以下の内容はhttps://gigazine.net/news/20260204-artemis-ii-delay/より取得しました。



NASAは宇宙飛行士の月面着陸プロジェクト「アルテミス計画」を進めており、2022年11月に打ち上げられた無人機の「アルテミス1号」の後、有人月周回ミッションの「アルテミス2号」の準備が進んでいます。アルテミス2号は打ち上げを2026年2月6日から7日に予定していましたが、アメリカ東部で発生した大寒波や燃料系統での技術的エラーなどにより打ち上げ予定日の延期が発表されました。

NASA Conducts Artemis II Fuel Test, Eyes March for Launch Opportunity   - NASA
https://www.nasa.gov/blogs/missions/2026/02/03/nasa-conducts-artemis-ii-fuel-test-eyes-march-for-launch-opportunity/


Cold weather in Florida is pushing back the Artemis II launch | The Verge
https://www.theverge.com/science/870767/nasa-artemis-ii-mission-launch-delay-sls-space-launch-system-orion-moon

NASA Begins Practice Countdown For First Human Moon Mission Since 1972 : ScienceAlert
https://www.sciencealert.com/nasa-begins-practice-countdown-for-first-human-moon-mission-since-1972

アルテミス2号は1972年のアポロ17号以来初となる有人月周回飛行で、巨大ロケット「SLS」と宇宙船「オリオン」を使用し4人の宇宙飛行士を月の周回軌道まで送り込む計画です。

NASAは2026年1月末にアルテミス2号の実際の燃料注入を含む最終リハーサル「ウェット・ドレス・リハーサル」を予定していました。ウェット・ドレス・リハーサルでは液体推進剤をロケットに詰めるところまで行うリハーサルであり、リハーサル完了後は2026年2月6日または7日にアルテミス2号を打ち上げるスケジュールで進められていました。


しかし、2026年1月24日から25日の週末にかけて、「ファーン」と名付けられた冬の嵐がアメリカ東部を襲ったことで、打ち上げ前の各種作業や試験スケジュールに遅れが生じました。寒波によりワシントンD.C.を含むアメリカ東部の地域では大雪や路面凍結、大幅な気温の低下が発生しており、CBSニュースの報道によると新型コロナウイルス感染症のパンデミック開始時の大量欠航以来となる1日あたり最多の欠航数を記録したとのこと。また、冬の嵐の影響で世界最大のデータセンター拠点があるバージニア州では電力価格が9倍まで急騰するなど電力価格の引き上げも発生しています。

アメリカ東部で発生した大寒波により世界最大のデータセンター拠点があるバージニア州で電力価格が9倍まで急騰、データセンターの高い電力需要も影響か - GIGAZINE


極低温環境は地上設備や推進剤の取り扱いにも影響を与えるため、NASAは安全確保の観点から作業計画を調整しました。これによりウェット・ドレス・リハーサルは2日遅れ、打ち上げ時期も最短で2026年2月8日になると発表されました。

その後実施されたウェット・ドレス・リハーサルでは、実際に液体水素や液体酸素をロケットに充填(じゅうてん)する本番同様の手順が確認されました。リハーサルではタンクへの極低温推進剤の充填に成功し、チームを発射台に派遣してオリオンの打ち上げを完了後、ロケットの燃料を安全に排出しました。寒さのため燃料補給作業の開始が遅れたほか、推進剤充填作業開始前に一部のインターフェースを許容温度まで上げるのに時間がかかったことが報告されています。

また、テスト中にターミナルカウントダウン操作の初実行を実施し、実際の打ち上げと同じカウントダウンが残り5分15秒まで迫った時点で、「液体水素の漏洩率が急上昇した」ことで打ち上げシーケンサーが自動的にカウントダウンを停止しました。特に液体水素まわりの燃料系統で追加の評価が必要なデータが得られたことから、NASAはこのまま打ち上げに進むのではなく、詳細な解析と必要な対策を行うためにアルテミス2号の打ち上げスケジュールを延期する判断を下しました。

NASAの長官であるジャレッド・アイザックマン氏はXの投稿で「SLSの打ち上げの間隔が3年以上経っていることから、私たちは課題に直面することを十分に予想していました。それがまさにウェット・ドレス・リハーサルを実施する理由であり、これらのテストは飛行前に問題を浮き彫りにして成功確率を最大化して打ち上げ当日を設定するために設計されています。いつものように、私たちの最優先事項は私たちの宇宙飛行士、私たちの労働力、私たちのシステム、そして一般市民にとっての安全です。上記の通り、私たちはこの歴史的なミッションに取り組む準備が整っていると確信した場合にのみ打ち上げを行います。私たちは追加のウェット・ドレス・リハーサルを実施し、その後3月のウィンドウを目指す予定です」と述べており、アルテミス2号の打ち上げは最速でも2026年3月になると発表しました。

With the conclusion of the wet dress rehearsal today, we are moving off the February launch window and targeting March for the earliest possible launch of Artemis II.

With more than three years between SLS launches, we fully anticipated encountering challenges. That is precisely…

— NASA Administrator Jared Isaacman (@NASAAdmin) 2026年2月3日


アルテミス2号のウェット・ドレス・リハーサルの結果に関する記者会見は以下から見ることができます。

NASA's Artemis II Fueling Test News Conference (Feb. 3, 2026) - YouTube




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