治などのデリケートな話題を特定のチャンネルで切り分けられる新機能を提供するとのこと。

さらにヴィシュネフスキー氏は、顔年齢推定を行うパートナー企業にはバイオメトリクスデータがスマートフォンなどの端末外に出ないオンデバイス処理を必須条件として課し、利用するすべてのベンダー名とデータ取り扱い方針を明示することを約束しました。また、今後は透明性レポートに年齢確認に関するデータを含めるなど、具体的な行動を通じてユーザーとの信頼構築に努めていくとしています。