2021年、ザッカーバーグ氏の敷地に毎日子どもたちが送り届けられているのを不審に思った近隣住民が、この場所に学校が建てられていることを突き止めました。ビッケン・ベン・スクールが必要な許可を得ずに生徒を受け入れていたことから、地域条例を軽視したザッカーバーグ氏への反感が高まり、全面的な抗議運動へと発展しました。

資料には、「市がたった一人の億万長者家族の要求を満たすためにこれほど尽力し、近隣住民を暗闇に置き去りにしているとは実に驚くべきことだ」などとする住民の苦情が記されていたそうです。また、ザッカーバーグ氏が11の不動産を巨大な邸宅に統合し、住民を不安にさせる私設警備員を配置したほか、建設に際し騒音や交通問題を頻繁に招いていたことも、住民の不満を招くきっかけになっていたそうです。
決定的な局面は2024年9月、近隣住民が市当局に正式に苦情を申し立てた際に訪れました。住民側は「数多くの苦情」と「複数の法規違反報告」にもかかわらず学校が拡大を続けてきたと主張し、市当局による迅速な対応と活動停止命令を要求。市の都市計画部長だったジョナサン・レイト氏は当初、一部の教育活動を継続させる穏便な解決策を提案しましたが、住民の激しい反発を招き、ザッカーバーグ氏が常習的な条例違反を繰り返しているにもかかわらず配慮するとは何事か、といった趣旨の苦情を受けたとのこと。

これを受け、市当局は2025年3月、「2025年6月30日までに学校を閉鎖するか、法的措置を取るように」とザッカーバーグ氏に通告。この通告にザッカーバーグ氏側が応じ、同校は8月頃に閉鎖されたそうです。ただし、Metaの広報担当者であるブライアン・ベイカー氏は「閉鎖ではなく移転しただけ」と主張しており、移転先の住所は公開していません。住民の間では、移転先で果たして適切な許可を得ているのか、といった疑問が浮上しているとのことです。
テクノロジー系メディアのThe Tech Buzzは「ビッケン・ベン・スクールの騒動は、テック業界の巨人でさえ、地域のルールには従わなければならないという現実を浮き彫りにしました。4年に及ぶ争いは、近隣住民が組織化し粘り強く抵抗すれば、大企業の経営者でさえも地方自治体の規制を回避できないことを露呈しました。これは、住民が億万長者の特権に打ち勝つ可能性を証明するものです」と述べました。