
雪の結晶は同じものが二つとないことが知られているほど複雑な形を持ち、その美しさからさまざまな装飾やデザインに使われますが、美しい結晶があっても雪であるためすぐに溶けてなくなってしまいます。そんな雪の結晶を「化石」として保存する方法について、カリフォルニア工科大学で雪の結晶やその成長についての研究を行っているケネス・G・リブレヒト教授による情報サイト「SnowCrystals.com」がまとめています。
SnowCrystals.com
https://www.snowcrystals.com/
Preserving Snow Crystals
https://www.its.caltech.edu/~atomic/snowcrystals/preserve/preserve.htm
雪を顕微鏡で見ることで、その結晶構造をじっくり観察することができます。しかし、室温や顕微鏡スライドの温度がわずかに上がっただけでも結晶は溶けてしまうため、長く観察することは難しくなっています。

そこでリブレヒト教授は、化学者のトリグヴィ・エミルソン氏が提案した方法を参考に、雪を化石として保存し続ける方法を解説しています。
まず、雪が降っているときに雪の結晶を採集します。その際、あらかじめ顕微鏡用のスライドガラスとカバーガラスを外気と同じ温度まで冷やしておきます。雪の結晶をボール紙などで作ったボードに落としたら、顕微鏡で魅力的な雪の結晶を探し、見つけた結晶を小さな絵筆で慎重に拾い上げてスライドガラスに置きます。
スライドガラスの上に雪の結晶を置いたら、その上から冷やしておいた流動性の高い接着剤を1滴落とし、カバーガラスをかぶせます。あとは接着剤が固まるまでスライドガラスを屋外または冷凍庫に1週間ほど置いておけば完成。
以下は、エミルソン氏が論文の中で示したレプリカの1つ。「雪の結晶の化石」と表現されていますが、実際には結晶そのものを保存するのではなく、樹脂や接着剤によって「雪の結晶の形を複製したもの」というわけ。

また、接着剤だけではなく、ポリ塩化ビニル系樹脂(フォルムバール)を用いたレプリカ作成もあります。これはVJ・シェーファー氏とJA・デイ氏による1981年の著書「」で解説されているもので、ポリ塩化ビニル系樹脂溶液を適切な濃度で調整し、接着剤の代わりに使うことで、同じように結晶の形を複製するというものです。
さらに、ウォルター・テープ氏が著書「」で解説しているものとして、「雪の結晶のアクリルレプリカ」があります。あらかじめプラスチックフィルムを塗布したスライドガラスの上に雪の結晶を置き、金物店などで入手できる透明アクリルスプレーを軽く吹き付けると、雪の結晶構造を再現する形でアクリルが固まります。以下は「Atmospheric Halos」に掲載されているアクリルレプリカのサンプルです。

接着剤やアクリルで保存した雪の結晶は、溶ける心配がないため、季節を問わず室内でじっくり観察できます。