以下の内容はhttps://gigazine.net/news/20221114-mushroom-skin-chips-base-sustainable/より取得しました。



現代社会において電子機器に搭載されるチップはなくてはならない存在ですが、チップの寿命やリサイクルの困難さから毎年大量の電子廃棄物が生み出されています。そこでオーストリアの研究チームは、チップの基板の素材として「キノコ」を利用することで持続可能なチップが製造できるという研究結果を発表しました。

MycelioTronics: Fungal mycelium skin for sustainable electronics | Science Advances
https://dx.doi.org/DOI:%2010.1126/sciadv.add7118

Fungal skin replaces plastics in electronics - European Biotechnology
https://european-biotechnology.com/up-to-date/latest-news/news/fungal-skin-replaces-plastics-in-electronics.html

Computer chip made using mushroom skin could be easily recycled | New Scientist
https://www.newscientist.com/article/2346702-computer-chip-made-using-mushroom-skin-could-be-easily-recycled/

導電性金属で構成される電子回路は基板と呼ばれるベースの上に配置されており、基板は絶縁および冷却の役割を果たしています。ほとんどの基板はリサイクルができないプラスチックポリマーでできており、チップの寿命が尽きるとそのまま捨てられることが多く、年間5000万トンもの電子廃棄物を生み出す一因となっているとのこと。

そこで、オーストラリアのヨハネス・ケプラー大学の研究チームは、マンネンタケ科のキノコであるGanoderma lucidum(霊芝)を使用してチップの基板を作る研究を行いました。キノコで基板を作るという発想は奇妙に思えるかもしれませんが、すでにキノコの菌糸体を原料にして動物の革のような素材を作る試みがあり、菌糸体由来のレザー「Mylo(マイロ)」は製品化目前まで到達しています。

キノコで作った革のような素材「Mylo」 - GIGAZINE


腐った木材の表面で成長する霊芝の菌糸体は、細菌や他の真菌から内部を保護するために丈夫な外皮を形成します。この外皮を抽出して乾燥させると、柔軟性があって優れた絶縁性能を持つ素材ができあがるとのこと。この素材は紙と同様の厚みを持ちながらセ氏200度を超える高温にも耐えることができ、電子回路の基板に適した特性を持っていると研究チームは報告しています。

研究チームは、実際に菌糸体から作った基板の上に金属回路を構築する実証実験も行い、標準的なプラスチックポリマーとほぼ同じ伝導性能を発揮することも確認されました。菌糸体由来の素材は2000回以上曲げても使用できるほか、Bluetoothセンサーなどの低電力デバイス用のバッテリーにも使用できるそうです。


研究チームのMartin Kaltenbrunner氏は、菌糸体由来の基板は湿気や紫外線から遠ざければ数百年以上も耐えることができると主張しています。その一方、土壌中では約2週間で分解される生分解性を持つとのことで、簡単にリサイクルできるという大きなメリットがあります。


今回の研究に関与していないイギリス・西イングランド大学Andrew Adamatzky教授は、科学系メディアのNew Scientistに対し、「作成されたプロトタイプは印象的であり、研究結果は画期的です」とコメントしました。




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