
2025年12月5日(金)、EUのデジタルサービス法に基づきイーロン・マスク氏のXが罰金を科されました。Xはデジタルサービス法に基づき罰金を科された初の大規模オンラインプラットフォームとなります。
Commission fines X €120 million under the Digital Services Act
https://ec.europa.eu/commission/presscorner/detail/en/ip_25_2934

X gets $140 million EU fine for breaching content rules but TikTok settles | Reuters
https://www.reuters.com/sustainability/boards-policy-regulation/eu-fines-x-140-mln-breaching-online-content-rules-tiktok-settles-with-2025-12-05/
Elon Musk’s X first to be fined under EU’s Digital Services Act - Ars Technica
https://arstechnica.com/tech-policy/2025/12/elon-musks-x-first-to-be-fined-under-eus-digital-service-act/
EUの政策執行機関である欧州委員会は、デジタルサービス法に基づく透明性義務に違反したとして、Xに約1億2000万ユーロ(約220億円)の罰金を科すと発表しました。欧州委員会はXの「チェックマークにおける欺瞞的なデザイン」「広告リポジトリにおける透明性の欠如」「研究者への公開データへのアクセス提供の不備」などが、デジタルサービス法に違反していると説明しています。

罰金の詳細は以下の通りです。
◆青色チェックマークにおける欺瞞的なデザイン
Xが「認証済みアカウント」に「青色チェックマーク」を使用していることは、ユーザーを欺く行為であると欧州委員会は説明しています。これは、オンラインプラットフォームがサービス上で欺瞞的なデザイン行為を禁止するというデジタルサービス法に違反していると欧州委員会は指摘しました。
Xではアカウントの背後に誰がいるのかを実質的に検証することなく、誰でも料金を支払えば「認証済み」ステータスを取得できます。そのため、ユーザーがアカウントやコンテンツの信頼性を判断することが困難になっていると欧州委員会は指摘しました。このような欺瞞行為は、ユーザーをなりすまし詐欺などの詐欺や、悪意のある行為者によるその他の形態の危機にさらしていると欧州委員会は説明しています。デジタルサービス法はユーザー認証を義務付けていませんが、実際には認証されていないユーザーが認証済みであるとオンラインプラットフォームが虚偽の主張をすることを明確に禁止しています。
◆広告リポジトリにおける透明性の欠如
Xの広告リポジトリは、デジタルサービス法における透明性とアクセシビリティの要件を満たしていません。アクセス可能で検索可能な広告リポジトリは、研究者や市民社会が詐欺、ハイブリッド脅威キャンペーン、組織的な情報操作、偽広告を検出するために不可欠です。
Xには、処理の過度な遅延など、広告リポジトリの目的を損なわせる設計上の問題やアクセス障壁が存在します。また、Xの広告リポジトリには、広告の内容やトピック、広告費用を負担する法人といった重要な情報が欠けています。そのため、研究者や一般の人々がオンライン広告の潜在的なリスクを独自に精査することが困難になっていると欧州委員会は指摘しました。
◆研究者への公開データへのアクセス提供の不備
Xは「研究者にプラットフォームの公開データへのアクセスを提供する」というデジタルサービス法の義務を履行していません。例えば、Xの利用規約では資格のある研究者がスクレイピングを含む方法で独自に公開データにアクセスすることを禁止しています。さらに、研究者による公開データへのアクセスに関するXのプロセスは不必要な障壁を設けているため、EUにおける複数のシステミック・リスクに関する研究を実質的に阻害していると欧州委員会は指摘しました。

Xは青色チェックマークの欺瞞的使用に関連するデジタルサービス法第25条の違反を終わらせるため、具体的な措置を講じ、欧州委員会に通知するために60営業日が与えられます。また、広告リポジトリおよび研究者による公開データへのアクセスに関するデジタルサービス法第39条および第40条の違反に対処するために必要な措置を定めた行動計画を90営業日以内に欧州委員会に提出する必要があります。
テクノロジーメディアのArs Technicaは、EUのXに対する罰金にトランプ政権が介入を試みる可能性は高いと指摘。一方、欧州委員会の技術責任者であるヘンナ・ヴィルクネン氏は、今回の罰金が不適切な検閲とはみなされないと確信しているようで、「(罰金は)妥当かつ計算されたもの」であり「控えめな金額」にとどまっていると強調しています。
・つづき
XがEUからデジタルサービス法違反で罰金を科せられた腹いせに欧州委員会の広報アカウントを凍結 - GIGAZINE
