以下の内容はhttps://gigazine.net/news/20230708-witnessing-same-events-again-alzheimer/より取得しました。



「同じ出来事を何度も繰り返している」という感覚はDéjà vécu(デジャヴェキュ:既体験感)とも呼ばれ、多くのSF作品でも似たような設定がみられます。ところが、この異常な既体験感を持っていた80代男性についての症例報告では、既体験感が「アルツハイマー病のまれな症状」だったと報告されました。

Déjà vécu with recollective confabulation: an unusual presentation of Alzheimer’s disease | BMJ Case Reports
http://dx.doi.org/10.1136/bcr-2023-255411


Groundhog Day' syndrome made a man feel like he was reliving the same events | Live Science
https://www.livescience.com/health/alzheimers-dementia/groundhog-day-syndrome-made-a-man-feel-like-he-was-reliving-the-same-events

今回の症例報告で取り上げられた80代の男性は、同じシーンを何度も繰り返し目撃しているという感覚を持っていました。男性は「同じ内容が何度も出てくる」と電子書籍メーカーに苦情を申し立てたり、「テレビが何度も同じニュースを流す」と言って技術者に連絡したりしていたとのこと。

男性は自分自身の体験について、「私がどこに行っても同じ人が道ばたに立っていて、同じ人が乗った同じ車が後ろにいて……同じ人が同じ服を着て、同じバッグを持って、同じことを言って車から降りてきます……新しいことは何も起きません」と語ったそうです。


まるで繰り返しのループにとらわれてしまったかのような異常体験を報告した男性でしたが、研究チームによるとこの状態は「deja vecu with recollective confabulation(DVRC:集団的混乱を伴うデジャヴェキュ)」と呼ばれ、アルツハイマー病などの神経変性疾患の症状として現れることがあるそうです。

広く知られているデジャヴ(既視感)は、今までに見たことがない情景を前にして、「前にも同じ情景を見たことがある」と感じることを指します。一時的な感覚であるデジャヴに対し、デジャヴェキュはより持続的な感覚であり、新しいはずの出来事を「既に何度も繰り返し体験した出来事だ」と感じてしまうことを指しています。

研究チームによると、既体験感を持っている人は病気のせいで自分自身の状態に対する洞察が欠けており、異常な知覚を正当化するために妄想的で誤った信念を発達させているとのこと。DVRCの正確な原因は不明なものの、短期記憶を長期記憶に変換する海馬の機能不全が「誤った記憶」を引き起こすと考えている研究者もいるそうです。


今回の男性は神経心理学的調査により、記憶喪失・衝動的な行動・認知機能の低下といった問題が明らかになったほか、しばしば2つの別々の物語を1つの物語に混同することがありました。また、脳スキャンでは左側頭葉および前頭葉の活動が異常に低下していることが確認されました。

さらに脳脊髄液の検査では、アミロイドβ42というペプチドの濃度が低下し、タウタンパク質のレベルが上昇していることがわかりました。これらはアルツハイマー病の兆候であり、男性はアルツハイマー病を患っていることが生理学的にも支持されたとのこと。

男性は免疫療法を受けたものの臨床的な改善はみられず、発症から4年が経過した時点での検査では、認知能力がさらに低下していることが報告されています。研究チームは、「患者の集団的混乱症状は深く根付いており、深刻です」「しかし、患者は自宅に住み続けてセルフケアによって自立し続けました」とコメントしました。




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