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ロシアはウクライナに対して、軍事力での侵攻と合わせてさまざまなサイバー攻撃を広く行っています。その一環として、ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領を弱体化させるような偽情報キャンペーンを展開していることがわかっています。

Kremlin runs covert disinformation campaign to undermine Zelensky - The Washington Post
https://www.washingtonpost.com/world/2024/02/16/russian-disinformation-zelensky-zaluzhny/


ワシントン・ポストの報告によると、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領の政権は、ロシアの政治戦略家に対し、SNSなどを活用して「ゼレンスキー大統領が『ヒステリックで弱い』という印象付けを行うようなフェイクニュースを拡散すること」を命じたとのこと。

ワシントン・ポストの調査では、ロシアによって作成された「ゼレンスキー大統領とウクライナ軍のヴァレリー・ザルジニー総司令官の確執」に関するSNSの投稿は数千件、フェイクニュース記事は数百件にのぼったことが明らかになっています。ウクライナ社会を分断し、不安定化させることを目的として、ゼレンスキー大統領を標的としたこれらの情報はウクライナやヨーロッパ全土に流布されました。

ロシアの対ウクライナプロパガンダチームの主な目的は、「ゼレンスキー大統領やウクライナ政府、ウクライナ軍司令部の主要人物の評価を下げ、彼らが独善的に働いているということをウクライナ国民に広め、政治の混乱や紛争の増加、恐怖や不安の増大を招き、戦争での損失を拡大するため」でした。ロシアでは、ほぼ毎週のようにキャンペーンの進捗状況に関する会議が行われ、キャンペーンに携わる政治戦略家がウクライナのSNSで最も広く読まれた投稿の紹介や、ゼレンスキー大統領とウクライナ軍の指導部の信頼度に関する世論調査を行いました。


ワシントン・ポストが入手した、プロパガンダチームによる(PDFファイル)会議のプレゼン資料によると、「戦死した兵士の家族が国から何の援助も受けていない」と主張するロシアによるFacebookの投稿は、200万回以上の閲覧があったとのこと。また、別のロシアによる投稿では、「ウクライナ政府は、最後の1人になるまで戦うことを強制する」との主張が行われていました。

2023年3月上旬までに、ロシア政府から依頼を受けた数十人の政治戦略家が毎週1300件以上のテキストと3万7000件のコメントをウクライナのSNSに投稿していました。記録によると、これらの政治戦略家は1日あたり100件のコメントを投稿することで、月に6万ルーブル(約9万7000円)の収入を得ていたことが明らかになっています。


しかし、ロシアによるキャンペーンの成果は芳しくなく、世論調査ではウクライナ社会はロシアの侵攻以来、団結力が強まっていることが明らかになっています。実際に2023年2月から6月にかけてのウクライナ国民によるゼレンスキー大統領への信頼度は68%から73.3%に達し、あるモスクワの当局者は「ゼレンスキー大統領を弱体化させ、ウクライナ社会を分裂に導くことができない」と漏らしており、「まるで世界的なスターのように、汚すことのできないイメージが抱かれているようだ」と述べています。

しかし、2024年2月8日にゼレンスキー大統領によってザルジニー総司令官が更迭され、アメリカからの軍事的・財政的支援の継続が不透明になっています。その結果、ウクライナ政府ではロシアのプロパガンダ活動がウクライナ国民の結束と士気を損ない始めるのではないかとの懸念が高まっているそうです。

Facebookを運営するMetaは2022年に「ロシアによる偽情報キャンペーンが運営するアカウントやページ、ウェブサイトの監視およびブロックを行っています。これらのキャンペーンはセキュリティチームによって迅速に検出され、無効化が進められています」との声明を発表していますが、ロシアではウクライナのメディア空間に浸透する最も効果的な方法として「X(旧Twitter)やFacebook、Instagramと組み合わせたTelegramのネットワーク」を構築しており、SNSを通じて「ゼレンスキー大統領はその座にしがみついており、ウクライナでは民主主義が失われつつある」などの偽情報を展開しています。


また、ロシアではSNS上でフランスの新聞「ル・モンド」やフランス外務省などの偽アカウントを作成し、ウクライナ政府を中傷するコンテンツを投稿する取り組みも行われています。これらの取り組みはヨーロッパ連合内で「ドッペルゲンガー」と呼ばれ、ドイツのアンナレーナ・ベアボック外務大臣の偽アカウントも作成され、ウクライナへの中傷に使用されています。

これを受けて、EUでは「ロシアによるEUとEU加盟国に対するハイブリッド・キャンペーン」の一環として、「国営メディアや政府のウェブサイトのアイデンティティを奪う偽のウェブページやSNSアカウントの作成に関与した」として、ロシアの国家技術・社会デザイン庁やその長官であるイリヤ・ガンバシゼ氏らに対し制裁を科しています。また、ガンバシゼ氏は2023年11月、「ラテンアメリカで偽情報を広めるロシア政府の取り組みに関与した」としてアメリカ国務省によって指名手配されています。

ロシアでは、西側諸国の主要メディアに対し、親ロシア派の論評を掲載してもらうために、最大3万9000ドル(約580万円)を支払う用意があるとされています。ロシア政府の文章には「コラムニストや世論のリーダー、元外交官、役人、大学教授など、説得力のある論評を行える人材は世界中どこにでもいるだろう」との記載が残されていました。また、ロシア政府の政治戦略家は「これらの取り組みは非常に高価ですが、適切な時期を見つけて使用するとうまくいきます」と述べています。

ヨーロッパの治安当局者は「ロシア政府は弱点を探します。人々の士気を損ねるために、彼らは自分たちで作り出したものも含め、足元に転がっているものは何でも使います」と指摘しました。




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