以下の内容はhttps://gigazine.net/news/20230813-ai-shore-up-democracy/より取得しました。



AIによって高精度な文章を人間よりも圧倒的に短い時間で生成できるようになったことで、「AIが生成したパブリックコメントが政治に影響を及ぼすのではないか」「AI製のフェイクニュースが拡散され民主主義をゆがめるのではないか」といった懸念が浮上しています。そんな中、著名な情報セキュリティ専門家でありハーバード大学ケネディスクールの公共政策学講師も務めているブルース・シュナイアー氏が、「AIは民主主義を強化することができる」と主張しました。

AI could shore up democracy – here's one way
https://theconversation.com/ai-could-shore-up-democracy-heres-one-way-207278


シュナイアー氏は、これまでのところAIが民主主義や政治に多大な悪影響を及ぼすという懸念が数多く提起されており、人々が「AIが政治利用されるのは危険なのではないか」と不安になるのも仕方がないと認めています。

その上で、人口の増加と社会的な相互接続の増加に直面する民主主義をより適切に拡大するため、AIを建設的に活用することも可能だと主張。有力なユースケースとして、「議論のモデレーションやコンセンサスの取りまとめ」を挙げています。


市民が政治参加する主な方法の1つに、「公共政策や規則の制定に関するパブリックコメントを公的機関に送る」というものがあります。長年にわたり、政府機関は人力で受け取ったコメントを読み、膨大な人々の意見を要約したり回答を作成したりしてきました。当然ながらこのプロセスには膨大な時間と労力が必要であり、必ずしもすべてのコメントに目を通したり、重要な意見を吸い上げたりできるとは限りません。

そこで、アメリカの連邦最高データ責任者会議は2021年に、自然言語処理ツールを実装して政府全体のコメントレビュープロセスを合理化することを推奨しました。記事作成時点では2021年よりも格段にAIテクノロジーが進歩しており、膨大なコメントについて意味的類似性に基づいた分類を行い、寄せられたコメントにどのような意見が多かったのかを、人間の担当者にわかりやすいように要約することが可能です。

AIを利用して市民から寄せられた膨大なコメントを要約し、人間が読みやすい量にまとめることは、それほど多くの人的・時間的余裕がない小さな公的機関や立法府の職員に大きな恩恵をもたらします。


AIによるコメント要約は時間やコスト面のメリットがある一方で、その過程で「個々の市民が持っている独自の個性や人間関係」といった詳細が省かれてしまうため、レビュー担当者は多くの人々が共通の視点を持つ理由となっている「個人的な体験」を見落としやすくなってしまいます。その結果、トピックに関する説得力のある議論やエピソードに気づけなかったり、「長期にわたり生産的な関係を築けるような献身的で知識豊富な支持者」を認識する機会を失ったりする危険性があるとシュナイアー氏は指摘しています。

AIを利用したレビュープロセスには、確かに上記のような問題もあります。しかしシュナイアー氏は、「実用性の面では、ある種の要約アプローチがちょうどいいバランスです。そもそも規制当局や議員が読む時間を取れないなら、情熱的な手紙は何の価値も持たないからです」と述べ、AIの利用は全体的に見ればメリットの方が大きいだろうという見解を示しました。


また、AIは膨大なコメントから共通点を見いだして要約するのとは逆に、「独特で注目に値する意見」を抽出することも可能です。政治家は時に、市民から寄せられた膨大なエピソードの中から特徴的で説得力の高いものを見つけ出し、公聴会やキャンペーンで繰り返し同じエピソードを話して聴衆に訴えかけることがあります。AIをこうした有用なコメントの抽出に使用すれば、個々のパブリックコメントが持つ潜在的な影響力を維持することができます。

シュナイアー氏は、才能があり知識と熱意がある市民は、自らの個人的な体験や特徴的な視点についてしっかりと伝えることができると主張。「効果的なコメント要約プロセスは、そのようなユニークな視点を山の中から取り出し、議員の手に渡すことになります」と述べました。




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