2022年11月20日に、Twitterのイーロン・マスクCEOがドナルド・トランプ元アメリカ大統領のTwitterアカウント永久凍結を解除しました。一方で、トランプ氏は自身が立ち上げたSNS「TRUTH Social」にとどまる姿勢を見せています。

Trump Cites Twitter ‘Problems,’ Says He’ll Stick to Own Platform - Bloomberg
https://www.bloomberg.com/news/articles/2022-11-19/trump-cites-twitter-problems-says-he-ll-stick-to-own-platform

トランプ氏は、2021年1月7日にアメリカ連邦議会議事堂襲撃事件が発生した直後に「我々は将来にわたり大きな声を上げ、その声はいかなる形でも軽視されたり不当に扱われることはないでしょう」「1月20日の就任式に行くつもりはありません」といったツイートを投稿していました。Twitterはトランプ氏の投稿を「さらなる暴力を引き起こす可能性がある投稿」と判断し、トランプ氏のアカウントを永久凍結。その後2年弱にわたってアカウント凍結が解除されることはありませんでした。

Twitterがドナルド・トランプ氏のアカウントを永久BAN - GIGAZINE

一方で、マスク氏はTwitterに対する買収提案当時から「言論の自由」を掲げており、トランプ氏のアカウントを復活させる意向を示していました。そして、2022年11月19日には「トランプのアカウントを復活させるか否か」のアンケートを実施。1500万人以上の回答者のうち51.8％がトランプ氏の復活に賛同したことから、2022年11月20日にトランプ氏の永久凍結を解除しました。

イーロン・マスクが永久凍結されたトランプ前大統領のTwitterアカウントを復活させる - GIGAZINE

アカウント凍結の解除によってトランプ氏は自由にツイートすることが可能となりましたが、記事作成時点ではトランプによる新たなツイートは投稿されていません。

実は、トランプ氏は2022年4月に「マスク氏によるTwitter買収後にTwitterに戻りますか？」という質問に対して「私はTwitterには参加しません。TRUTH Socialにとどまるつもりです。私はマスク氏を良い人だと思いますし、彼がTwitterを改善してくれることも願っています。しかし、私はTRUTH Socialにとどまります」と回答しており、Twitterの凍結が解除されたとしても自身が立ち上げたSNS「TRUTH Social」での発言を続ける姿勢を示していました。また、上記のアンケートの回答期間中には「今すぐ積極的に投票してください。でも心配はいりません。私はどこにも行きません。TRUTH Socialは特別です！」と述べ、TRUTH Socialにとどまることを強調しています。

さらに、Bloombergによると、トランプ氏は2022年11月19日に「Twitterの否定的な言論や偽アカウントの問題はひどい状態です」と述べつつ、支持者に対して「TRUTH Socialは非常にパワフルで非常に強力です。私はTRUTH Socialにとどまります」と語ったとのこと。また、調査会社のSensorTowerは、TRUTH Socialが2022年9月時点で約370万人にダウンロードされていることを報告しており、TRUTH Socialに一定の影響力があることが示されてます。

上記のような状況の中、マスク氏は2022年11月21日午前8時21分に「トランプ氏が復活したTwitterアカウントに興味を示している」という旨の画像を投稿しました。ただし、当該ツイートは記事作成時点では削除されています。

なお、トランプ氏はTwitter以外にもFacebookやTwitchなどのサービスからも永久追放されています。しかし、ニューヨーク・タイムズの記者を務めるマイク・アイザック氏は「(トランプ氏のアカウントを復活させた)Twitterの事例は、クレッグ(Metaの国際問題担当プレジデント)がトランプ氏のアカウントを復活させる際の参考になるでしょう」と述べ、トランプ氏のFacebookアカウントが復活する可能性について言及しています。